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ロケット爆撃機の切り札
現場対応能力の話
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こちらはレンジャーの5人だ。 ダム工事現場の山の中だ。 計画の目標では地層が崩壊しない可能性がでてきたのだ。 レンジャーの隊長は、暗視ゴーブルで見渡す。 事前に地質や地層の衛星画像で確認していたのだが、現場で確認すると差異はでる。 破砕帯が見つからない。 工事現場であるから地層がむき出しなのだ。 衛星写真の判断では破砕帯と思われる地層が認識できたのだが、その破砕帯を崩落させてもダム工事現場から、原爆工場までは破壊できないとレンジャーの隊長である黒田は判断した。 おそらく、地層の崩れはダム工事の半分までと判断できた。 「黒田から可憐、どうする。」 「可憐から、現場でしばらく待機。」 「黒田、了解。」・・・・ ロケット爆撃機は、もうすぐ上だ。 空母アマテラス改のCICは混乱したいた。 時間は容赦なく過ぎる。 CICの横の計算室では超高速電算機が壊れそうにうなっていた。 しかし、時間が無い。 艦長は決心した。 最終判断を下した。 「海底軍艦にZ案をオクレ。」 「Z案、了解。」 「可憐から黒田。」 「こちら黒田。」 「ゼットアン指令する。」 「ゼットアン了解。」 Z案、それは最終の計画案だ。 すべての計画が頓挫したら履行する計画だ。 だからアルファベットのZだ。 レンジャーはダム工事現場の山頂に誘導電波の石を2箇所はなして置いた。 そして、「脱出。」 の指令でビートルが拾う地点までサポート装置で駆け出した。 5人一列で、時速60キロで駆け抜ける。 高度2万を飛行中のロケット爆撃機は爆弾を投下する。 これは、半径2キロ範囲であれば目標の石に誤差10センチで当たるのだ。 そして、これからが肝心だ。 ダム工事現場内の原爆工場に向けて、ロケット爆撃機を体当たり攻撃するのだ。 胴体には水素燃料が、まだ半分ある。 ケロシンも半分ある。 ウラン濃縮工場の熱源にむけて高度2万からマッハ3で巨大なカタマリが落ちてゆくのだ。 原爆工場を潰すため、たぶんは無い。 絶対100パーセント潰す。 夜間で原爆工場は動きが無い。 ヒトの犠牲は最小ですむだろう。 独裁国家に最終兵器を持たせてはならない。 これは、民主主義陣営の結束のための作戦でもあるのだ。 絶対に失敗は許されない。 レンジャーの黒田は、たぶんという、判断はしなかった。 サポートの可憐が「この判断は正解との可憐の判断です。」 空母アマテラス改のメイド長兼任の可憐がいう。 艦長はレンジャーとサポートメイドの両方の見解を重く見たのだ。 現場の即応能力の判断を採用したのだ。 黒田がレンジャーの隊長に今回、選ばれたのは、学生時代の専攻が自然科学の地学であり、鉱石や地層に詳しいからだ。 芸、いや学は身を助けるのだ。 「爆弾、投下10秒まえ。」・・・ 5,4,3,2,1、 投下。 クルクルとシッポのプロペラを廻しながら地層破砕帯破壊爆弾が2個落ちていく。 かすかにカーブを描いて。 そして、海底軍艦のCICでは、キャプテンがロケット爆撃機の自爆シークエンスのスイッチを入れた。
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