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総帥、喜ぶ
シナとソ連からの侵攻
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シナから独逸帝国にトラ王戦車の追加注文と総帥に感謝の書簡が届いた。 総帥はメンツが保たれたので、ご機嫌だ。 V型戦車の増産を予算に加えた。 宣伝大臣が「やりました、やはり運用が正しければ勝てるのです。」 「うむ、黄色い猿も学んだようだ。」 「だが、最新兵器は渡してはならんぞ。」 「わかっております、帝国に栄光を。」 ・・・・ソ連のステルヒンからもV型戦車(5号戦車のことだ。)の要望が来ていた。 総帥は正面の世界地図を見上げる。 独逸帝国とソ連の間にはラィツランドとローランドがある。 しかし、背後にいる日本軍空母艦隊が脅威だ。 空母艦隊の相手は独逸帝国には、まだ無理だ。 海軍はUボート以外サッパリな独逸帝国だ。 フランス共和国からは領土を奪い返した。 スペインやイタリーなどは独逸帝国の配下みたいなものであった。 ドーバーを隔てて英国は米国や日本と結んでいる。 現在の独逸帝国では、二面戦争はまだ出来ない。 欧州での戦線か、シナやソ連の対する満州の戦線のどちらかとなる。 総帥は当然、独逸帝国の宿敵であるフランス侵攻へコマを進めたい。 だが、全面戦争は国力からも避けたい。 ゲッペルン総帥は無理な戦いはしない、さすが選挙で選ばれた総帥である。 フランスから取り返した地方からの鉄などの資源は独逸帝国の兵器増産に役立っている。 独逸帝国本国を戦火に巻き込みたくは無い、欧州での戦いは、まだ、時期がよくない、と判断の総帥だ。 日本が米国や英国に兵器を廻している。 独逸帝国もソ連やシナに兵器を廻して代理で戦争をやらせて、漁夫の利を得ようと画策する独逸帝国、総帥ゲッペルンであった。 ソ連もシナも民主主義ではない、独逸帝国は独裁ではないが、民主主義でもない。 選挙で選ばれたゲッペルンが国民の支持を得て改革した、帝国主義であった。(アーリア主義ともいう。) 先の大戦(第1次大戦)でドイツは敗北した。 その反省から、ゲッペルンは立ち上がった男であった。 ドイツの栄光を! それが、アーリア主義となり、他民族排斥の運動に変化していった。 先の大戦でドイツは疲弊した、働くところも無い。 食うものも無い。 とても払えない戦争賠償金がインフレを招く。 ゲッペルンも悪人ではない、ドイツのために立ったオトコなのだ。 しかし、シナやソ連と結びついて、政策が民主的でなく、どうしても民族主義に走ってしまったのである。 つまり、頂点にアーリア人が統べる世にするのだ。 陸の戦いでは、やはり独逸帝国に分があると確信する総帥だ。 満州平原なら、だが背後に米国派遣軍が満州にはいる。 もう一度、シナの実力が観たいと思う総帥だ。 総帥は「シナへ輸出用のV号を10両ほど、今回の紛争の勝利記念だといって送ってやれ。」(シナは注文分とで30両の追加となるようだ。)とエサをまいた。 総帥はラィツランドやローランドに居座る日本軍の正規空母艦隊を刺激するのは避けた。 (現在、日本の横須賀に居座る米国、第7艦隊とおなじだ、中国への牽制となっている。) 日本海軍の正規空母艦隊が独逸帝国に対する無言の抑止力となっていた。
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