冒険者の学校。

１００倍返しだ。

飛竜は島ごと殲滅だ。

　ミサイルが残り２０発くらいになってとき、飛竜が引き揚げ始めた。　
「夕方が近いからだ。」と、気が付いたオレだ。　
飛竜は夜目が効かないのだ。　それで、いま帰らないと、島へ着く前に暗くなるのだ。　
本能で感じ取るようだ。　ルイザが、「あんた、飛竜が引き揚げるわ。」と、うれし顔だ。　
もう、散弾を撃ち尽くして、替えの弾がないのだ。　
残った飛竜は２０匹ほどだと思う。　
「ギャア、ギャア。」と、鳴きながら島へと帰っていく。　
急に肩が重くなる。　なんせ、数時間もロケットランチャーを担いでいたからだ。　
「あっ、ツキヨミ。」と、思い出したオレだ。　
「さがさないと。」「ルイザも手伝ってくれ。」と、馬車へロケット砲や弾頭をしまい込んだ。　
武器なのだ。　他人には渡せない。　
体内のナノ・マシンへ、「ユキヨミやウズメ姫の居場所は？」と、心の声で聞く。　
「では、案内します。」と、ナノ・マシンが答えてくれた。　
ルイザと馬車で向かうが、どうやら王都の外みたいだ。　
やがて、丘に到着する。　仮家が破壊されて、地面が流れた血で染まっている。
　喰われたエサのババァの血だ。　
すこしは、ヒトのために死ねたのだ。　あの世では、成仏できるだろう。　
そして、心の声だ。　「ここから、南へ２００ほどです、岩山の瓦礫の・・・」　
オレは走る、確かに瓦礫が・・・　飛竜の死骸とドロ～ンのペラが見え隠れする。　
ドロ～ンの上に飛竜がペラで切られて傷だらけだ。　
どうやら、ドロ～ンのプロペラへ飛竜が巻き込まれたようだ。　
飛竜は上から墜落の衝撃で死体である。　とても、二人の力では退けられない。　
「ルイザ、兵隊を多数、応援要請だ。」「できるだけ早く頼む。」
「え、え、いいわ。」と、ルイザは馬車の馬へムチだ。　
「ユキヨミ、ウズメ、聞こえるか。」と、呼べど応答はない。　
瓦礫も、テコや多数の人手が必要のようだ。　
「アマテラス様、どうか二人が生きてますように・・・」と、懇願するが、距離があるから、ナノ・マシンへ応答はないようだ。　
岩を棒をテコにして動かそうと・・・四枚あるプロペラの1基が瓦礫から姿を現した。　
もうすこしで、胴体が・・　「風防が・・・」と、叫ぶオレである。　
やがて、数人の兵隊を乗せてルイザが戻ってきた。　
「ルイザ、手伝ってくれ。」と、応援の兵隊らとで瓦礫をかき出す。　
折れ曲った風防の枠が見える。　
透明な風防の樹脂がヒビが・・・　
「生きていてくれ、でないと・・」と、半分泣きしゃべりのオレである。　
オレは軍人ではない、単なるオッサンだ。　だから、泣くときは泣くのだ。　
「ウズメか、ツキヨミが。」　ヒビが入っているので、誰か・・・　風防が、なかなか開かない。　「くそっ、くそっ。」と、悔し涙がこぼれる。　なんとか、開いた。　
倒れた女神様を、抱き起す。　
「ウズメ姫！」と、呼びかけるが意識不明だ。　
操縦席から引き出した。　軽い、なんて軽いんだ。
　こんな、か細い体で飛竜と・・・　担架へ乗せる。　
「ユキヨミは。」と、さらに瓦礫をかき出す。　
「あんた、こっちよ。」と、ルイザが叫んだ。