大東亜戦争を有利に

ゆみすけ

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災害か爆撃か

混乱する独逸帝国

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 ダム工事現場へ、偵察へ向かった独逸陸軍部隊から陸軍司令部に第1報が入る。 「偵察隊から司令部。」 「司令部です。」 「現場ですが、火炎が強くて近づけません。 まるで、隕石が落ちたかのようです。」 「生存者はどうか。」 「今のところ見ていません。」 「調査を続行してくれ。」 「現場、了解。」 陸軍からゲシュタポに連絡が入る。 陸軍はダム工事現場が原爆工場であることは知らない。 ゲシュタポは知っている。 ゲシュタポは非常召集をかけたが十分、人が集まらない。 「くっそ、なにもこんなときに爆発事故とは、運がわるい。」 ゲシュテポ司令部の言葉だ。 なぜか、英国と米国が独逸帝国領海の近くで、フランス海軍まで入れての環大西洋大規模軍事演習の最中なのだ。 ゲシュタポはその観戦や警戒やスパイ活動に、人員を割いていたからだ。 独逸帝国とは英国、米国やフランスは戦争状態ではない。 ただ、仮想敵国なだけだ。 しかし、いずれキバを剥く戦いになると独逸帝国も考えている。 それで、軍事演習にスパイ活動などは当然であるのだ。 ゲシュタポは当直から、少ない人数をさいてダム工事現場に向かうしかなかった。 消防隊や消防車も出来る限り出動したが、火炎がひどく近づけない。 現場周りに放水して延焼を防ぐのが精一杯であった。・・・・そのころ、レンジャー5人は海岸付近にたどり着いた。 帝国内は軍用車が走り回り、ヒトが右往左往していて検問どころではない。 消防車や救急車もサイレンを鳴らしまくり混乱に加勢していた。 赤レンガ造りの建物沿いに人影が走りぬけても、誰も気にもしなかった。 間もなく朝、4時だ。 そろそろ、サポート装置のバッテリーが・・・・と考えていたら、上空にビートルの乾いたエンジン音だ。 ビートルが着陸する、と同時に5人がハッチから乗り込んだ。 ビートルは沖合いの空母をめざす。 海底軍艦はロケット爆撃機が工事現場突入と同時に潜航して海中で待機、空母からの連絡を待つ。 ビートルが空母アマテラス改に現地時間、午前4時25分に着艦した。 空母アマテラス改艦長が「作戦、終了。」 と指令する。 アマテラス改は日の出と共にフランス軍港に表敬訪問の予定だ。 海底軍艦は海中を日本へ向けて、長い航海だ。 北極海を通りぬけて日本の母港である、横須賀の地下軍港を目指す。 原子力動力だから、潜ったままで航海できる。 今日は金曜だからカレーの日だ。 海底軍艦、特製カレーがでる日だ。 作戦が終了となるとカレーがイチダンとうまくなるのだ。 それは、空母アマテラス改でも同じだ。 アマテラス改特製の牛すじカレーだ。 著者も大好物である。 飛騨牛のスジ肉カレーはイツピンなのだ。 朝日が大西洋に昇る。 日本の軍事衛星が独逸帝国上空を写真を撮りながら通りぬける。 カプセルが衛星から地上に向けて発射される。 カプセルは耐熱容器にガラスのカバーが分厚くついている。 そのガラスが落下の空気摩擦熱で溶けて耐熱容器をつつんで守る。 燃えながら落下するカプセル。 その落下予想地点の太平洋、小笠原海域付近には空母タケミカズチのヘリが何機も飛び回り回収用意万全だ。 作戦成功の可否は衛星写真で判断する。 独逸帝国がダム工事現場の惨状を発表するとは思えないからだ。 カプセルは無事回収されたようだ。 はやく現像にまわせ、と声が聞える。 さあ、結果が気になる。
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