満州国馬賊討伐飛行隊

ゆみすけ

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戦車が来た!

飛行場の警備隊

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 無線で、あきつ丸から連絡だ。 いちおう、討伐隊のめどがついたので帰国するとのことだ。 「あきつ丸から討伐隊。」 「あー、あー、こちら討伐隊だ、感度良好だ。」 「明日、あきつ丸は本土に帰る、君たちに本隊警備要員を送るから、ナカヨクしてやってくれ。」 「あー、あー、警備要員とは?」 「陸軍の97戦がある以上、シナやソ連に盗まれでもしたらやっかいだからだ。」 「あー、あー、了解した、いままでご苦労さんでした。」 「では、通信を終わる。」 ・・・・ 2日後の昼頃、遠くからエンジン音が響いてきた。 なんか、地面に響く音だ。 ひょっとして、あきつ丸からの応援の警備隊か、と飛行隊全員が門前に並んだ。 「おい、見えてきた、あれは戦車か。」 「そうだ、一度本土で見たことがある、95式だ。」 「何両かな。」 「ひい、ふう、みい、よー、いつ、むう、なな、7両もいるぞ。」 「工兵のトラックもいるぞ。」 兵員輸送のトラックが2台だ。  やがて、我らが帝国陸軍の95式軽戦車7両は討伐隊の門前に並んだ。 そして、ひとりの戦車隊の隊長と思わしき人物が本郷中佐の前で、敬礼する。 中佐も答礼だ。 「あきつ丸派遣、陸軍戦車警備隊、本日付けをもちまして、討伐隊警備との司令をウケ、着任いたしました。」 「うむ、ごくろう。」 そして、命令書が渡された。 彼らは、満州国での日本軍唯一の戦車隊とのことだ。 だんだん、隊の形が整ってきた。 日本政府は入植者らの身の安全に本気をだしてきたようだ。 95式軽戦車は、とうぜん、史実とは違う、名前は同じであるが、エンジンもデーゼル統制エンジンだ。 武装は40ミリ野砲を改良した砲身が長い戦車砲である。 違いは全車に無線機装備で、車体がリベットでなく、溶接である点だ。 サスペンションは日本戦車の特徴であるシーソー式である。 乗員は3名だ。 運転士に砲撃手、そして無線士だ。 無線士が指令を兼ねるのだ。 装甲は軍事機密であるが、目測で5センチくらいか。 現実には3センチもなかったから、妄想ラノベ戦車は戦えそうだ。 砲塔からのぞいたら、標的に当てるのに砲手の肩で照準するとか。 訓練された、砲手なら、まず命中するらしい。 あとは、砲塔に同軸機銃があるだけだった。 機銃は普通の日本陸軍の軽機関銃であった。 ただし、弾倉はベルト給弾で、使いやすそうだ。 史実では、板のような弾倉だったが。 そして、無線機にヘッドフォンとマイクが一体のイヤーセットを全員がつけていた。 情報の共有ができているようだ。 おそらく、同じ敵に対することなく、まんべんなく攻撃できるし、全員に指示が行き渡るのだ。 これは、いい。 本郷隊長は97戦の無線機も同じ物に改良することとした程だ。 このヘッドセットは戦車隊の工兵が考案したらしい。 使える人材が増えた。 戦車隊員が加わり、30名の増員だ。 歓迎会だ、今日はお開だ、などと言ってたら、警報が鳴る。 「オイ、救援要請だ。」 無線室から庶務が走って連絡してきた。 「どこからだ。」隊長が聞いた。 「ハルピン北の・・・・
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