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これが日本の最新空母だ
映画館もある
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総理と副官はCICを出る。 格納庫の下だ。 娯楽ホールと名札が下がっていた。 「娯楽。」 と総理が怪訝にいう。 副官はドアを開けた。 そこは、広いホールのような部屋だった。(災害時の避難にも使える) 「長い船旅には必要ですからね。」と副官。 「ストレスためんようにな。」 と総理。 さらに長い通路に色々ある。 床屋や縫製屋、靴屋などのカンバンが並ぶ。 図書館も当然ある。 そこは、マイクロフィルムの書籍をプロジェクターで拡大して読める。 紙は燃えるから、らしい。 今流行の漫画が主である。 テレビ画面では眼に負担をかけるからだ。 そして、飲み屋だ。 まあ、軍隊での酒保だ。 店内は普通の居酒屋風だった。 総理は、ここが最新空母内とは思えなかった。 マスターがいた。 退役した炊事担当の士官が交代でつく。 飲み屋を出ると、衛生区画だ。 へべれけに酔っ払って飲み屋を出ても心配ないようだ。 病室やオペの部屋などある。 薬調剤室や薬品室などがある。 まあ、町の小さいモデルだ。 そして治療室や相談室(軍のストレスなどの専門カウンセラーが居る。)を過ぎる。 次は居住区画だ。 3段ベットの部屋がたくさんある。 士官室もある。 総理は「機関室はどう行くんだ。」 と聞く。 機関室は消防隊控え室の横だ。 この空母は消防隊が別隊員だ。 消防隊はプロ集団だ。 船火事ほど恐ろしいものはない。 船は逃げるところがないからだ。 酸素ボンベに完全防熱服で対放射能服での消火訓練もあり、戦闘員とは別に指定してあるのだ。 しかし、万一には戦闘にも参加するのは当然だが、消火優先らしい。 旧軍では、このレスキュー員を兵が兼ねていたので持ち場を離れれば艦が動かない弊害がでたのだ。 役割分担は徹底している。 機関区は6基のガスタービンがあり、奥に原子炉が2基だ。 1基が水流噴射用でもう1基が発電用だ。 電磁カタパルトの膨大な電力もここで発電している。 まあ、近づけないのだ。 完全防護服でないと奥には入れない。 総理は敬礼する機関員に答礼するだけで退室した。 艦の後部は上陸用水陸強襲車の格納庫だ。 他に陸との連絡用のホバークラフトもある。 なんと小型潜水艇まである。 総理が聞いたら、艦の艦底修理などに使うらしい。 魚雷を喰らった穴などは、この潜水艇で応急修理が可能とのことだ。 水中溶接機装備の潜水艇だ。 「では、飛行甲板にでますか。」 副官とエレベーターで甲板まで一気に上がる。 広い、いや海が見えないほどだ。 陸の滑走路かと間違えそうなトヨス装甲の飛行甲板だ。 「この甲板は耐熱塗装などのメンテがいらないから助かります。」 副官はいう。 現実の米軍の空母は兵が並んで耐熱塗装の塗り替えをしている。 それがフリーだ。 ジェットの噴煙でも、なんともないトヨス装甲甲板だ。 なんせ太陽炉で焼き固めたセラミックだ。 スペースシャトルの耐熱タイルなぞ吹き飛ぶほどの耐熱装甲らしい。 副官は「ジェットのハヤブサが発艦しますよ。」 と総理をうながした。
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