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イマドコ進化型
どこにいても、場所がわかるのだ。
しおりを挟む ここは、日本の九十九里浜だ。 ここにロケット発射場が完成した。 軌道周回衛星に成功して、写真偵察衛星をヒンパンに打ち上げている。 それは、写真がフィルムで回収しないと画像がわからないからだ。 まだ地上1メートルの物体を識別できる電子の眼は完成しない、いや出来る見込みもないのだ。 テレビはあるが、画素数はせいぜい25万画素くらいだ。(ハイビジョン以前はそうだ。) これでは、施設の形もはっきりしない。 ひと昔前の、ブラウン管テレビと同じだ。 定期的に衛星軌道にロケットを打ち上げた。 このところ20回すべて成功だ。 糸河教授は鼻が高い、とうとう政府に何でも周回軌道に上げれるぞ、と豪語してしまった。 それならと、電波研究所から依頼がきたのだ。 電波研究所では、高い山に発信所を設けて3点測量の原理で現在地をブラウン管に描き出す研究をしていた。 しかし、地球はマルイから高い山でも限界がある。 しかし、空の上ならOKだ。 三個、電波発信衛星が日本の上にあれば現在地が正確に把握できるのだ。 欠点は重いのだ。 ロケットは乗せる荷物の重さ制限が厳しいのだ。 電波発信衛星は電池や太陽光発電機も重いのだ。 糸河先生、ハタと困る、いまさらあれは、ウソでしたなんて言えない。 依頼の機器は3トンもあるのだ。 どうする、アイデアはあった。 ロケットの1段目を束にして打ち上げる力を大きくするのだ。 ままよ、と糸河先生はロケットを束ねる方法を試す。地上での噴射試験はまあまあだ。 予算は余るほど政府が出した。 これは、いけそうだ。 現在のH2型より大きい固形燃料ロケットの1段目が完成した。 先端のカプセルに電波発信機が乗っている。 計画では3本打ち上げ予定だ。 糸河大先生、地元ではあきたらず、なんと伊勢の神宮のお札まで取り寄せた。 さらに、今上陛下の弟宮殿下まで来賓として、ご臨席だ。 テレビ中継まできた。 もう20回も打ち上げていては機密は保てない。 政府は事前に公開したのだ。 いきなりとんでもない話が政府発表だ。 米国から副大統領まで立ち会う。 亜細亜友好国からも来賓がきた。 もうイチダイ、イベントとなった。 当然、政府は見学料を税金のごとく徴収する。 へたな、ヤーさん顔負けだ。 とうとう、秒読みだ。 9、・・・・3,2,1,0 ドウウウンーとでかいロケットは飛び出した。 遠くから見学しても地鳴りがするほどだ。 一段目切り離し成功だ。 2段目点火、さらに加速する。 3段目切り離しだ。 4段目成功だ。 かつての連続12回失敗がウソのようだ。 静止衛星軌道はかなり、上空だ。 赤道上空の高度約35,786kmの円軌道だ。 そこに打ち込む技術を開発するのに、やはり光コードの高速演算機があればこそだ。 固形燃料の正確な噴射制御から、マイクロ型の小さい噴射制御計算機まで、現代以上の技術といっても過言ではない。 米国副大統領は日本が同盟国でよかった、とマジでおもったほどだ。 そして米国の上にも3個ほど打ち上げて欲しいと副大統領は交渉までしたのだ。 ただでは転ばない 米国だ。 このイマドコ衛星により自軍の展開が歩兵一人にいたるまで手に取るように把握できる。 山田総理は20個くらい浮かべて地球全体をカバーする計画を米国と結ぶと確約した。 予算は米国が半分だすのだ。だんだん米国と切れない仲になりつつある日本であった。
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