大東亜戦争を有利に

ゆみすけ

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戦車が盗まれた。

満州軍の戦車が・・・

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 独逸帝国鹵獲部隊は闇にまぎれて、満州陸軍基地をめざした。 シナのスパイから、基地に新たな戦車が配置になったとの情報からだ。 スパイによると新型らしい。 国境から、それほど離れていない陸軍基地だ。 なんとかなりそうだ。 独逸帝国鹵獲部隊は夜が明ける前にはシナ側へ、鹵獲戦車を運べそうだとの算段から作戦遂行となったのだ。 シナ兵の案内で鹵獲隊は、程なく満州軍の基地に着いた。 とうぜん、守衛がいる。 基地のフェンスの金網を破り侵入する。 国境ではないから警備はそれほどでもない。 「オイ、あれがそうか。」 シナ兵はうなずく。 「これは、米軍のマークⅡじゃないか、でかしたぞ。」 シナ兵に鹵獲隊はボーナスを渡す約束をする。 まだ、米軍のマークを消して、満州軍の印を描いてないのだ。 (満州軍整備隊はシナと同じヤッつけ仕事の癖があるのだ、仕事の先延ばしだ。)  さっそく、鹵獲隊の技師が戦車のカギを壊して、エンジンのセルモーターを廻した。 「オイ、静かにヤレ。」 エンジンが掛かる。 全員が乗った。 中に乗れない者は砲塔の後ろの車台に乗る。 鹵獲隊は戦車に乗り、堂々と正面門より戦車で出た。(平然と軍務かのように敬礼して出れば、かえって怪しまれない。) 守衛は敬礼して門を開けてくれた。 守衛は、まさか独逸帝国軍が乗ってるとは夢にも思わなかった。 満州軍の軍務かと思い、通過させてしまった。 国境で満州軍の警備兵の巡回の合間にまんまと逃げおおせた独逸帝国鹵獲隊だ。 ・・・・さて、翌朝だ。 戦車が1両無い。9両しかない。 どうしたかと、大騒ぎになった。 守衛を問い詰めると、夜間、戦車が1両,出ていったとのことだ。 調べるとフェンスに破られた跡がある。 これは、シナのスパイに戦車が盗まれた、となる。 どうする、満州軍基地司令は、いつものパターンだ。 米軍に泣き付いた。 まあ、いまさら、なんとも出来ないが、日本軍情報部とトヨス自動車満州支店に、この話をまわすように手配した米軍基地司令だ。 内心、正規戦車ではなく、装備を旧式に換えて満州軍に渡したことを、ある意味ホットしている米軍基地司令であった。・・・・ こちらは、部品交換して旧式なことを知らない独逸帝国鹵獲部隊だ。 意気揚々と独逸海軍艦艇で祖国に帰った。 さっそくのテストだ。 結果は、満州国派遣米軍の戦車マークⅡについて、①無線機が真空菅を使った古いタイプで通話性能もよくない。 ②エンジンもキャブレターが1個の旧タイプで馬力も独逸帝国戦車ほどではない。 ③寒さ対策はそれなりに良くやってある。 ④砲の照準器も旧式で独逸帝国製がすぐれている。 ⑤砲弾も旧タイプで1分間で2発と4号戦車と同等であり、わが5号の1分で3発砲撃には及ばない。 ⑥脅威と思われるのは装甲であり、10センチ鋼鉄の4号戦車と同等と思われる、装甲板の造りかたはナゾで解明ができない。 結果として、兵器省の以前回答したシナの戦車運用に問題があった、との再確認となった。 おそらく、米軍は複数で4号の背後からせまり砲弾を集中して砲撃してシナの竜戦車を破壊したものと察する。(溶解弾など夢にも考えていない。) よって、重く動きが緩慢であったことがシナでの敗北となったと思われる。・・・以上が独逸帝国戦車開発工廠の結論であった。 新たな戦車5号は動きが4号とは比べられないほど優れている、独逸帝国総帥、ゲッペルンは陸戦での勝利予想を確信したのだ。   
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