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シナ戦車VS月光改
シナ戦車の脅威
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満州軍の9両の戦車は、なんとか1両のシナのトラを作戦勝ちで破壊できた。 しかし、作戦がシナ側に判ってしまえば、膠着状態になりつつあった。 なんせ、シナ側は29両の新型トラだ。 機動力にすぐれた独逸帝国の切り札的な戦車だ。 満州軍の9両は逃げるのが精一杯であった。 満州軍としては大事な戦車を失くしたくはないからだ。 それに気をよくしたシナ軍は、「ガハハハハ、ガハハハハ。」 と高笑いして満州軍戦車を追っかけて、戦闘は膠着したのだ。 やっと、米派遣軍の戦車マークⅢが到着した。 その数20両だ。 やっと戦力がプラマイゼロとなる。 そこで、シナ側から罵倒の嵐だ。 「ヤイ、満州のおくびょう者め、米軍が居ないと逃げてばかりだ。」 「逃げないで勝負する満州軍はいないのか。」 くそっ、と歯軋りする満州軍だ。 しかし、相手に乗せられてはバカ丸出しである。 ここは、さすがにホイホイ勝負を受けるバカなヤツはいなかった。 シナと米満との戦車を連ねてのにらみ合いが続く。 米軍もマークⅢだが、あいてのシナは新型トラだ。 まだ海のものとも山のものともわからないのだ。 スパイからは、シナの新型トラは独逸帝国のV型の改良で機動力が高いと聞き及んでいた。 だから米軍も慎重にならざるを得ないのだ。 シナ側も米軍のマークⅢは初めてだから、勢いがなくなるのだ。 互いに牽制するのみであった。 ・・・・ そのとき応援の日本機が上空に現われた。 月光改だ。 斜め下機銃の対戦車破壊機である。 その数は2機、シナの戦車兵は「ガハハハ、ハ、ハ、2機で何ができるもんか。」 と空を指差して高笑いだ。 シナの新型トラには対空型も2両マジっていた。 対空型とは砲塔に対空機銃を6門装備した、対航空機タイプの戦車である。 それが、出てきた。 米軍戦車長から月光改へ緊急無線だ。 「こちら米軍戦車、応援感謝する、シナに対空戦車とおもわれる戦車あり、注意されたし。」 「こちら、日本軍、月光改、了解した、教示感謝する。」 UHFのFM無線で、明瞭な会話ができる。 会話は英語であるが、読者にわかりやすいように日本語訳だ。 さて、対空戦車と航空機の初顔あわせだ。 2両VS2機で、戦いの火蓋が下ろされたのだ。 月光改は急降下でシナの対空戦車に狙いをつける、同時にシナの対空戦車の6門の機銃が唸る。 まるで、ミシン網のような音で6門の20ミリ機銃が唸った。 「ブ、ウ、ウ、ウ、ウ、ウ、ン。」 月光改の下腹の防弾板(トヨスT34装甲)が「カン、カン、カン、カン。」と20ミリの弾丸を弾く。 そして月光改の斜め下機銃が唸る。 「ド、ド、ド、ド、ド、ド。」 すると「ガン、ガン、ガン、ガン。」 と戦車から跳ね返る弾丸だ。 最初は双方が互角だ。 独逸帝国新型は侮りがたし。 独逸帝国新型トラは前面装甲が8センチの斜めだ。 それで、40ミリ機関砲の弾丸が刎ねたのだ。 月光改は急降下から宙返りして、今度は戦車の後部ラジエーターを狙った。 「ド、ド、ド、ド。」 4発はラジエーターに吸い込まれた。 同時に戦車は炎に包まれた。 あわてて、ハッチから戦車兵が逃げ出した。 もう背中が燃えて、地面を転がる。 焼き豚にはなりたくはない。 それを見たシナのトラは、これはイカンと、その場からUターンして逃げ出した。 いつものお決まりのパターンである。 なんと時速50キロで遁走した。 まあ、逃げるのは世界イチのシナ様だ。 半島より早いかもしれない。 それを追う、満州軍を止める米軍だ。 今回の勝負は飛行機の敏捷性が勝った。 なんせ、局地紛争だ、あまり大きくなると開戦となる、それは、避けたいのが双方の考えであるからだ。 翼を振り、米満軍に挨拶をして、月光改は空母へ帰還する。 両面作戦の南はカタがついたようだ。・・・・・・
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