満州国馬賊討伐飛行隊

ゆみすけ

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97式の修理。

整備士を育てる。

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 ワンの墜落事故で、97式の修理となった。 部品の翼が、日本のナカシマ工場から届いた。 旧97式であるから、在庫があるか不安であったが、なんとか部品庫の奥くから掘り出したそうだ。 部品は3ケの大きな木箱で届いた。 あきつ丸が運んで、大連の港から牛車で、運んだのだ。 なぜ、トラックでないのか。 それは、満州国の道路が平坦ではないからだ。 でこぼこ道である。 奉天市内は舗装がしてあるが、少し都市から出ると、未舗装である。 それで、そこをトラックだと振動で、翼に狂いがでるからだ。 馬車は余っていなかったので、農耕用の牛車となった。 それで、整備工場まで、7日がかりで届いたのだ。 部品は胴体の翼の真ん中と左右に分かれていた。 溶接はできない。 ジュラルミンは電気溶接で、まだ無理だった。 それで、鋲を打ち込んで止めるのだ。 それも、表面が外部にでない、沈頭鋲を使うのだ。 手作業で打ち込む。 鋲打ち銃なぞ無いのだ。 それで、木槌で、トントンと時間をかけて修理するのだ。 ちょうど整備士の仕事を覚えさせることが出来る。 満州国のクルマ整備をしていたヤツから引き抜いた3人が訓練である。 鋲打ち、なんてクルマ整備ではやらない。 慣れない仕事で、苦労する訓練生である。 「おい、もう手が豆だらけだ。」 「あと、どれだけ打つのか。」 「オレは夜逃げするぞ。」 「いいのか、つかまると、罰がすごいぞ。」 「やってられるか。」 その夜に、整備の訓練生がひとり、逃げ出す。 あとの、ふたりもついてきた。 まあ、情けない満州人だ。 まあ、それが、普通の満州人だが。 それで、訓練させる側も、それを知ってる。 かんたんに捕まる3人だ。 キリン隊長が、「おまえ達は、ワシのメンツを潰した。」 シナや朝鮮や満州はメンツが一番大切なのだ。 3人はキリン隊長(将軍)につかまり震え上がる。 なんせ、片手に蛮刀を持ってるからだ。 それは、俗に首切りカタナともいうのだ。 「どうしてくれようか。」 とカタナを抜く。 抜けば玉散る氷のヤイバだ。  もう3人は首チョンパだ。 そこに、助け船が現われる。 とうぜん、計算ずくだ。 さあ、そこで日本軍の本郷隊長が、シャシャリでるのだ。 「まあ、キリン隊長しばらく、しばらく。」 そこは、キリン隊長を立てるのである。 小声で、「オイ、土下座だ!」 「え、土・・」 「速く、せい。」 3人がキリン隊長のメンツを立てる。 「ふむ、そこまで反省しているのなら考えんでもない。」 「二度と逃げ出すなどいたしません。」 と地面に額を押し付ける3人だ。 キリン隊長も、せっかく育てる途中の3人を失いたくはない。 将軍という地位であるから、本来なら3人は首チョンだ。 それほどに将軍職は重いのだ。 ワンの墜落が結果オーライで、飛竜隊の1番手柄となり面目がたったので、キリン隊長(将軍)は、「ワシも鬼ではない、しかし、ワンの機体を直したいのだ。」 「身を粉にして修理いたします。」 「うむ、では早急に修理だ。」 なんとか、首はつながったが、3人は木槌を手に、沈頭鋲に命をかけることとなったのだある。 めでたし、めでたし、・・・なにが、もう、手の豆が潰れて・・・泣きしゃべりの3人であった。
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