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国境警備会議
会議は踊る。
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奉天城に倉田飛曹は、それなりのスタイルで、やってきた。 一応、羽織と袴だ。 日本国の伝統的役人スタイルだ。 観ると、見知った鉄虎隊の若いものが満州装束で、うろうろしたいた。 「おう、久しぶり。」 と満州言葉で話しかけた。 相手はウレシそうに近寄ってきた。 「クラタさん、アナタもデスカ?」 「そうだよ。」 「イキナリ証言だなんて。」 「打ち合わせでもしようか。」 「イイデスよ。」 二人は、言っていいこと、軍規に触れることは言わないと合わせた。 会議は大会議場で、行われた。 体育館クラスの広さだ。 まあ、満州の国会の会場である。 なんと、皇帝までご観覧だ。 冷や汗が出る。 正式な国会と同等なのか。 そんな話はきいていない。 どうりで、羽織、袴か。 倉田は諦めたように席についた。 なんと、日本国大使までが、着席しているではないか。 ヤラレた、本来なら隊長でも荷が重いわ。 満州国防衛について難しい話しが延々と続いた。 サッパリわからない倉田らだ。 議長がいきなり、「討伐隊員、前へ。」 「ハイ。」 びっくりして証人席に立った。 「討伐隊は、拉致被害者の奪還、ご苦労さんでした。」 「イエ、あたりまえのことをしただけです。」 「なんと、平常運用であったと。」 「え、え、まあ、それなりに。」 「では、この案件は引き受けてくださるので。」 「え、と、わたし・・・・」 「ありがとうございます、討伐隊は引き受けると。」 会場は満場一致で採決だ。 日本国大使が、「ありがとう、顔がたったよ。」 「え、なんですか。」 「まあ、いいから、感謝するよ。」 わけがわからない。 倉田飛曹は討伐隊へ帰還した。 「倉田飛曹、帰りました。」 「うむ、ごくろう。」 「やすんで、よろしい。」 「ハイ。」 敬礼して戻る。 数日後、隊長から呼び出しだ。 「クラタ、こんど半島攻撃の先鋒で・・・・」 「え、なんのことですか。」 「まあ、決まったことだ。」 「倉田飛曹、遠征飛行隊の指揮を命ずる。」 「え、-----っ。」 「満州国は半島に報復攻撃をかけるそうだ。」 「その、先鋒がキサマだ。」 「会議で、討伐してみせる、とのたまったとか。」 「イエ、そんな。」 「まあ、ワシが行かなかったのが原因だが、自分の尻は自分で拭け。」 パンドラの箱を開けてしまったのか。 満州側も承知で、隊員と指名した作戦勝ちだった。 討伐隊は、3機の97戦で、先鋒攻撃をかけることとなった。 相手は、シナの空軍だ。 半島には軍隊はいない。 満州国が討伐をシナへ宣告してからの攻撃だ。 とうぜん、シナも対抗する軍隊をだす。 戦車の情報はないが、飛行機は数機あるらしいのだ。 なんでも、外人操縦者を雇っているとか。 なら、ソ連か。 すると、ソ連の飛行機だな。 情報では、はっきりとしない性能だ。 まだ、戦闘したことが無い。
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