大東亜戦争を有利に

ゆみすけ

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侮れない、独逸帝国軍事技術

これが、最新のUボートだ!

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 「艦長、深度400ギリです。」 「よし、機関停止。」 「ヤ、ボール。」 新型Uボートは深度400でモーターを停止して様子をうかがう。 上(海上)では、駆逐艦がグルグル旋回している。 正確な場所までは、わかるまいて・・・ Uボート艦長は持久戦だ。 幸い、偵察のときにシュノーケルをだしていたので、蓄電池は満杯だ。 60時間は潜っていられるのだ。 酸素も3日分はあるのだ。 艦長は「無駄な酸素を使わないように。」 副官は「最低限の人員以外、横になり動くな。」 と部下に指令した。 まあ、戦争中ではないから、最悪は浮上してワケ(偵察)を話せば終わる話だが。 だが、それをすれば軍事機密である新型Uボートの秘密が米軍に渡ってしまう。 そうなれば、キール軍港には帰れない。 米国に亡命でもしないと、独逸帝国には帰れない。 妻や子の顔が浮かんだのは艦長だけではなかった。・・・・そのとき、シュル、シュル、シュルと音が聞える。 ソナー員は「なんか、音がしますが、どこからかわかりません。」 と必死の形相だ。 ワケはない、Uボートの腹に吸い付いたコバンザメB型が、潜水艦の外壁を振動させて音をだしたのだ。 いきなりヒトの声では、ヤツラ腰を抜かすから、と空母艦長の計らいである。 Uボート艦長は「副官、海底まで潜るぞ。」 「え、大丈夫ですか。」 「完全に隠れるには海底に鎮座しかない。」 「わかりました、潰れないことを祈りましょう。」 「オイ、海底までだ。」 新型Uボートは、静かに海底まで降下した。 カーン、カーン、カーン、船体が水圧で音がでる。 もう、汗だくだ。 だが、チタン合金船体は、なんと耐え抜いた。 すでに深度計の針は450を振り切っていた。 その先の目盛りは無い。 450越えで間違いなく圧壊するのだ。 良くぞ耐えてくれた。 艦長は独逸帝国技師達に感謝をささげたのだ。・・ ここは、米空母の艦橋だ。 「まだ、上がってこないか。」 「艦長、些細な音ではダメのようですが。」 「ふむ、そうだな、よし、マイクをかせ。」 「ハイ。」 「オレは合衆国海軍、空母ニューヨーク艦長アーロンだ。 国籍不明の潜水艦に告ぐ、ただちに浮上して国籍、艦名を名乗れ、さもないと撃沈する。」・・・「え、今のはなんなんだ。」 「どこから聞えるのだ。」 「オイ、ヤツは近くには居ないはずだが。」 「ここは、450メートルの海底のハズ。」 「どうなってるんだ。」 潜水艦内はもうハチの巣をつついた様だ。 さらに声は続く。 「今から5分待ってやる、それまでに浮上しないと撃沈する、場所はわかってるぞ。」 これには、さすがの独逸帝国海軍精鋭もドキモを抜かれた。 ウソだ、ウソに決まっている、しかし声は聞えるのだ、空耳なんかではない。 どうする? 艦長は判断に迷う。 こんなことは、初めてだ。 艦長は思わず叫んだ。 「ウソだ、こんな深海に声が伝わる分けない。」 すると、「こんな、深海に声が伝わるのだ、国籍不明潜水艦に告ぐ、直ちに浮上せよ。」 艦長は思わず、独逸帝国海軍といいかけてヤメた。 副官も迷っている。 「戦時ではないから、身分と艦名が明らかになればよい、悪いようにはしない。」 本当か、イヤ、独逸帝国軍人だ、負けるわけにはいかない。 「これは、戦争ではない、不審な国籍不明の潜水艦の臨検だ、われは、合衆国海軍、空母ニューヨーク艦長アーロンだ。」 確かに戦時ではない、捕虜となるわけではない。 しかし、新型Uボートが白日の下にさらされるのだ。 どうする、本国に問うわけにはいかない、なんせ450の海底だ。 そのとき、運が悪いことに水が漏れ出した。 チョロチョロと漏れていたが、だんだん水の量が多くなる。 カーン、カーン、と船体がねじれる音だ。 よくぞ、いままで耐えたものだ。 副官が「艦長、もう持ちません、今のうちに浮上すれば全員助かります。」 450越えの深海によく耐えたものだ。 そろそろ限界のようだ。 「仕方がない、潰れるわけにはいかない。」 艦長は英語で答える。「米軍に告ぐ、我は浮上する、攻撃するな。」 「アーロンだ、了解した。」 「タンクブロー、浮上だ、潰れる前に上がれ。」 「ヤ、ボール。」 新型Uボートは、海底から起き上がり、浮上していく。 400、350、300、 海水の漏れは止まった。 200、100、50、 「艦長、浮上しました。」 「まだ、外にでるなよ。」 艦長は米軍と交渉するため、自身のみハッチから出た。  すぐに、独逸帝国海軍旗を掲げる。 でないと、国籍不明艦として撃沈されても文句はいえない。 近くにいた、駆逐艦からランチ(小型ポンポン船)がでて、こちらに向かってくる。 さて、どう言い訳をするか、艦長は考えていた。
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