大東亜戦争を有利に

ゆみすけ

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海洋調査船カイヨウ

原因究明のために

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 海底カメラが翼の先へ進む。 胴体の破片が見える。 エンジンが半分海底に埋まっているのが見える。 「海底カメラで機体の回収はどうか。」 と調査委員が聞く。 「破片くらいならマジックハンドで回収できるが、重い部分は無理だ。」 「では、回収できるものを頼む。」 調査委員は残念そうに言った。 海底カメラから2本のマジックハンドが出てくる。 側の海底カメラ操作盤で技師が2本のアームを操作している。 そして、海底カメラの下にあるバケットに詰める。 艦長が「制限内に頼むよ。」 「了解です、初回ですから無理はしません。」 翼や胴体は海底カメラのバケットには入らない。 50センチ四方までの破片が10ヶ程バケットに入る。 重量計の針を見て「よし、カメラ上げろ。」 調査委員は船室からデッキにでた。 しばらくして、海水を垂らしながら海底カメラが上がってきた。 バケットには破片が乗っている。 調査委員5人は海底カメラを囲む。 バケット内のジュラルミンの破片を調べ始める。 突然消息を絶った、偵察機月光の墜落原因を調べるためだ。 海底から回収した破片からでは確実なことはわからなかった。 調査委員は艦長に「エンジンを海底から引き上げられないか。」 と聞く。 艦長は「潜水艦救命艇で出来ないか検討する。」といい、明日まで待って欲しいといって調査委員に答えた。 内心、無理なことをイイやがるとおもったが、まだ搭乗員4名は発見されていない。 気持ちはイタいほどわかるのだ。 それから海底カメラで調べたがコクピットは完全にバラバラで原型が判らないほどであった。 翼の日の丸部分までは形がある。 尾翼も半分は発見された。 残骸の海底写真をつなぎ合わせた。 調査委員のひとりがつぶやく。 「撃墜かもしれない。」 「しかし、不審機や不審船の連絡は無かったと聞いている。」 「しかし、胴体が原型をとどめていない。」 「こんなこと言えないが搭乗員が見つからない。」 座席にベルトで固定されている搭乗員が見つからないのだ。 「まあ、エンジンが上がってきてから考えよう。」 明日に結論はまわされた。 撃墜など考えたくもない調査委員だ。 なぜなら、いきなり撃墜されるほど月光はヤワではないからだ。 胴体など最大6人が乗れるのだ、耐圧試験など繰り返しやった。 調査委員のひとり、大日本航空機から派遣された小森技師は思う。 翌日、潜水艦救命艇が海底に降りた。 結果は無理、重すぎる。 とうとうサルベージ船を呼ぶことになった。 もともと潜水艦救命艇は人を事故潜水艦から助けるための潜航艇だ。 重いエンジンのついた破片など無理なのだ。 6000メートルを越える深海だ。 作業はとんでもなく難しいのだ。 サルベージ船のワイヤーを海底カメラのマジックハンドでエンジンにくくりつけて海底から引き上げる方向で検討された。 サルベージ船が現場海域まで、タグボートで引かれてくるのが7日かかるのだ。 調査船カイヨウは、7日間現場海域でヒマを潰すこととなった。(調査は続くのだが。) 
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