大東亜戦争を有利に

ゆみすけ

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ウラン濃縮工場の惨事

どうしてこうなるのだ。

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 レンジャー10人が貨物列車を下り坂に押し出した。 すこしづつ、列車は速度を上げる。 音も無く機関車は下る。 レンジャーは隊長の指示で会合地点に走る。 人間は連続50キロ毎時では走れない、疲労で疲れて走れなくなる。 しかしサポート装置のおかげで連続で走れるのだ。  会合地点には正確な時間にビートルが降りてくる。 秒単位での計算から、練った計画だ。 寸分だがわない。 今のところ敵兵などには遭遇していない。 シナと満州との紛争が長引いて、半島からも援軍が出たらしい。 このため国内の警備の兵が手薄なのだ。 ウラン鉱石精錬所を事故に見せかけて破壊するのは、日本軍の最新機密兵器があるから計画できたのだ。 普通、無理だ。 どの国にも、まだ暗視ゴーグルや筋力サポート装置、ステルスのVTOLなど想像でしかないのだ。 海底軍艦はユダヤスパイに漏れたが、彼らはシンパとなり秘密の保全を約束してくれた。 以前、海底軍艦のおかげで5人のユダヤスパイが独逸帝国から脱出ができたのだ。  会合点に着いた。 まだ5秒余裕があった。 筋力サポート装置は10人のレンジャーを時速50キロで走らせて、2時間休みなしに働いたのだ。 ブーンと軽い音が聞える。 VTOLが降りてきた。 後ろのでかいハッチが開く。 スースースーと10人のレンジャーは音も無く機体に吸い込まれた。  そのころ遠くで、すごい爆発音がした。 暗いから音が聞えるのみだ。 山のむこうからだ。 話が少し戻る、鉱山鉄道の蒸気機関車は釜に火が燃えていたのだ。 これには、ワケがあるのだ。 蒸気機関車は火を入れてから動くまでに、かなり時間がかかるのだ。 一度釜の火を落とすと熱が冷めて、再度の運転は効率が悪くなる。 だから、朝早く起きて釜に火をいれるのだが、半島にはケンチヤナヨ精神がある。 まあいいか、ケンチヤナヨだ。 早い話が、適当に略して進めるのだ。 これは、日本軍が画策したのではない。 たまたまだ。 戦争の女神のいたずらか、あるいは、日本軍に女神が微笑んだのか、わからないが。 精錬工場の爆発が遅れたのは理由があった。 機関車や貨物が精錬工場駅で、止まらず暴走して駅舎に突っ込んだ。 機関車の釜は火が燃えているから火災になる。 守衛はケンチャナヨ精神で熟睡している。 火は燃え広がる、それが工場に燃え移る。 その時間がかかるからだ。 衛兵が気がついたときは、もう手がつけられない。 火災は3日間も燃え続けたらしい。 このニュースはシナからも半島からも発表されなかった。 衛星写真では、燃え尽きた工場が写っていたから間違いなくウラン精錬工場は潰したのだ。 そのころ満州国境では、竜戦車を置きざりに逃げるシナ兵を満州兵が笑っていた。 竜戦車とマークⅡとのにらみ合いが終わり、撃ち合いとなり先にタマが尽きたのが竜戦車だったらしい。 マークⅡはまだタマがあるのが判ったシナ兵は戦車を置いたまま我先に逃げだしたのだ。 まあ気持ちはわかる、死にたくないからね。・・・・・・
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