満州国馬賊討伐飛行隊

ゆみすけ

文字の大きさ
上 下
75 / 212
居場所が不明だ。

どこなのか、わからない。

しおりを挟む
 本郷隊長は討伐隊の全員を前に、「また、まただ、また、娘のかどわかしだ。」と切り出した。 皆はざわつく。 「今までは、朝鮮貴族の街に娘らが閉じ込められていた。」 「それを、97式で強襲して、奪還した。」 「しかし、今回は場所が不明なんだ。」 「おそらく、半島のどこかとは思う。」 「隊長。」 「ん、なんだ?」 「紙くずの印を落とすなど、娘らは。」 「それも、考えたが発見されていない。」 「それに、今回は女学校の制服を配達する、店員に化けたのではないかとのウワサもある。」 「デパートの馬車が行方不明で、店員も殺されていた。」 「つまりだ、いままでどうりの作戦では救出は困難と思われる。」 「それで、全員に集まってもらったのだ。」 「なにか、良い案でもあれば、階級、身分の隔てなくお願いしたい。」 本郷隊長の指示は以上であった。 「それで、今のところ行方不明の娘は?」 「15人らしい。」 本郷隊長は、「なにも、しないわけにはいかない。」 「本日のパトロール班は、朝鮮との国境を中心に、では解散。」 皆は持ち場へ戻る。 そして、本日のパトロール班の3人が残った。 本郷隊長が、「では、満州飛竜隊とも連携するように、飛行コースは重ならないように。」 「わかりました。」 「これが、飛竜隊のだ、こちらは渡してある。」 地図に赤線を書いたものを、分隊長が受け取る。 「飛行コースなどは任せるが、無理はするな。」 「わかりました。」 「なお、増槽は大きいやつをぶら下げるように。」 燃料満杯ということだ。 なんと、巡航速度で3時間の飛行が可能だ。 新型はエンジンがターボで燃費が悪い、それで、大きな増槽を爆弾のようにぶら下げて飛んでいる。 分隊長の斉藤君、「座っていてもラチがあかない、出るぞ。」 「おう。」 と3人が気合をいれて愛機は向かう。 新型は以前の機と違いスターター用の小型エンジン付きだ。 それで、整備士の助けはいらない。 プロペラに注意しながら、カウリングの紐を引っ張る。 スターターのエンジンを掛ける紐だ。 「ブルン。」 と軽快に小型エンジンはかかった。 そして、操縦席にもぐりこんだ。 整備員らが、車輪止めの位置についた。 ベルトを締めて、舵の点検だ。 「うむ、問題ない。」 スロットを上げる、すると12気筒ターボエンジンが目を覚ました。 エンジンオイルがなじむまで、暖気運転をしばらく続けた。 うむ、いいだろう。 両手を左右に広げた、車輪止めがはずされた。 さあ、スロットのレバーを上げる。 機体はスルスルと走り出した。 ラダー(尾翼の舵)を足で動かして(尾翼は尾輪と連動している。)機体の方向を操作する。 前だけの開放型風防は見晴らしがいい。 増槽がでかいので、なんか雰囲気が、機体が重いのだ。 なんせ、燃料満杯だから。 無線で、「発進許可よろし。」 と、「管制塔だ、発進よろし。」 「斉藤班出ます。」 3機の新型97式は満州の空に高度を上げた。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

零式輸送機、満州の空を飛ぶ。

ゆみすけ
歴史・時代
 ダクラスDC-3輸送機を米国からライセンスを買って製造した大日本帝国。 ソ連の侵攻を防ぐ防壁として建国した満州国。 しかし、南はシナの軍閥が・・・ソ連の脅威は深まるばかりだ。 開拓村も馬賊に襲われて・・・東北出身の開拓団は風前の灯だった・・・

