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独逸帝国の海底戦車
ドーバーを渡るのだ。
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総帥はドーバーを渡るのは、空母2隻が展開している以上は無理と判断した。 部下連中は、ヤレる、可能だ、イケる、とか勝手なことをいっている。 まあ、パフォーマンスがほとんどだ。 実際にドーバーを渡るのは、独逸帝国の兵隊達であり、彼らではナイ。 人間、勝手なものだ。 総帥は、海軍ではなく、無双の陸軍でドーバーを渡ることを思いついた。 まあ、ヒラメキだ。 なんせ、海峡は40キロないのだ。 40キロなど陸なら戦車で1時間もかからないのだ。 ただ、戦車は重いから、海には浮かない。 しかし、戦車3両を上陸用舟艇に載せることは出来る。 敵の艦船には戦車砲で対処できそうだ。 数がそろえば、数時間でドーバーを渡れる。 それには空母が邪魔だ。 オトリで空母の眼をソラす、そして戦闘機を護衛につけるのだ。 上からの攻撃に戦車は弱いのだ。 だが、戦闘機は航続距離が短い。 (実際、日本海軍の零戦は航続距離が2000キロを越えた、米軍は全く想像ができなかった。) 独逸帝国の戦闘機は航続距離が、普通に飛ぶだけで500キロ程度だ。 これに空戦が加われば、片道100キロでもあぶない。 空戦で燃料をかなり食うのだ。 クルマで40キロで流せばリッター10キロはいけるが、フル アクセルで飛ばすとリッター2キロもいけない、これと同じだ。 それで、空母が必要になるのだが、大陸国家である独逸帝国は海軍は貧弱なのであった。 なんとか、わがルフトバッフェ(ドイツ空軍)の戦闘機がドーバーを渡り、すくなくても30分以上の空戦をして帰還できる航続力が欲しい。 総帥は空軍大臣を呼ぶ、「総帥、お呼びですか、帝国に栄光を。」 わざとらしいパフォーマンスに壁壁しながら総帥は「ゲーリング君、どうかねルフトバッフェの改良は進んでいるかね。」 「ハイ、わが総帥、着々と進んでおります、必ずやドーバーを越えて見せます。」 返事だけは勇ましいオトコだ。 (ゲーリングでも史実の空軍大臣ゲーリングではない、ハンス ゲーリングだ、ヘルマン ゲーリングとは別のオトコである。) 総帥は、こいつがキライだった、しかし粛清などしない、総帥は、自身の感情で行動はしないオトコであった。 そこが、ロンメルに嫉妬して自殺をさせたヒトラーとは違うのだ。 たとえ、虫の好かないオトコでも愛国者は排斥しない。 著者は独裁者のゲッペルン総帥を礼賛はしないが、公平に見る作者でありたいのだ。 日本の朝日新聞を代表にする、マスゴミやパヨクのようなレッテルを貼り、一方的に言論弾圧などはしないのだ。 総帥はゲーリングにねぎらいの言葉を述べる。 ゲーリングは大げさな敬礼をして退出した。 総帥は陸軍を一時的に海上部隊にしてドーバーを渡らせる、このとき敵の戦闘機などから、上陸用舟艇を守るために、戦闘機の改良を進めていたのだ。 独逸帝国のエンジン工場はベンチやハンネルなどある。 いづれも、V型直列12気筒の日本製ハヤブサと同程度のエンジンは完成していた。 1500PSは出る。 ただ、航続距離を伸ばすには、機体を軽く作る。 つまり、防弾装備や防火燃料タンクをはずせばOKだが、それではパイロットが悲惨な眼にあうのだ。 敵は2300PSのフローラ(ハヤブサ英国版)だ。 武装は20ミリバルカンだ。 プロペラの先の穴から爆裂弾の20ミリが音速で飛び出すのだ。 普通の飛行機など数発で爆散だ。 いかにルフトバッフェのパイロットが勇敢であろうとも死ねと、言うようなものだ。 総帥は、なかなか決断に迷う。 それに、まだ完全には英国の防空レーダー網を把握できていないのだ。 レーダーを先に潰さないと、的確に敵の戦闘機が襲い掛かることとなる。 総帥は、今一度、練り直す必要を確信したのだ。
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