冒険者の学校。

ゆみすけ

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義務教育しかない。

強制的に入学だ。

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 地竜を討伐したが、オレは裏の討伐人である。 
それで、爵位や名誉は、すべてライラへいくのだ。 それが、裏たるゆえんである。 
それで、街での、地竜討伐の名誉はすべてライラの名誉となる。 
つまり、入校希望の野郎は、いまでにゼロ人である。 女子の希望者は多いんだが。 
「そうだ。」と、閃いたオレだ。 
「ここは、冒険者や討伐人への希望者は学校へと、街の御触れで決まればいいんだ。」と、カンタンな方法を思い出したのだ。 そう、義務教育である。 過去のオレの記憶である。 
「しかし、全員はオレでは荷が重いな。」あまり人数が多いと、眼が届かないからだ。 
犯罪者を卒業生から出したくは無いのだ。 
「ここは、枠を造るしかないな。」と思い付いた。 
入校の野郎を20人と決めて、この街の6才から16才までの野郎を選んで(悪そうなヤツは弾く。)強制的に入校させるのだ。 
そこは、子爵たるライラの権限だ。 
貴族の権限をフルに使うのだ。 
役所だから、冒険者や討伐人の希望者の親や個人の履歴はイチ目りょう然である。 
親が親なら子も子なのだ。 
決めつけるのは、良くないが。 しかし、トンビが鷹を産むのはマレである。 
嫁さんを選ぶとき、娘を見るなら母親からともいうのだ。 
それで、役所の受付嬢や門番などをフルに活用して、悪いウワサのガキは弾いたのである。 
手癖の悪い問題児は、いない方がいいのだ。 
これは、ある児童養護施設の先生から聞いた話だ。 
あるとき、臨時に入所した児童が盗みくせがあった。 すると、その組には、盗みくせが蔓延してしまったのだ。 カレーにウンチが混ざるとウンチカレーになるのと同じである。 
昔なら鞭うってでも治せるが、現在は体罰禁止だ。 
ヒトも動物である。 幼児のころについた盗みくせは、怪我しない程度に鞭で叩くしか治せないのである。(最近まで英国教師は体罰用の鞭を持っていた。)
 言って聞かざれば、叩くのみである。 
古代ローマ軍団の100人隊長も、命令を聞かない部下を叩く鞭を持っていたのだ。 
まあ、鞭はもってるだけでも効果はあるし、その加減が難しいのだが。 
やり過ぎると、怪我や傷となってしまうからである。 
まあ、オレ(鞭打ちはやりたくない。)では鞭打ちはできないから、盗みくせがあるヤツはオレの学校では入校させないにかぎるのだ。 
だから、理不尽は承知で悪いウワサのあるガキや、親が盗賊の前科者は弾いたのだ。(自分の子を使って物を盗む親も居るのだ。) 生徒は選らぶ事が大切である。 
盗み癖がある生徒なぞ、いない方がいいのだ。 
親友も、選ぶべきである。 親友は100人もいらない、せいぜい1人か2人の親友がいれば十分である。 
友人も100人は必要ない。 皆と仲良くは理想であり、嫌なやつとは距離を置くのだ。 
そして、選んだ児童は強制的に入校と、ライラから貴族としての御触れをだしてもらう。 
もちろん、学費は役所が全面負担であり、寄宿舎へ強制である。 
そして、20人を役所で選んでもらったのだ。 
年齢が6才から16才だ。 この20人が将来のクニを・・・ そう思いながら20人のガキを前に弁舌だ。 
「オレが、学校の教官だ。」「本日から、君たちは選ばれて入校したのだ。」
「部屋割は掲示のとうりだ。」「この中に字が読めないヤツは居るか?」と聞いた。 
まあ、誰も挙手しない。 いちおう、カンタンな字は読めそうなヤツばかりのはずだ。 
「君たちの入校は、主長の命令(ライラ)だ。」つまり、ライラの貴族としての命令ということだ。 
「逃げると、親が迷惑するから、やめた方がいいからな。」と、十分に脅したのだ。 
里心で、逃げるヤツもいるからだ。 
「お前たちには、オレが魔法を教える。」と、現代知識の科学を教えるということだ。 
その話で、ガキどもは顔がマジになった。 
この世界で、マジな話だが魔法は化学や科学の応用である。 
爆発や病気やケガの治療などが魔法と思われているが、それは科学の応用である。 
そして、オレは、オレの言葉が嘘でない証拠を見せた。 
ラジコンのドロ~ンを操縦して見せたのだ。 
空中を浮遊して、思うとうりに飛ぶドロ~ンは魔法として十分通用するのだ。
 こうして、オレは20人のガキの信頼を得たのである。 (ラジコンのドロ~ンは、建設機械に付属のヤツだ。)
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