大東亜戦争を有利に

ゆみすけ

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独逸潜水艦との決戦だ。

待ち構えていた独逸帝国海軍。

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 英国へ、新型空母を日本が譲渡するニュースは世界を駆け巡り、独逸帝国も把握していた。 独逸帝国潜水艦隊の新型Uボート艦長ハイゲンは、以前に日本の潜水艦にヤラれて、苦い思いがあった。 「くそっ、いつか屈辱を晴らしてヤル。」 独逸軍人魂は健全であった。 さいわい、ハイゲンには、グルップが試作した新型Uボートの艦長の地位があった。 独逸帝国は、戦車とUボートに関しては軍事技術で頂点を独走する日本に迫る勢いがあったのだ。 独逸帝国技術者も遊んでばかりいるわけではないのだ。 とくに、潜水艦で比較的小型である、1000トン前後のUボートは独逸帝国の独断場であった。 日本のイ号は3000トンから4500トンもあり、比較対象ではなかったのである。 イ号は乗員が120人くらいだが、Uボートは70人くらいで運用できたのである。 しかし、遠洋航海は燃料タンクの大きさから無理であり、給油艦が必要であったのだ。 日本海軍は静粛性から原子力をキライ、(海底軍艦は海軍管轄ではないのだ。)充電電池モーターの潜水艦であった。 Uボートも同じである。 違いは船体の大きさと、推進音だ。 そして限界深度は軍規密で著者も知らないが、ウワサでは、独逸帝国Uボートは300がギリらしい。 日本は、600越えらしいが。 あくまで、ウワサだ。 そして、ニュースで、英国譲渡の空母の処女航海の話を聞いたのだ。 ハイゲンは潜水艦隊司令のデーニッヒに伺いをたてた。 「英国譲渡の空母がいかなる物か偵察を。」 「うむ、許可しよう、しかしバレないようにな。」 「わかっております。」 キール軍港をハイゲン指揮のもと新型Uボートは秘密裏に出撃したのである。 ここで、読者諸君にハイゲンが搭乗する新型Uボートの概略を知らせよう。 これは、著者が、とあるエージェントから偶然に手に入れたものだ。 その、諸元が間違いであっても責任は取らないのでそのつもりで。 全長120メートル 総トン数1500トン 限界深度350メートル 速度、水上20ノット 海中12ノットで、4時間 8ノットで12時間  45センチ魚雷が前に6門、後ろに2門 搭載魚雷17本 新型ソナー装備 など、など、である。 ソ連からのチタン輸入で、水深350メートルが可能になったのだ。 性能的には、あまり変化はないが、実用面で、信頼性が大きく進歩しているのである。 つまり、使える兵器であるのである。 兵器とは、性能ではない、信頼である。 いざ、のとき電池切れではダメなのである。 以前より蓄電池の性能が上がり、長時間使えるのである。 つまり、海中で、待ち構える時間が長くなったのだ。 もとより、潜水艦は速度が遅いから、待ち構えて魚雷を撃つ戦法が、イヤそれしかなかったのである。 ハイゲンは独逸帝国海軍軍人魂を発揮して、じっと待った。 これでもか、と待ったのだ。 潜望鏡に独逸帝国偵察用の新型カメラをくくり付けて待ったのだ。 「ハイゲン艦長、そろそろ蓄えた食糧が。」と副官が進言していたとき、「スクリュー音です。」 とソナー員だ。 「潜望鏡あげろ。」とハイゲン艦長だ。 「深度20、潜望鏡上げます。」 「音をだすな。」 艦長は潜望鏡の左右の腕を水平に倒した。 そして、潜望鏡をのぞいた。 シメシメ、やったぞ! 「おい、たぶん英国譲渡の新型空母だ。」 ハイゲンはニャリと笑い部下にささやいた。 英国のポーツマス軍港へ向かうことはわかっているから、空母のコースは想像できたのだ。 もう、ハイゲン艦長はヤッタとの気持ちが止まらない。 日本軍に煮え湯を飲まされた経験が浮かんできたのだ。 ここで、英国空母を撃沈すれば、オレは英雄だ。 先のロンドンへの空挺部隊降下は失敗した。 奇襲であるから、事前に英国へ開戦の布告などしていない。 降下と同時に開戦布告のつもりが、布告する前に負けてしまったのだ。 しかし、今、目の前においしいエサが浮かんでいるのだ。 艦首魚雷を6発同時に、扇形に撃てば2,3発は間違いなく当るのだ。 その機会が今だ、あと数秒で機会は無くなる。 今の機会を逃すと、潜水艦で追尾は、速度が遅いから無理だ。 勝てば官軍である。 どうするハイゲン、どうする?
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