85 / 380
独逸帝国防空網
ステルス機の能力
しおりを挟む
ビートルは10人の亡命者を乗せて飛ぶ。 ペラは水平で、ジェットエンジン全開だ。 速度は780キロ全速だ。 このころ、人質のシンドラーの娘が居ないと施設の監督官が騒ぎ出した。 シンドラーは居るかと研究所に問いあわせだ。 他の親族の所在を至急、捜索せよと帝国司令部から厳命が飛んだ。 アインマンの行方不明で、独逸帝国は絶対の防空網を作り上げた。 さらに検問所も増やされた。 アリの這い出るスキも無いはずだ。独逸帝国のゲシュタボが動きだす。 ゲシュタボは国家警察の特殊部隊だ。 機動力に優れている。 バイクや車、戦車、航空機など使いたい放題の部隊であった。 バイクで隊員がシンドラーの親族を捜索したが居ない。 娘もいない。 ゲシュタボはシンドラー博士のもとに詰め寄る。 博士は薄ら笑いを浮かべた、隊員は「危険だ離れろ。」と叫んだが、間に合わない。 博士はゲシュタボを巻き込んで自爆して果てた。 もとよりユダヤ民族のためにささげた命だ、替え玉は満足して死んでいった。 「警戒警報を発令しろ、絶対に見つけ出せ。」 と激が飛ぶ。 海岸線に偵察機を散開させろ。 検問を厳にしろ。 手配写真を配れ。 と次々と対策が練られた。 独逸帝国自慢のレーダー監視網をゲシュタボが見回る。 「どうだ、反応はあるか。」 「現在のところ、ありません。」 「うむ。引き続き警戒を厳にしてくれ。」 どうやら、地上を車で脱出を図るらしい。 検問が強化された。 ・・・・こちらは日本軍ステルス機のビートルだ。 ビートルの後部のレーダーが前部と同じ働きで対レーダー干渉でステルス機能を発揮していた。 乗員はお客さんが10人に搭乗員が2名だ。 まだ、8人乗れる計算だ。 夜が明けてきた。 周りが明るくなる。 まだ、海岸線まですこしある。 太陽が昇り始めた。 急ぐのだ。 搭乗員は緊急ブーストを駆ける。 エンジンが唸る。 ビートルは速度が限界を超えた。 キーンという音が大きくなる。 翼のロケット推進機に点火だ。 ドーンと衝撃波が発生した。 ビートルが飛んだ下の家のガラスが一斉に割れる。 家人が何事と外に出た、すでにビートルの影もなかった。 海岸線を無事越えた。 もう少しだ。 「浮上、ベント開け。」 海底軍艦は静かに浮上した。 ビートルが降りてきた。 アンテナが伸びる。 飛行甲板のアンテナも伸びる。 引き寄せられるようにビートルが着陸した。 同時に翼とペラがタタまれる。 エレベーターでビートルごと艦内に格納される。「潜航、潜航。」 ブザーが鳴る。 海底軍艦は海に潜る。 あとは、波が少しざわついただけだ。 「深度200、全速、方向は・・・・」 海底軍艦は米国を目指す。 水流噴射推進で音もなく40ノットで進む。 艦長が亡命者を船室に尋ねた。 潜水艦にしては広い部屋だ。 「どうですか、お体は大丈夫ですか。」 と通訳を介して伝えた。 シンドラー博士は「ありがとう、感謝します。」 ユダヤスパイが「オレ達まで助けてもらい、ありがたい。」 9歳の娘は「パパを連れて逃げられて感謝です。」 と皆、うれしそうだった。 スパイがいう、「オレは少しは潜水艦を知ってはいるが、この艦はすごい、信じられない。」 艦長は「他にしゃべらなければ自由にしていただいていいです。」 と寛容だ。 「4日もあれば米国に到着します、それまで寛いでください。」 といって指令塔にさがった。 なんと4日で大西洋横断か、40ノットは表向きなのか。 そう、海底軍艦は原子力で60ノットの巡航が可能だ。 現在60ノットで米国を目指す。
0
お気に入りに追加
299
あなたにおすすめの小説
満州国馬賊討伐飛行隊
ゆみすけ
歴史・時代
満州国は、日本が作った対ソ連の干渉となる国であった。 未開の不毛の地であった。 無法の馬賊どもが闊歩する草原が広がる地だ。 そこに、農業開発開墾団が入植してくる。 とうぜん、馬賊と激しい勢力争いとなる。 馬賊は機動性を武器に、なかなか殲滅できなかった。 それで、入植者保護のため満州政府が宗主国である日本国へ馬賊討伐を要請したのである。 それに答えたのが馬賊専門の討伐飛行隊である。
