満州国馬賊討伐飛行隊

ゆみすけ

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戦車がいる。

たぶん、遭難だろう。

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 ビーコン検知器が地点ゼロを示した。 「あれか、戦車だな。」 「こちら、ホンダ機、ビーコン地点に着いた。」 無線機は雑音だけだ。 さすがに、ここまで遠いと無線が届かないようだ。 しかし、ビーコン電波は届くのだ。 それは、音声を電波に乗せてないからだ。 信号波のみだから識別しやすいのだ。 「ん、誰か手を振ってるぞ。」 ホンダは機の翼を振る。 発見した合図だ。 「そうだ、遭難キットを落とそう。」 だいたいの予想で、胴体につけていたタンクを落とす。 それは、落下傘で戦車の近くに投下された。 「さて、戦車隊まで知らせるか。」 ホンダは97式を反転させた。 こちらは、遭難した戦車だ。 「おい、飛行機が、なんか落としたぞ。」 「だぶん、食糧だ。」 「おい、拾いにいくぞ。」 4人は投下された、タンクを拾いにいく。 それなりに、でかいタンクだ。 フタを開いた。 「お、お、これは、日本軍の兵站だ。」 日本軍の戦場での食事キットだ。 そして、保温してあるお茶だ。 簡易ストーブまである。 「ありがてえ、命びろいしたぞ。」 「あ、あ、早速に食うぞ。」 4人はいそいで戦車に戻り、車内で日本軍の戦闘糧食を開ける。 「おい、これは暖められるぞ。」 「なんか、組み立てコンロがあるぞ。」 「この缶詰チャーハンを温めるぞ。」 「これは、チョコレートか。」 「この粉は、なんだ。」 「まて、まて、カフェと描いてあるぞ。」 「つまり、話に聞いた粉コーヒーだ。」 (インスタントの粉コーヒーは日本人が考えたものだ。) 「初めて飲んだが、ニガイけど眼が覚めるな。」 「オレにも飲ませろ。」 4人は、つい先ほどまで、死にそうだったのがウソのようだ。 人間は飯で左右される生き物である。 やがて、ホンダ機から戦車の場所を聞いた戦車隊が救援戦車を出した。 その日の夕方には戦車隊へ帰ることができたのだ。 戦車隊では、偵察班がヤラれてソ連軍の強襲かと出撃準備の最中であったとか。 まあ、大げさになる前に発見されて、お目玉は軽い処分で済んだとか。 それから、反省点として、戦車隊にもビーコン装置が配備された。 ビーコン電波が、遙か遠い奉天の討伐隊まで届いたからだ。 音声電波より、モールス信号が遠方に届くのと同じである。 音声より、判別しやすいのだ。 そして、戦車に備えられている非常食は、本当にあるか毎回、点検されるようになったとか。 そして、その非常食は日本軍のレーションを採用することとなる。 なんせ、食えばわかるからだ。 現在の自衛隊のレーションはウマイのだ。 米軍のなぞ食えたものではない。 そして、韓国軍はキムチだらけだ。 空気からしてキムチの国だ。 戦場での、ウマイ飯ほど軍隊を強くするモノはないのだ。 へたな新兵器より効果は絶大である。 
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