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馬賊VSガンマン その1
客車に近づけるな。
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客車の連結部は、大陸型は頑丈に製造されていた。 高速で、牽引するからだ。 さらに、車体は金属製だ。 なんと、航空機用アルミ合金だ。 それなりに厚さがあり、拳銃などでは貫通しなかった。 しかし、窓は防弾ガラスではないった。 この時代、防弾ガラスは厚いし高額だ。 とても客車には使えない。 ガンマンたち4人は客車の乗客を守るために、2人が屋根に上り。 あとの2人が客車の下に身を潜めた。 客車内では、馬賊を見回すに不適切と判断したのだ。 第一、客車に馬賊が乗り込んだ時点で、終わりだ。 乗客を人質に盗られては、手も足も出なくなる。 その時点で負けだ。 「おい、ヘルメットはかぶったな。」 「あ、あ、兵隊用だが、ないよりはマシだ。」 身を隠すとき頭部を守る鉄ヘルだ。 馬賊たちは機関士ら(機関士と機関助手だ。)を人質にするべく、数人で、線路の向こうの森付近に銃でおどして連れて行く。 残りは、客車へ突撃だ。 乗ってきた馬は付近の空き地につないである。 馬賊らは、客車に近づいた。 と、途端に銃声だ。 「やろう、警備員が乗ってやがったか。」 「だから、多人数で来たんだが。」 また、銃声だ、と仲間が1人倒れる。 「おい、用心しろ、腕がいいぞ。」 そりゃあ、腕は自慢の保安官くずれのガンマンだ。 なんせ、米国の西部でブイブイいわせていた連中だ。 命のやり取りなぞ恐れてはいない。 「おい、マシンガンをだせ。」 「おいよ。」 ダダダダダとマシンガンだ。 客車に向かって銃撃だ。 ガンマンは頭をさげて身を隠す。 数発の弾丸が鉄ヘルに跳ね返った。 鉄ヘル、バンザイだ。 馬賊はマシンガンに調子こいて撃って撃ちまくった。 数秒で、弾切れだ。 「おい、代わりの弾をよこせ。」 「え、弾がいるのか。」 なんともはや、知識が無い無知は・・・・ 「弾はマシンガン用だ。」 「え、普通の銃の弾とは違うのか。」 そこは、満州馬賊だ、米国ガンマンとは銃の知識が違うのだ。 「おい、思ったとうりだ、ヤツラはマシンガンを使いこなしてはいないぞ。」 そりゃあ、今初めて使うんだからだ。 「くそっ。」 とマシンガンを放り投げる馬賊だ。 これで、武器に関してはトントンだ。 こちらはガンマン4人だ。 相手は、馬賊9人だ。 米国人のガンマンは内心、勝てると確信する。 一方の馬賊はマシンガンを捨てて、銃のみだが、相手より人数が多いから強気だ。 ジリ、ジリと客車に詰め寄る。 ・・・ さて、切り替えポイントへ走ったガンマンは、切り替えポイントの小屋に飛び込んだ。 ポイント切り替え員が縛られて転がっていた。 まずは、助ける、そして「オレは客車に戻るから、馬賊銃撃を奉天駅に電信で知らせろ。」 と叫んで戻る。 そして、機関士と機関助手を助けるために大回りをして、馬賊の背後にまわった2人のガンマンだ。 客車の銃声が鳴り響いているのに、合わせて馬賊らを狙い撃ちだ。 そこは、西部で鍛えたガンマンだ。 数発で、見張りの馬賊は旅立った。 機関士らを確保した。 「おい、だいじょうぶか。」 「あ、あ、オレ達より乗客を。」 「いま、やってる。」 といいながら縛られている縄を解いた。 そして、「馬賊を始末するまで、隠れていろ。」 と近くの森を示した。 ここで、つまり3人のガンマンが馬賊の背後にいることとなった。 ・・・そのころ、奉天駅では、「おい、特別急行が馬賊に襲われた、場所は満州とソ連の国境付近のポイントだ。」 「どうする、今からでは満州軍では。」 「討伐飛行隊だ。」 「おおそうだ、飛行機ならいけるぞ。」 電話の発電器を廻す。 「交換ですか、討伐隊まで至急だ。」 「いま、切り替えます。」 ベルが鳴る。 「ハイ、こちら討伐飛行隊。」 「たいへんだ・・・」 「落ち着いて、ゆっくりしゃべってください。」 「ええええええいいいいいい、たいへんだ、馬賊だ、馬賊が・・・」 まあ、あわてる気持ちはわかるが・・・・・・
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