枢軸国

よもぎもちぱん
歴史・時代
時は1919年 第一次世界大戦の敗戦によりドイツ帝国は滅亡した。皇帝陛下 ヴィルヘルム二世の退位により、ドイツは共和制へと移行する。ヴェルサイユ条約により1320億金マルク 日本円で200兆円もの賠償金を課される。これに激怒したのは偉大なる我らが総統閣下"アドルフ ヒトラー"である。結果的に敗戦こそしたものの彼の及ぼした影響は非常に大きかった。 主人公はソフィア シュナイダー 彼女もまた、ドイツに転生してきた人物である。前世である2010年頃の記憶を全て保持しており、映像を写真として記憶することが出来る。 生き残る為に、彼女は持てる知識を総動員して戦う 偉大なる第三帝国に栄光あれ! Sieg Heil(勝利万歳!)

旧式戦艦はつせ

古井論理
歴史・時代
真珠湾攻撃を行う前に機動艦隊が発見されてしまい、結果的に太平洋戦争を回避した日本であったが軍備は軍縮条約によって制限され、日本国に国名を変更し民主政治を取り入れたあとも締め付けが厳しい日々が続いている世界。東南アジアの元列強植民地が独立した大国・マカスネシア連邦と同盟を結んだ日本だが、果たして復権の日は来るのであろうか。ロマンと知略のIF戦記。

大日本帝国、アラスカを購入して無双する

雨宮 徹
歴史・時代
1853年、ロシア帝国はクリミア戦争で敗戦し、財政難に悩んでいた。友好国アメリカにアラスカ購入を打診するも、失敗に終わる。1867年、すでに大日本帝国へと生まれ変わっていた日本がアラスカを購入すると金鉱や油田が発見されて……。 大日本帝国VS全世界、ここに開幕! ※架空の日本史・世界史です。 ※分かりやすくするように、領土や登場人物など世界情勢を大きく変えています。 ※ツッコミどころ満載ですが、ご勘弁を。

大東亜戦争を回避する方法

ゆみすけ
歴史・時代
 大東亜戦争よ有利にの2期創作のつもりです。 時代は昭和20年ころです。 開戦を回避してからのラノベです。

大日本帝国領ハワイから始まる太平洋戦争〜真珠湾攻撃?そんなの知りません!〜

雨宮 徹
歴史・時代
1898年アメリカはスペインと戦争に敗れる。本来、アメリカが支配下に置くはずだったハワイを、大日本帝国は手中に収めることに成功する。 そして、時は1941年。太平洋戦争が始まると、大日本帝国はハワイを起点に太平洋全域への攻撃を開始する。 これは、史実とは異なる太平洋戦争の物語。 主要登場人物……山本五十六、南雲忠一、井上成美 ※歴史考証は皆無です。中には現実性のない作戦もあります。ぶっ飛んだ物語をお楽しみください。 ※根本から史実と異なるため、艦隊の動き、編成などは史実と大きく異なります。 ※歴史初心者にも分かりやすいように、言葉などを現代風にしています。

信長の秘書

にゃんこ先生
歴史・時代
右筆(ゆうひつ)。 それは、武家の秘書役を行う文官のことである。 文章の代筆が本来の職務であったが、時代が進むにつれて公文書や記録の作成などを行い、事務官僚としての役目を担うようになった。 この物語は、とある男が武家に右筆として仕官し、無自覚に主家を動かし、戦国乱世を生き抜く物語である。 などと格好つけてしまいましたが、実際はただのゆる~いお話です。

架空戦記 旭日旗の元に

葉山宗次郎
歴史・時代
 国力で遙かに勝るアメリカを相手にするべく日本は様々な手を打ってきた。各地で善戦してきたが、国力の差の前には敗退を重ねる。  そして決戦と挑んだマリアナ沖海戦に敗北。日本は終わりかと思われた。  だが、それでも起死回生のチャンスを、日本を存続させるために男達は奮闘する。 カクヨムでも投稿しています

処理中です...