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V号対マークⅢ
満州平原の戦い
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ラィツランドで、トヨスのマークⅢ型の生産ラインがやっと動き出した。 1日に3両が出荷できる。 最初の3両は日本へテストのため送った。 そして満州の米国派遣軍からの要望もあり、(満州の米軍はトヨスの大得意先だ。)マークⅢは米軍仕様で船積みされて、はるばる欧州から満州まで運ばれた。 運んだのはラィツランドの日本海軍正規空母のアメノウズメだ、ちょうど交代時期と重なったからだ。 換わりに、日本から、泣く子も黙る、ナデシコサクヤが(ジェット機搭載艦だ。)ラィツランドに居座った。 アメノウズメは空母の上陸用舟艇(ラックだ。)格納庫にマークⅢを10両積んで満州を目指した。 40ノット巡航で快速だ。 なんと、テストで日本へ送る船より早く満州に着いてしまった。 トヨス満州支店の整備士がマークⅢを点検する。 まあ、コーヒーが耐熱紙コップでちゃんと注げるか、エスプレッソの味とか洗浄トイレのノズルの位置を調整するくらいだが。 最近、満州で油田が発見された。 ユダヤ共和国との国境付近だ。 それで、パイプラインをユダヤ共和国と分けて使うこととなった。 なかなか、質の良い油が採掘できた。 その出来立てホヤホヤの満州産ガソリンをマークⅢに試した。 トヨス整備士はびっくりしたのだ。 ハイオクタンなガソリンだ。 ホンヤ製OEMのV型12気筒3連ターボが吼えた。 整備手帳には最高速度50キロ毎時とあるが、速度計の針は70キロを軽く越えている。 その先は目盛りが無い。 あわてて、トヨスの整備士は速度計に最高速度に注意と書いた張り紙を貼った。 廻りすぎるとミッションが壊われかねないからだ。 セイシン精機のトルコン(オートマチック)も心配だ。 なんせ、2000PS越えだ。 ニーニャの乗るタイプ45ではないからだ。(タイプ45安価版は72馬力だ。) 整備が一段落すると、米軍から派遣された戦車兵が、もう乗っていた。 さっそくエスプレッソの味を試す。 米国民はコーヒー好きだ。 最近、南米のブラジルから良質の豆が日本に輸入された、これをトヨス自動車が仕入れて満州の米国派遣軍に裏で流しているとのウワサだが。 (違法行為ではないが、派遣米軍がうらやましい著者だ。) ウワサは本当らしい、戦車兵の満面の笑みでわかるのだ。 戦場で、いつ戦死するかわからない兵にとり、一杯の休息はかけがえのないものだ。 整備士から戦車のカギを受け取り、書類にサインすると10両のマークⅢは派遣米軍基地へと帰っていった。 (トヨス満州支店からの、コーヒー豆袋の土産つきだ。)・・・・・・ 一方こちらは、シナの陸軍本部だ。 独逸帝国からソ連経由で新型戦車が運ばれてきた。 竜戦車は重いから使えないとこぼす将軍に独逸帝国の技師が、「新型は軽くなりました、橋を崩さないと思います。」 「そうか、竜戦車は、先触れ兵をださないと使えないからな。」 なんと戦車の前を道を調べにいく兵隊がいるのか。 (第二次大戦のキングタイガーも、事前に通る道を調べてからしか動かなかった。) でないと無限軌道がはずれたり、穴に、はまって動けなくなるからだ。 エンコした戦車はカッコ悪いからね。 それで、シナの新型はトラ王戦車と名がつけられた。 シナや半島では、野生のトラに食われる住民が少なくない。 トラほどシナの民に怖いものは、いないのだ。 そこで、戦車の前面にトラの絵を描いた。 大きなトラが口を開けてかぶりつく場面だ。 独逸帝国技師は、完全にバカにした白い眼で見ていたが。 (内心は本国で使う戦車よりスペックが落ちた戦車でダマされるシナをバカにしていたのだ。) 今度こそ、といきまくシナの将軍、満州大平原に平和はいつ来るのか。・・・・
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