119 / 380
突然の登場だ。
もう二度とくるな。
しおりを挟む
日本海軍の餞別の駆逐艦は、武器は速射砲が前部に2門、後部に1門だ。 口径は12,7センチが2連装だ。 高速演算機で制御されて100発100中だ。 この演算機は軍機であるから、分解すると自爆する。 機銃は40ミリ機関砲2連装が4門だ。 あとは潜水艦探知ソナーが船首の下の先、バルバスバウ(丸い先っぽ)の中にある。 爆雷や魚雷発射菅も装備されていた。 艦の動力はガスタービンだ。 2連のガスタービンで最高40ノット(時間制限あり)で、巡航が20ノットだ。 ヘリは搭載されていない。 この駆逐艦が配備されたときはヘリは研究段階であったからだ。 2隻はインドネシアを目指した。 一応艦には日本海軍の技官も乗船していたが、操船などは、訓練生まかせだ。 乗ってるだけの楽な技官であった。 おっと忘れた、トン数は2300トンだ。 長さ120メートルの本格的な外洋型駆逐艦だ。 いままでの警備艇がウソのようだ。 なんせ、長さ12メートルの船だった。 日本海軍の技官はインドネシアの港の水深が心配だった。 まさか座礁するほど浅くないと思うが、入港するとき確認を忘れるなと訓練生には念をおしたほどだ。 インドネシアまでは、訓練などやりながら向かうから日にちと時間がかかった。 始めは船酔いでゲロを吐いていた訓練生もだいぶ慣れた。 まあ船酔いは慣れだ。 食事は海軍カレーが評判が上々だ。 これは、カレーが軍隊食として日本で完成され、海軍名物までになっていたのだ。 艦により味が違うのだ。 当然レシピは艦によって違い、秘密で公開されてはいない。 その秘伝を伝授された給食係りは、納得いくまで調理の訓練に明け暮れた。 日本を出航して12日で到着だ。 本来なら20ノットで7日だが、訓練しながらだからだ。 艦長候補生が「港に無線で到着予想の時刻を伝えろ。」 と司令する。 無線候補生が「軍から伝言です、位置・・・で警備艇がシナの軍艦にぶつけられたようです。」 「なに、すぐに救援に向かうと伝えろ。」 「取り舵いっぱいだ。」 いきなり本番だ。 日本海軍技官は艦橋に待機した。 まだ、実弾は積んでいない。 万一のときは判断が心配な技官だった。 駆逐艦は40ノットで救援に向かった。 いままでのポンポン船とは満月とゴキブリの違いだ。 駆逐艦は時速70キロ以上なのだ。 レーダーに船の影と小さい影だ。 シナの軍艦と我らが警備艇だ。 日本海軍技官は黙っていた。 この場面の対応で指揮能力が決まる。 間違えば駆逐艦が攻撃されて沈没もありうるのだ。 武器の弾はないのだから。 こちらはシナの海洋警察警備船だ。 こちらと同じくらいの軍艦が2隻やってきた。 まさか、日本海軍か、と緊張する。 見ると日本海軍の駆逐艦だ。 それも2隻だ。 まずい、勝てない。 こうなるとシナは行動がはやいのだ。 おシリに帆を掛けてシュラシュシュシュと逃げ出した。 まあ、ここは追わないのが大人の対応だ。 艦長候補生は「警備艇の人員の安否を確認、その後報告を軍にせよ。」 と的確に対応した。 思わずホットした日本海軍技官だ。
1
お気に入りに追加
314
あなたにおすすめの小説


土方歳三ら、西南戦争に参戦す
山家
歴史・時代
榎本艦隊北上せず。
それによって、戊辰戦争の流れが変わり、五稜郭の戦いは起こらず、土方歳三は戊辰戦争の戦野を生き延びることになった。
生き延びた土方歳三は、北の大地に屯田兵として赴き、明治初期を生き抜く。
また、五稜郭の戦い等で散った他の多くの男達も、史実と違えた人生を送ることになった。
そして、台湾出兵に土方歳三は赴いた後、西南戦争が勃発する。
土方歳三は屯田兵として、そして幕府歩兵隊の末裔といえる海兵隊の一員として、西南戦争に赴く。
そして、北の大地で再生された誠の旗を掲げる土方歳三の周囲には、かつての新選組の仲間、永倉新八、斎藤一、島田魁らが集い、共に戦おうとしており、他にも男達が集っていた。
(「小説家になろう」に投稿している「新選組、西南戦争へ」の加筆修正版です)

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
札束艦隊
蒼 飛雲
歴史・時代
生まれついての勝負師。
あるいは、根っからのギャンブラー。
札田場敏太(さつたば・びんた)はそんな自身の本能に引きずられるようにして魑魅魍魎が跋扈する、世界のマーケットにその身を投じる。
時は流れ、世界はその混沌の度を増していく。
そのような中、敏太は将来の日米関係に危惧を抱くようになる。
亡国を回避すべく、彼は金の力で帝国海軍の強化に乗り出す。
戦艦の高速化、ついでに出来の悪い四姉妹は四一センチ砲搭載戦艦に改装。
マル三計画で「翔鶴」型空母三番艦それに四番艦の追加建造。
マル四計画では戦時急造型空母を三隻新造。
高オクタン価ガソリン製造プラントもまるごと買い取り。
科学技術の低さもそれに工業力の貧弱さも、金さえあればどうにか出来る!

世界はあるべき姿へ戻される 第二次世界大戦if戦記
颯野秋乃
歴史・時代
1929年に起きた、世界を巻き込んだ大恐慌。世界の大国たちはそれからの脱却を目指し、躍起になっていた。第一次世界大戦の敗戦国となったドイツ第三帝国は多額の賠償金に加えて襲いかかる恐慌に国の存続の危機に陥っていた。援助の約束をしたアメリカは恐慌を理由に賠償金の支援を破棄。フランスは、自らを救うために支払いの延期は認めない姿勢を貫く。
ドイツ第三帝国は自らの存続のために、世界に隠しながら軍備の拡張に奔走することになる。
また、極東の国大日本帝国。関係の悪化の一途を辿る日米関係によって受ける経済的打撃に苦しんでいた。
その解決法として提案された大東亜共栄圏。東南アジア諸国及び中国を含めた大経済圏、生存圏の構築に力を注ごうとしていた。
この小説は、ドイツ第三帝国と大日本帝国の2視点で進んでいく。現代では有り得なかった様々なイフが含まれる。それを楽しんで貰えたらと思う。
またこの小説はいかなる思想を賛美、賞賛するものでは無い。
この小説は現代とは似て非なるもの。登場人物は史実には沿わないので悪しからず…
大日本帝国視点は都合上休止中です。気分により再開するらもしれません。
【重要】
不定期更新。超絶不定期更新です。
裏長屋の若殿、限られた自由を満喫する
克全
歴史・時代
貧乏人が肩を寄せ合って暮らす聖天長屋に徳田新之丞と名乗る人品卑しからぬ若侍がいた。月のうち数日しか長屋にいないのだが、いる時には自ら竈で米を炊き七輪で魚を焼く小まめな男だった。
【おんJ】 彡(゚)(゚)ファッ!?ワイが天下分け目の関ヶ原の戦いに!?
俊也
SF
これまた、かつて私がおーぷん2ちゃんねるに載せ、ご好評頂きました戦国架空戦記SSです。
この他、
「新訳 零戦戦記」
「総統戦記」もよろしくお願いします。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる