満州国馬賊討伐飛行隊

ゆみすけ

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今のところ策は無い。

なんら、追跡捜査が・・

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 「忘れものを取りに行って、それから。」 「そのあとは誰もリンリンを見てないです。」 「つまり、そのときに誘拐されたと。」 「いえ、行方がわからないんです。」 「つまり、帰ってこない。」 「それで、誘拐ではないかと。」 「ふむ。」 田村は、なんとも策がなかった。 手がかりが少なすぎる。 まあ、考えても娘は還れない、なんか行動を起こすべきだ。 そうして、田村は他の行方不明子女の聞き込みにはいった。 97式で、飛びながら田村は地上をクルマなら出来ないことだと思っていた。 飛行機なら山や河なぞ関係ない、橋もなくてもOKだ。 そして、満州の村には公民館があり、かならず前には広場があるのだ。 まあ、麦や大豆の収穫を集めるためだが、今は農閑期だ。 聞き込みも、忙しいヒトが少ないのでやりやすいのだ。 新型97式のフラップを2段に垂らして、ふんわり降りる田村機である。 すると、無線機から、「新たな行方不明の知らせだ。」と入電する。 しめた、まだ早い段階なら手がかりがありそうだ。 田村は、その案件の村へ機首を変えた。 なんでも、そこは満州国境の側で、キンリ村というそうだ。 「なんだ、あれは。」 空(うえ)から見ると馬に2人乗ってるのが見えた。 後ろは・・・ あれっ、・・・・よく見ると、後ろに袋だ。 ヒトと思ったのは長い袋が・・・イヤ、あれはヒトを入れた袋だ。 ヤツだ。 誘拐犯だ。 逃がすものか。 97式のスロットレバーを引いた。 同時にエンジンが唸る、ヤツがエンジン音にきづいた。 ムチを馬に入れてる。 「逃がすか。」 と田村は97式を廻り込ませた。 そして、ヤツの馬の前の道に、「ダダダダダダダダー。」と7.7ミリ機銃弾をぶち込んだ。 逃げる馬は驚いて嘶く(イナナク)そして、袋が落ちた。 どうする、袋を助けるか、ヤツを追うか。 迷う田村だ。 すると、馬を追ってきた集団が見えた。 どうやら村人が気づいて追ってきたようだ。 田村は村人に機の翼を振り合図した。 どうやら、了解したようだ。 袋に村人が駆け寄るのが見えた。 さあ、これでヤツを追える。 道を逃げている馬賊と思わしきヤツは上から見ると、あそこだ、とパットわかる。 さすが、飛行機は使えるのだ。 ヤツは、どう見ても朝鮮方面へ逃げているようだ。 まもなく、国境だ。 立て札しかない国境を過ぎて、ヤツはまだ逃げる。 97式はフラップをさげて速度を落として追跡してる。 それで、エンジン音が小さい。 ヤツは、もういいだろうと振り返る。 田村は、振り返る調子に合わせて、機を降下させた。 つまり、ヤツからは見えにくいのだ。 やがて、ヤツは山奥の砦みたいな所に逃げ込んだ。 周りからは岩でわからないが、上から見れば一目瞭然だ。 「あそこが、馬賊の砦か。」 田村は、リンリンの手がかりの先が見えてきたと思った。 
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