満州国馬賊討伐飛行隊

ゆみすけ

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若い子が狙われた。

あたいは、18だから助かったのか・・

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 上級生宅へ事情聴取である。 女学校は12歳から18歳までの、6年制だ。 12歳までは、幼年学校だ。 6歳からである。 つまり、満州娘は18歳から働くことができるのだ。 婚姻も18歳からだ。 そして、上級生は18歳であった。 どうやら、若い娘を・・それは、いえないが・・ 「賊は、何人いたかはっきりしません。」 「あて身を受けて、気がついたら林齢がいなかったのです。」 「それで、賊の人相などは覚えていません。」 まあ、すでに鉄虎隊から聞いていた話と同じだ。 まあ、若い生娘を、ひとりだけ狙ったようだ。 いままでの、馬賊とはヤリ口が違うようだ。 朝鮮馬賊はネコも杓子も一緒に誘拐するから、なんとも言えない。  それとも、新たな朝鮮馬賊の動きかもしれない。 「それで、誘拐された場所は?」 「それが、村の馬車の降り場の側です。」 「つまり、通学馬車を降りて、すこし離れたところです。」 「うむ。」 まあ、誘拐されて数日が経っているが、現場を見に行く。 村の公民館の側だ。 ふつう、村の馬車停車場があるところである。 「目撃者は、上級生しかいない、そして急なことで、あまり参考になるところは、得られなかった。」 つまり、得るものは、なにも無かったのだ。 捜査は無駄の積み重ねである。 そして、討伐隊は警察でも刑事でもないのだ。 はやい話が、軍隊である。 だが、なのもしないよりは、無駄でも討伐隊が動いてくれることは、村人からの信頼の証となるのだ。 「ここは、やはりヤツらが動くまで網を張るしかないな。」 と討伐隊の会議室で話し合いである。 会議室といっても、あるときは食堂であり、あるときは反省会場になるのだ。 そして、網は鉄虎隊へ依頼をした。 朝鮮街道、(朝鮮と満州を結ぶ街道だ。)に網を張る。 計20台の装甲車が道端にカモフラージュで隠れた。 まあ、草や木をかぶせて、覆っただけだが、それでもパット見はわからないのである。 そして、満州軍の軍人が二人で張り込みである。 なぜ、ふたりか? それは、ひとりだと怠ける恐れがあるからだ。 誘拐されて、馬で運ばれる献女を発見するのである。 居眠りしてはダメであるのだ。   いままでの、誘拐事件と思われる、子女の事件の発生の間隔は月に1回から2回だ。 最近は2週間まえだ。 そうなのだ。 もうすぐ、ありそうなのだ。 だから、鉄虎隊の装甲車が張り込んだのである。 馬に乗せて献女を運ぶから、発見は注意していれば判断可能である。 2頭の馬で、後ろになんかヒトっぽい荷物ならそうなのだ。 そして、跡をつけるのだ。 さすれば、隠れ家か両班貴族の座敷牢が判明する。 そして、我ら討伐隊が殲滅して献女を助け出すのである。 まあ、そんなにうまく行くとは考えてはいないんだが・・・  ここ数ヶ月の子女の誘拐された数は7人だ。 おそらく、最低でも10人は必要だろう。 なんともいえないが・・ 誘拐された娘らは、かわいそうだが、もう少しの我慢である。 ヤツラが動きさえすれば、日本陸軍の討伐隊が助けに飛べるのである・・・・・
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