満州国馬賊討伐飛行隊

ゆみすけ

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JKの制服

セーラー服の衝撃

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 倉田飛曹は3人の少女を97式戦に詰め込んで、助けた。 そして、奉天飛行場に着陸する。 飛行場には、家族や知人が待ちわびていた。 そして、着陸して、エプロンまでタキシングした。 エンジンが止まった。 それが、合図かのように、家族や知人が飛行機に駆け寄った。 無理もないのだ。 それで、乗っている少女らに、非常口のカンヌキを外して、開けるようにうながした。 パカリと開いた。 飛び出す少女達、感動の再会だ。 みな、エンエンと泣いている。 その中に、倉田が乗せてきたひとりの少女が(チャイナ服ではない。)うろうろ、探している。 やっと、婆さんを見つけた。 どう見ても訳ありだ。 それが、気になった倉田飛曹だ。 後日、両親がシナの空挺部隊に殺された戦争遺児と聞いて、倉田は、自分が乗せたのも縁だ、と思ったのだ。 そういえば、日本本土の親類の子が中学を卒業したはすだ。 そうだ、と思い、親類に手紙を送る。 しばらくして、本土から倉田飛曹あてに、船便で小包だ。 そうだ、中学の制服だ。 親類の女子の丈は、あの少女と同じくらいだからと、銀零村まで、パトロールついでに97式戦を飛ばした。 名前はわからないが、おそらく村長に聞けばわかるだろう。 日本の中学生の制服だが、着替えもあるし、着てくれるだろうと村長に、言付けた。 当時は古着を使いまわしするのは当然であった。 新品はお高いし、お金持ちしか買えなかった。 古着屋が、たくさんあった。 村長は伝え聞いた風体(平服の少女)から夏果とわかった。 夏果の元に、日本軍の戦闘機が持ってきたと渡される。 小包を開けると、セーラー服だ、着替えもいれて、なんと夏服と冬服もある。 それに、冬服のセーラーに羽織る同色のオーバー付きだ。 色を合わせたマフラーまであった。 満州は冬が厳しいから、ありがたいのだ。 すべて、同系色がいいのだ。 センスがあるのである。 もう、夏果は有頂天だ。 初めての他人に見せびらかせる服だからだ。  夏果は、それでニャンニャン祭りに着てきたのだ。 夏果のセーラー服はニャンニャン祭りで、衝撃を他の娘らに与えた。 娘らは、勝てないライバルと認識する。 「あの服が欲しい。」とせかされた、親たちもセーラー服を知らなかった。 奉天市の仕立て屋も知らなかった。 ある、親が(絵心がある。)スケッチした絵を仕立て屋に見せる。 仕立て屋は、わからないから奉天市のデパート(日本の越後屋デパート)の日本人の店員に見せた。 そこで、日本の学生服とわかった。 あまりの問い合わせで、越後屋デパートは、売れるとふんで、日本から少し取り寄せる。 評判が広がり、翌年には満州国の女学生の制服として制定までされたのだ。 チャイナ服より活動的でナウイ(古ッ。)し、学校での連帯感を高めるから(軍隊の軍服と同じだ。)満州政府も率先して取り入れたのである。 そして、満州国初代セーラー女子としての地位を夏果は得たのだ。 なんせ、最初のセーラー女子だからねニャンニャン。 (ちなみに、ニャンニャン祭りの歌まであるのだ。) 
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