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蛇腹カメラの謎。
余計な話だが。
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「こんちわー。」 良太が暇だからか、ノラ猫屋の顔を出した。 爺さんは、「お、お、まあ座れ。」とイスを勧める。 「あれ、それは古いね。」 と爺さんが、ながめていた古いカメラを見て言った。 「そうなのさ、ワシより古い、そうさなぁ~戦後すぐの頃だ。」 「でも、レンズはツァイスもイチモク置く、富岡光学のトリ・ルーサだ。」 「どうして、ながめているの?」 「じつは、写真を撮影したのだが、現像したら光線引きしていた。」 「それは?」 「どこからか、光が漏れるのさ。」 「しかし、日光の下で後ろを開けて調べても、わからん。」 「蛇腹だから、穴でも開いてるのかと思ったが、穴はないのだ。」 「では、謎だね。」 「そうなんだ、だからながめていたのさ。」 「ヘーっ。」と良太は空気に合わせて様子を観る。 「そういえば、不思議な話があるんだが、聞くかね。」 「聞くよ。」 「すこし、怖い、若い者には毒な話だが。」 それでも、爺さんは話だした。 「ワシは、若い頃からカメラ屋だ。」 「うん。」 「それで、警察の鑑識係りとも付き合いはあった。」 「鑑識は写真撮るからね。」 「そうだ、フィルムや現像での付き合いさ。」 「そして、ある鑑識の人と仲良くなった。」 「その人から聞いた、話だ。」 「ヘーっ。」 「別に、殺人や強盗の話ではない。」 「死んだら、死んだ人が肉親を呼ぶことを聞いたことあるだろう。」 「うん、しかし、言い伝えじゃないの。」 「いいや、真実なこともあるんだ。」 「それは、その人が、まだペイペイのおまわりさんの頃だそうだ。」 「若い頃だね。」 「まあ、そうだ、交番にいたら、小学三年生くらいの子が、「おかあさんが、たいへんだ。」 と駆け込んできた。 「おかあさんが、いないと駆け込んできたのさ。」 「親が迷子なの。」 「まあ、違うんだが、それで、その人は、その小学生と一緒に、近辺を探したんだ。 「とりあえず、犯罪と関係あるか判断するためさ。」 「そこは、わかるよ。」 「それで、その子はおかあさんの声が、おまわりさんと一緒にきてちょうだい、と聞えたというんだ。」 「えっ。」 「なんせ、まだ低学年の子だ、言い方も学んでないからね。」 「それで、呼んだほうへ、その子と探しにいったんだ。」 「それは、もう森の中さ。」 「そして、その低学年の子が、こっちから聞えるというんだ。」 「低学年の子だ、とっさのウソなんて無理だ。」 「それで、、木の葉を掻き分けて進んだ。」 「そうしたら。」 「わーっ、怖いよ。」 良太は結末がなぜかわかった。 「もう、わかったようだね、その子の、おかあさんは木の枝から紐で、ぶら下がってたんだ。」 「そこで、無線で警察署に知らせた。」 「まだ、ペイペイだったので、その人の経験はここまでだ。」 「だぶん、自殺だったと思う。」 「小さい、わが子を巻き込まなかったから好しとするしかないが。」 「死んだのち、知らせにくることは、本当のことだった。」 「とても、小学三年生が親を枝から吊るすなぞ出来はしない、それに、その子は女の子だったそうだ。」 ・・・
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