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こちら討伐隊だ。
感度良好だ。
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「あー、あー、こちらホウリ村、討伐隊どうぞ。」 「こちら、討伐隊、感度良好どうぞ。」 お、お、通じたぞ。 村役はマイクを握り続ける。 「リンリンがさらわれた。」 「リンリンとは女学生のことか、どうぞ。」 「バイトで、弁当を配達してたら、ヤラれたんだ。」 「ホウリ村へ、30分で到着する、どうぞ。」 「待ってるだ。」 無線は切れた。 村役は広場で待つこと30分で、飛行機のエンジン音を聞いた。 日本陸軍の97式戦闘機が降りてくる。 村役は手を振る。 エンジン音を聞いて、他の村人も集まる。 「キュツ、キユルルルルルー」 と地面を蹴る97式戦闘機だ。 やがて、広場の中央に停止した。 「スルスル。」とキャノピーがスライドする。 飛行帽の軍人がトントンと翼の踏み板を降りてきた。 村役は軍人に近づく。 「わたしが、ホウリ村役人のスンです。」 「討伐隊のホンダです。」 互いに握手だ。 「村の学生さんが、誘拐されてたとか。」 「ハイ、この村の女学生のリンリンが自転車を残して居なくなりました。」 「現場を案内してください。」 「では、こちらです。」 スンはホンダを案内する。 ホンダは写真機で、倒れている自転車や地形などを撮影する。 「もう、かたずけてOKです。」 自転車を村人がかたずける。 馬車の轍の跡をホンダは追う。 どうやら、朝鮮方向だ。 間違いない。 「やはり、朝鮮馬賊の?」 「間違いないでしょう、村には他の学生さんは?」 「そうですね、6人ほどですが。」 「鉄虎隊の装甲車を廻します。」 「集会所に無線係りを交代でお願いしたいが。」 「わかりました。」 「では、気を落とさずに、できるだけ探索してみますので。」 といい、ホンダは97式で、離陸した。 そして、馬車の逃走方向に飛ぶ。 燃料が続くかぎり飛んでみるつもりだ。 馬車はシナからの物だろう。 朝鮮では造れないからな。 朝鮮族は車輪の製造が出来ないときいているホンダだ。 国境を越える。 山の緑がなくなるからわかる。 やつら、朝鮮族は植林はやらないのだ。 ホウリ村からの方向から検討して、上空から検索する。 禿山ばかりだから、地上に隠せる建物はない。 「ん、あれは。」 と山合いに小屋が数軒見えた。 「やけに、新しいな。」 ホンダは写真機で、撮影して場所を特定した。 そうして、数箇所を撮影する。 「こちら、ホンダ機そろそろ帰等する。」 討伐隊まで、ギリだが無事に帰ることができた。 増加増槽(改良型)のおかげだ。 討伐隊には、写真機が最近、配備された。 軍事偵察に有効とのことで、本土で研究されていたのだ。 試作品が討伐隊にも届いたのだ。 作戦を練るうえで、おおきな武器だ。 討伐隊には、暗室まではない。 それで、あきつ丸まで、フィルムを運んで現像だ。 時間が経てば献女としてシナに送られてしまう。 早急にアジトを見つけなければならない。
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