満州国馬賊討伐飛行隊

ゆみすけ

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鉄槌下る。

賊の全員の・・・

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 97式2型戦闘機の通信機から、「場所は、満州国境から、半島へ西北西へ、200キロの内陸だ。」 と指示が着信した。 「細かい地形はわかるか。」と倉田飛曹だ。 「そちらの、地図なら、ヘイジョウの東、40キロくらいの両班の街だ。」 「了解した。」 なんでも、その街へ誘拐した娘を乗せた馬車が向かっているらしい。 これは、追跡中の鉄虎隊からの無線でだ。 追跡中だが、方向からの予測だ。 座敷牢を備えるなら、山小屋では、無理だ。 シナ様の下見役人を迎えねばならないから、それなりの設備が必要だからだ。 「現場で、離着陸できそうな、空き地はありそうか。」 と再度確認する。 「いま、鉄虎隊へ問い合わせている。」・・・「こちら鉄虎隊、追跡班だ、割り込むを。」 「割り込み了解。」 と討伐隊の無線係りだ。 「いま、街が見え出した、まちがいなく、チョンニダ村の両班屋敷だ。」 「いま、馬車は村に入った。」 「では、戦闘機を誘導してくれ。」 と本部無線だ。 「いまから、誘導電波を出す。」 「ピン、ピピン、ピン、ピピン。」 と無線機から誘導電波が聞えた。 倉田飛曹は無線機の誘導計へスイッチを切り替えた。 これは、洋上で、戦闘機が空母へ帰艦する装置と同じだ。 進む方向が針で示されるのだ。 日本軍の旧型戦闘機、97式2型はスロットを上げた。 「あっ、イカン。」 「ヤツラ、もう献女の馬車を出してきたぞ。」 「急いでくれ、馬車が・・・」 と無線機が叫ぶ。 ヤツラめ、討伐隊が来る前に献女を運び出す作戦だな。 たしか、6人が捕まって、今の6人だ。 12人だが、いないよりはと考えやがったな。 倉田飛曹は、「追跡の馬班へ。」 「こちら、馬班だ。」 「誘導電波をだして、馬車を追ってくれ。」 「了解した、なんとか・・・」 誘導の針が振るえはじめた。 よし、追跡できそうだな。 もう、緊急ブーストを掛ける倉田飛曹だ。 壊れんばかりにエンジンが唸り、速度計の針は表示が無いところを示している。 かまうもんか、助けなければ、満州国の生娘が12人減ってしまう。 まあ、変な理屈であるが、理由ではあるのだ。 97式は設計での耐久以上にエンジンにムチを打ち、拍車を駆けたのだ。 あとで、整備の技師が、「よく、帰れたな。」と感心したほどだ。 だんだん、誘導電波のコールが強くなる。 もう、少しだ。 がんばれ、誉エンジン、誉れの名が廃るぞ、とエンジンに渇を入れる。 よく、寮機も付いてきてくれたものだ。 さっきから、なにかブザーが聞えるが、かまうもんか。 生きてる馬なら、お尻が破れるほどムチ打つような飛行で、献女の馬車に迫る97式2型戦闘機だ。 「見えた。」 薄暗がりの朝焼けに、走る馬車と追跡する馬班が見えた。 ん、いかん、馬車から馬班を・・・ あっ、馬班が・・・ 追跡の馬班が落馬して誘導電波が切れた。 「大丈夫か・・・」 心配だが、見てる暇は無い。 馬車をどう、止めるのか。 どう、献女の満州生娘を助け出すか。 どうする、どう判断するのだ。 
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