冒険者の学校。

ゆみすけ

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二人を一人に・・・

アマテラス様も、出来ないことが・・・

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 フーボーと二人でツキヨミを担架で運ぶ。 
女官は緊急事態であるから、フーボーを見ても何もいわない。 
扉を一斉に開いてくれたのだ。 アマテラス様の前へ担架ごと、潰れたツキヨミを運び込んだ。 
「アマテラス様、どうにかなりませんか。」と、叫ぶオレである。 
アマテラス様は、アマテラス様は・・・
「ユミスケ、わちきも出来ることと、出来ないことがあるぞえ。」
「なんでも、できると思うなかれじゃ。」
「ウズメ姫は、再生カプセルで半年かかるぞえ。」
「では、ウズメ姫は・・」「ルイザが運んできて、なんとか間に合ったのじゃ。」と、アマテラス様だ。 
いつになく、お怒りのアマテラス様のようだ。 
「もはや、体が潰れて、首だけじゃ。」
「首から上しか、無いではないか。」「
おまえが、ツキヨミを一人にしたからじゃ。」と、酷い言いようのアマテラス様だ。 
そうなのだ。 オレは戦術核のドロ~ンで島を破壊しようと・・・ しかし、失敗してしまった。 
オレの油断である。 ツキヨミを殺したのはオレである。 
離れるべきではなかったのだ。 
ルイザを残して、ウズメ姫と1機のドロ~ンで対処もできたろう。 
そうならば、後方はルイザが守るから、ウズメ姫も墜ちることはないかもしれない。 
そう、結果論だが、オレの判断ミスである。 
あくまで、ドロ~ンは武器ではないのだ。 修理のための機械なのだ。 
それを、頼ったオレがバカであったのだ。 
「わかりました。」と、落ち込むオレである。 
これで、ツキヨミとも永遠のお別れだ・・・ ん、待てよ。 
そうだ。 まだ、頭部は腐ってはいない。 
記憶の断片でも取り出せないだろうか・・・ 
「アマテラス様、お怒りのところ、すいませんが。」「ん、なんじゃ。」
「もう一人のツキヨミと、記憶を共有できませんか。」
「・・・・」「アマテラス様!」「できないことは、ないがじゃ。」
「では、お願いします。」と、土下座する。 
フーボーも土下座を付き合う。 空気を読めるオトコのフーボーである。 
「しかし、ユミスケよ、初代のツキヨミは承知かへ。」そこまで、聞く暇なぞ無い。
 説得する時間もない。 
「頭部が腐れば、あとの祭りじゃぞ。」
「いまでも、無理やもしれんのじゃ。」「え、え、無理なんですか。」
「失敗するやもしれんのじゃ。」「約束はできぬぞよ。」と、アマテラス様が・・・ 
「連れてきます、すぐに連れてきます。」と、フーボーとランクルでリオンの街の宿へ急ぐ。 
フーボーには、「ルイザへ、このことを伝えてくれ。」と、伝言を頼んだ。
 理由を言う間もなく、初代ツキヨミを連れて、神様の祠へ急ぐ。 
「どうしたの、ユミスケ。」と、初代ツキヨミがいうが・・・ 
理由をいう暇なんてない。 「いいから、乗ってくれ。」と、ランクルへ押し込んだ。 
オレの様子が緊急性を帯びてるからか、初代ツキヨミは、なんも言わない。 
15分で祠へ着いた。 ツキヨミを連れて急ぐ。 
アマテラス様の前へ・・・ 「ツキヨミ、なにも言わないで、このツキヨミと合体してくれ。」と、懇願する。 
初代ツキヨミの前には、頭部だけの女官のツキヨミが・・・ 
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