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独逸帝国のフランス統治
なんら替わりはしないのだ。
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一瞬でフランスを陥落した独逸帝国軍の進攻は世界を駆け巡った。 ソ連やシナは歓迎する声明を発表する。 やけに用意がいいが。 一方で、日本や米国、英国は遺憾の意を述べるにとどまった。 今回の進攻はテロに対抗して、やむ無く行ったものだ。 それが独逸帝国の言い訳であった。 確かに爆弾テロが多発し、フランス政府は後手に廻るばかりで何ら対策が無かったのだ。 いたずらに死傷者が増えるばかりであった。 ところが、ドウだ独逸帝国のV型戦車が居座ると同時に爆弾テロは収まった。 そのことで、英国や米国が抗議の声が小さくなったのだ。 フランス軍はV型戦車に手も足もでなかった。 国際的非難が小さかったのは独逸帝国軍が統率が取れていて、違法な略奪をせず、規律正しく、軍規が守られていたからだ。 そして、親独逸帝国政権が誕生したのだ。 一応、代表はフランス人の傀儡だ。 大臣連中もフランス人だが、独逸帝国シンパで固められていた。 早い話がフランスは独逸帝国の属国になったのだ。 一部で利権を巡り、争いもあったが武力には勝てない。 旧フランス政府の利権にアグラをかいていた会社などは潰れた。 国際的非難を避けるためか、独逸帝国総帥はフランスには足を運ばなかった。 ただ、会見で「フランスはなんら変わりはしない、余はフランスに変化を求めてはいない、テロがなくなり平和なフランスであって欲しいのだ。」 と演説した。 なんと寛大で慈悲深い総帥であられる、独逸帝国臣民は感動したのだ。 これは、侵略戦争ではない、テロ撲滅の聖戦なのだ。・・・・なんと都合がいい、いい訳だと思うのは著者だけだろうか。・・・・独逸帝国シンパの傀儡政権は以前となんら変わらない政策で、フランス国民も始めは疑っていたが、3ヶ月も経つと歓迎する国民が大半であった。 フランスの国旗も三色のままで、ただ読めないような字で小さくスミに独逸帝国領と描いてあった。 日本、米国、英国はフランスとは同盟など締結していなかった。 それで、独裁国家連合へ、フランスが組みしたことに警戒することしかできなかった。 フランスは着実に独逸帝国へ組み入れられていった。 表向きはなんら変わりなく見える。 しかし、フランス軍の指揮系統が入れ替わり、上層部がいつの間にか替わっているなど見えないところで動き始めていた。 アメとムチの使い方がうまい独逸帝国上層部だ。 住民が気がつかないところで、変化や改革はされていたのだ。 フランス共和国は独逸帝国連邦に組み入れられていた。 フランスの新聞などは、このことは書かなかった。 イヤ書けなかった。 新聞記者も上司は独逸帝国シンパに首が挿げ替えられていたのだ。 フランスが独逸帝国側になり、明るい未来しか書かない新聞であった。 当然にラジオ放送もだ。 なんと独逸帝国は友好の証と称してフランス国民全戸にラジオを無償で配った。 (独逸帝国総帥の演説を流すためだが、最初は違うのだ、シャンソン特集なんかでごまかした。) まだ、富裕層しか無いラジオにフランス国民は喜んだ。(蓄音機などは普及していた。) 本当の意味も知らずに(独逸帝国製ラジオは音も良く感度もいいのだ。)・・・・英国情報部は今回の独逸帝国の進攻について、情報をつかんでいたのか。 とうぜん、進攻予想はしていたが、防ぐ手立てが無いのだ。 ここに、介入すれば戦争の開戦になってしまう。 リスクは避けたいのは英国だけではない。 まるで、第二次大戦の前哨戦である、ドイツ軍のポーランドやオーストリア進攻と同じだ。 英国政府は独逸帝国のキバが、いづれ英国に向かってくることは承知していた。 しかし、これほど独逸帝国陸軍の進攻がすばやいとは予想すらしていなかった。 英国首相は三国政府の安保会談(日本、米国、英国)を要請したのだ。
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