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ソ連の降参
シュリーマンの逃亡だ。
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日本軍正規空母アマテラス改Ⅱに満載された独逸帝国V型戦車250両と燃料給油艦、他に空母の警備用駆逐艦4隻を従えてソ連へ、報復攻撃部隊は進む。 ロンメロ戦車隊は陸戦で負け知らずだ。 それは、現実の戦いより、訓練が何倍も厳しいロンメロ軍団であるからだ。 独逸帝国でも精鋭中の精鋭部隊である。 日本軍戦車隊はまだ、ロンメロ軍とは戦ったことがなかった。 しかし、正規空母の海軍軍人はロンメロ軍が規律が整った、侮りがたい軍であることを見向いていた。 雰囲気でわかるのだ。 ソ連へ輸送の途中であっても、戦車の点検に余念がないのだ。 独逸帝国キール軍港からソ連のモスクワ付近までは、足の速い空母だから3日の船旅だった。 明日は上陸だ。 ロンメロはアマテラス改Ⅱの格納庫で、部下に対して報復攻撃の段取りを詳細に説明する。 ・・・・ と、ソ連クレムリンからの白旗を掲げた船が近づいてきた。 船には、イワノーシェフ書記長からの全権を委任されたソ連クレムリン職員が数人乗っていた。 白旗をさかんに振り、手を掲げて武器はないことをアピールしている。 「やはりか。」ロンメロは半ば予想していたが、部下に応対を任せた。 ソ連側は、相応の賠償金で、と戦後交渉だ。 独逸帝国側は、振り上げた手を、今さら下ろせない。 「キール軍港での戦死者と同数のソ連兵の首をよこせ。」だ。 「なんとか、黄金の延べ棒で御勘弁を。」と交渉するソ連全権だ。 独逸帝国側は、「シュリーマンの首を。」と条件を伝えた。 しかし、ソ連全権は返事が煮え切らない。 おかしい、なんか隠してるかのような気がしないでも・・・ 重ねて「シュリーマンの首を。」と伝えた。 ソ連全権は、とうとう「シュリーマンが逃亡した。」と白状した。 なんと、また逃げられた。 とうとう、ロンメロはシュリーマンの首に懸賞金をつけることとしたのだ。 もちろん、生きてるなら死体の倍だすと書き加えた。 ソ連と独逸帝国との和解は、紛争賠償金の増額と80機全機(10機はベルリン上空で、ロンメロ戦車隊に撃墜された。)のギガント攻撃機の破壊とシュリーマンの国際手配金などで話がおさまることとなった。 莫大なシュリーマンの懸賞金はソ連が負担することとなった。 独逸帝国は、キール軍港などの復旧と海軍軍人への賠償金を、ソ連より獲得することとなったのだ。 なお、シュリーマンの逃亡の件だが、ソ連クレムリンのイワノーシェフ書記長派が政権を奪還して、シュリーマンの宿舎に逮捕に赴いた。 しかしすでに、宿舎はもぬけの殻だったとか。 独逸帝国もシュリーマンを逃がしているので、ソ連の不手際を責めることはできなかった。 それで、ロンメロの部下が、「シュリーマンの逃亡先は?」とソ連全権に・・・ ソ連全権は、「おそらく、シベリア方面だろう、モスクワ周辺は手配がまわっているから。」 とのことだった。 未開の地、シベリアへの逃亡か。 ロンメロの部下が、「将軍、我らだけでも、シュリーマンを追跡したいのですが。」 つまり、ロンメロ軍団の精鋭から、さらに選りすぐり数両のV型で、シュリーマンを追跡したい、との申し出である。 なんと、愛国心に満ちた部下だ、ロンメロは自身の部下の要望をかなえることとした。 それは、ソ連の態度を確かめるためでもあった。 ソ連国内を偵察できる機会は、今をおいてないだろう。 ソ連軍の武官が同伴するにしても、ソ連国内をシュリーマンを追って追跡できるのだ。 かなり、自由に行動できるだろう。 ソ連国内の現実の情報を得る、またとない機会でもある。 ソ連全権は、かなり難色を示したが、目の前の空母甲板上のロンメロ戦車隊250両を見ては逆らえないのであった。
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