零式輸送機、満州の空を飛ぶ。
ゆみすけ
歴史・時代
ダクラスDC-3輸送機を米国からライセンスを買って製造した大日本帝国。 ソ連の侵攻を防ぐ防壁として建国した満州国。 しかし、南はシナの軍閥が・・・ソ連の脅威は深まるばかりだ。 開拓村も馬賊に襲われて・・・東北出身の開拓団は風前の灯だった・・・
出撃!特殊戦略潜水艦隊
ノデミチ
歴史・時代
海の狩人、潜水艦。
大国アメリカと短期決戦を挑む為に、連合艦隊司令山本五十六の肝入りで創設された秘匿潜水艦。
戦略潜水戦艦 伊号第500型潜水艦〜2隻。
潜水空母 伊号第400型潜水艦〜4隻。
広大な太平洋を舞台に大暴れする連合艦隊の秘密兵器。
一度書いてみたかったIF戦記物。
この機会に挑戦してみます。
土方歳三ら、西南戦争に参戦す
山家
歴史・時代
榎本艦隊北上せず。
それによって、戊辰戦争の流れが変わり、五稜郭の戦いは起こらず、土方歳三は戊辰戦争の戦野を生き延びることになった。
生き延びた土方歳三は、北の大地に屯田兵として赴き、明治初期を生き抜く。
また、五稜郭の戦い等で散った他の多くの男達も、史実と違えた人生を送ることになった。
そして、台湾出兵に土方歳三は赴いた後、西南戦争が勃発する。
土方歳三は屯田兵として、そして幕府歩兵隊の末裔といえる海兵隊の一員として、西南戦争に赴く。
そして、北の大地で再生された誠の旗を掲げる土方歳三の周囲には、かつての新選組の仲間、永倉新八、斎藤一、島田魁らが集い、共に戦おうとしており、他にも男達が集っていた。
(「小説家になろう」に投稿している「新選組、西南戦争へ」の加筆修正版です)
西涼女侠伝
水城洋臣
歴史・時代
無敵の剣術を会得した男装の女剣士。立ち塞がるは三国志に名を刻む猛将馬超
舞台は三國志のハイライトとも言える時代、建安年間。曹操に敗れ関中を追われた馬超率いる反乱軍が涼州を襲う。正史に残る涼州動乱を、官位無き在野の侠客たちの視点で描く武侠譚。
役人の娘でありながら剣の道を選んだ男装の麗人・趙英。
家族の仇を追っている騎馬民族の少年・呼狐澹。
ふらりと現れた目的の分からぬ胡散臭い道士・緑風子。
荒野で出会った在野の流れ者たちの視点から描く、錦馬超の実態とは……。
主に正史を参考としていますが、随所で意図的に演義要素も残しており、また武侠小説としてのテイストも強く、一見重そうに見えて雰囲気は割とライトです。
三國志好きな人ならニヤニヤ出来る要素は散らしてますが、世界観説明のノリで注釈も多めなので、知らなくても楽しめるかと思います(多分)
涼州動乱と言えば馬超と王異ですが、ゲームやサブカル系でこの2人が好きな人はご注意。何せ基本正史ベースだもんで、2人とも現代人の感覚としちゃアレでして……。
日本が危機に?第二次日露戦争
杏
歴史・時代
2023年2月24日ロシアのウクライナ侵攻の開始から一年たった。その日ロシアの極東地域で大きな動きがあった。それはロシア海軍太平洋艦隊が黒海艦隊の援助のために主力を引き連れてウラジオストクを離れた。それと同時に日本とアメリカを牽制する為にロシアは3つの種類の新しい極超音速ミサイルの発射実験を行った。そこで事故が起きた。それはこの事故によって発生した戦争の物語である。ただし3発も間違えた方向に飛ぶのは故意だと思われた。実際には事故だったがそもそも飛ばす場所をセッティングした将校は日本に向けて飛ばすようにセッティングをわざとしていた。これは太平洋艦隊の司令官の命令だ。司令官は黒海艦隊を支援するのが不服でこれを企んだのだ。ただ実際に戦争をするとは考えていなかったし過激な思想を持っていた為普通に海の上を進んでいた。
なろう、カクヨムでも連載しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる