満州国馬賊討伐飛行隊

ゆみすけ

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上から攻める。

玄関からは、入らない。

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 「班を二つに分ける。」 「おう。」 「1班は表から。」 「2班は裏からだ。」 「建物は上から攻めろ。」 「座敷牢は奥とは思うが、玄関から行くなよ。」 「了解です。」 玄関から攻めると、敵に防備する猶予を与えてしまうからだ。 とんでもない所からの侵入が先を制するのだ。 「敵を、どちらかが引き付ける、その間に他が救出する、いいか!」 そこは、現場での臨機応変である。 その場、その場の判断で決まるのだ。 そして、判断は実戦経験がモノをいうのである。 陸軍、陸戦隊。 それは、海軍が創設した海軍陸戦隊に対抗して、陸軍が本年度より創設した部隊だ。 各、陸軍部隊から経験者を募集した。 そして、その経験者から選別した兵によち編成された部隊だ。 これは、という所に投入する、カンフル剤的な強烈な猛者集団だ。 隊員は、すべて手信号で行動でき、瞬時の判断を訓練されている。 たとえば、人質を取られたときの行動などだ。 一人が、敵に交渉するスキに狙撃して人質奪還の経験があるのである。 二手にわかれて、陸戦隊は進む。 離れたところで、馬賊同士が戦闘中だ。 たがいに、撃ち合い、罵声と銃声がコダマする。 その、馬賊同士の戦いから、娘らが閉じ込められている座敷牢が想像できるのだ。 どうやら、あの建物らしい。 2階建ての、両班貴族館だ。 手信号で、指示だ。 2班が裏にまわった。 そして、1班が正面から突撃だ。 座敷牢の警備の馬賊が、さわぐ声が聞こえる。 
早くも、守っていた馬賊どもが、撃ちだした。 どうやら、敵の馬賊と思っているようだ。 朝鮮語の罵声が飛び交っている。 ここでは、翻訳できないような、オゲレツな言葉だ。 未開の原住民以下である。 2班が、裏の壁を開けた。 そこから、救援部隊が突入である。 突入は、開けた所から手榴弾を放り込む。 すこし間をおいて放り込むから、投げたとたんに爆発する。 敵に、投げ返す余裕を与えてはならない。 そして、二人が支援射撃で、一人が突入するのだ。 すべて、手信号で、連携はバッチリだ。 突撃用に銃身を切り詰めた特製銃だ。 体を回転しながらでも構えられるのだ。 連携がとれた日本軍人と朝鮮馬賊では、月とスッポン、いや太陽とゾウリムシ以上の違いがある。 アイゴー、アイゴーと泣き叫んで逃げ出す馬賊の三下を手下頭が撃ち殺している。 すでに、仲間割れの座敷牢整備馬賊だ。 携帯無線機を担いでいる兵が、「座敷牢、確保。」 と伝える。 どうやら、2班の作戦は成功したようだ。 これで、安心して馬賊と戦える。 なんせ、娘らを人質に取られては最悪だ。 狙撃班が待機してるが、狙撃が成功するとは限らないからだ。 万一、失敗なら・・・・思いたくも無い。 
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