満州国馬賊討伐飛行隊

見張りとの連携。

献女を運び出す前に・・・

　「アシダ村に見張りは張り付いたか。」　と本郷隊長だ。　「ハイ、わからないように村の公民館に泊り込みました。」　「そして、娘らが外出するとき追尾する手はずです。」　「うむ、漏れのないように。」　「わかりました。」　「それで、今回は朝鮮馬賊も甘みの店に眼をつけた。」　「それで、用心のために作戦を複数立てようと思う。」　「つまり、その場、その場での即応できるように、かんがえておくのだ。」　そして、鉄虎隊、飛竜隊との連携の司令系統を作り出した。　いままでは、情報がいりみだれて、司令や指示が満州と日本軍との差異が見受けられたからだ。　これは、本郷隊長の提案であった。　そして、「倉田、いつでも飛べるように、待機だ。」　と倉田班を待機班に。　倉田飛曹は、夜間飛行の経験者だ。　だから、である。　夜間に馬賊のネグラに強行着陸の可能性もあるからである。　操縦は経験が命である。　乗せた満州娘と墜落では、お話にならないからだ。　本郷大佐（隊長）は、なんとなく夜間飛行の可能性を予想していたのである。　まあ、カンだそうだ。　そして、次の日曜だ。　キャア、キャア、と黄色い声がする。　アシダ村の午後1時だ。　やはり、甘みの店にお出かけなのか。　　「ねえ、カリンはなんにするの。」　「え、そうね、あんみつかな。」　「あたいは、新しいゼンザイなるものでわ。」　「それは、なに。」　「うふふ、秘密。」　「もう、マインちゃんたら。」　と聞いてたらよだれが垂れそうな話だ。　そして、6人の生娘集団は、甘みの店へ・・・・　それを、待ち受ける馬賊らだ。　そして娘の後ろから離れて鉄虎隊の数人がつける。　今回は道路工事などの艤装はないようだ。　つまり、朝鮮馬賊側が急いでいるのである。　これは、こちらも油断なく・・・「キャア。」　「イヤーン。」　「やめて。」　「きゃ、きゃああああ。」　と黄色い悲鳴が・・・　見ると、麻袋を数人で運んでいる。　麻袋なら誘拐して娘が見えないし、声もあまり漏れない。　つまり、朝鮮側も学習したのである。　離れたところの馬車（満州で盗んだヤツだ。）に6袋のもがく麻袋を乗せる。　「うまく、いったぞ。」　「いそげ。」　と馬車は走り出した。　「おい、かんづかれないように、追うんだ。」　「わかっております。」　「うむ、頼んだぞ。」　2騎の速そうな馬に小柄な隊員だ。　つまり、競馬仕様である。　軽い騎手でないと、馬は速度がでない。　そして、2騎なのは、１騎が見張り、あと１騎が連絡だからである。　「やはり、ヤツら来ましたね。」　「だから、言っただろ。」　「ヤツらは懲りない民族なのさ。」　「しかし、国ごと、すべて消し去ることは無理だ。」　「あ、あ、それで、三原則なんですか。」　「そうさ、しかしチョッカイをしてくる以上は相手をせねばならん。」　「いつまで、ヤツらの献女は続くんですかね。」　「まあ、永遠だろう。」　「え、それでは、満州娘が・・・」　「だから、オレ達がいるんだ。」　と、そのスジの知識人に言われて納得の討伐隊員であった。