冒険者の学校。

ゆみすけ

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対ゴーレム兵器。

新兵器だ。

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 「ここは、カタナでは無理だな。」と、結論だ。 
相手は岩肌のゴーレムだ。 カタナは岩は切れない。 
新兵器しかない。 「そうだな、岩を砕く兵器だ。」 
しかし、大砲は火薬がないからダメである。 
火薬は、今からでは間に合わない。 
「そうだ、ハガネで粉砕するバリスタしかないな。」 
バリスタとは弓のデカイやつだ。 ラノベで、ドラゴン相手に出てくるヤツである。 
バリスタは、軍に用意してあるはずだ。 なら、ハガネの矢じりがあれば勝算があるぞ。」 
「ライラ、三日あるんだな。」「だぶん、ですが。」「では、なんとかできそうだ。」
「君の街だからな、守ってみせるぞ。」 
「ありがとう、ユミスケさん、軍が戻ってないので、感謝しかありません。」
「それは、結果を出してからだな。」と、謙遜する。 
そう、討伐は結果がすべてなのだ。 努力したは評価にはならない。
 討伐してナンボなのである。 
「とりあえず、鍛冶屋をはじめよう。」と、ハガネで矢尻を造らねばならない。 
軍の倉庫には3台のバリスタがあった。 その大きさから、矢尻を長さ50センチほどに決めた。 
矢尻の尻には穴を開けてロープを通す。 
つまり、そのロープで棒に固定するのだ。 
矢尻が完成するまで、せいぜいバリスタの使い方を役所に登録してる冒険者に訓練だな。 
軍のバリスタ兵がいないから、そこは頑張ってもらったのだ。 
なんせ、ゴーレムは、なんでも踏みつぶして進むのだ。 
街なんて、瓦礫になってしまうのである。 (これは、ライラから聞いた話で、オレが目撃したわけではないのだ。) 
また、フボーにフイゴを踏ませる。 もう、慣れたようだ。 
しかし、文句も言わずに、たいしたヤツだな。 
いいナオンでもいたら、紹介でもしようかな・・・ 
そして、三日後だ。 鋼の矢尻は完成した。 
バリスタは街の門から、先へ100メートルに設置した。 
冒険者らは、ビクビクだ。 
「いかん、これではゴーレムが見えたら逃げ出しそうだ。」仕方がない、ハッタリでもカマスか! 
「おい、ミンナ。」と声をかける。 
「なんだ、ユミスケ。」「いきなり声を出すなよ。」 
「この中にゴーレム退治したヤツは?」と聞いた。 
「そんなもん、いないわ、本来は軍が・・」 と、泣きべそである。 
「オレは、以前やったことがある。」「そうなのか?」 
「だからの、ハガネの矢尻だ。」「おお、そうなのか。」 
「これが、ひざに当たれば、ヤツは転倒する。」「うむ。」
「そこで、倒れたら起き上がれないんだ。」「重すぎてだ。」「なんせ、岩だからだ。」 
ハッタリだが、現実味のある話で、冒険者らの顔が・・・ 
「そうだ、ハガネの矢尻だ。」 「これで、岩なぞ粉砕だ。」と、気勢があがったのだ。 
まあ、嘘も方便である。 銀色に輝く、重さ30キロの矢尻だ。 先は特に鍛錬したのだ。 
そして、尖ってないのだ。 あまり尖ってると、折れる危険があるからだ。 
タングステン鋼ではないからね。 
しかし、玉鋼だ。 鍛えた玉鋼の恐ろしさをゴーレムに味合わせてやるのだ。 
「来たぞ。」と、斥候が馬で戻る。 「もうすぐだ。」 街の運命は・・・・
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