大東亜戦争を有利に

ゆみすけ

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最初の空母

艦上戦闘機だ。

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 新しいエンジンが出来た。 
機体設計部の細野は直列6気筒500馬力を使った、機体の設計を担当できた。 
 機体は今まで木であった。 つまり植物の木だ。 それに帆布を張る。 つまり、軽く作る必要があった。 
エンジンの馬力がすくないからだ。 
しかし、500馬力だ。 軽いエンジンではないが、まあそれなりだ、細長く水冷のラジエーターがあるが、これは、移動が出来る。 
視界が広い飛行機が出来る。 
星型の丸いエンジンは空冷で簡単な構造だが、前方視界がよくない。 
速度をだすには、流線型がいいが、星型エンジンでは、プロペラの推力の何割かが損する。
 細長い水冷エンジンはそれがない。 
星型エンジンの今の戦闘機は馬力が200馬力で速度が200キロくらいでる。 
もちろん木で胴体が出来ていて、翼は骨が木で、帆布が張ってある。 
露天では、劣化が激しい。 
金属なら露天でも、海の塩風でも耐える。 
将来的に空母を考えていた細野はいきなり金属飛行機を設計しようとした。 
しかし鉄は重い、軽いアルミは作るとき電気をくう。 電力がまだまだな時代だ。 
どうするか、考えた。 まてよ、鉄でもパイプなら強度もあるし、まあまあだ。 
パイプの骨にとりあえず、帆布を張ろう。 
木よりはるかに強度がある。 
空母への着艦はショックがハンパないから頑丈でないとだめだ。 
胴体が四角い、翼が物差しのような飛行機を設計した。 
単純な形で複雑な加工はいらない。 
プロペラはまだ木製であったが、二枚を重ねて四枚ペラだ。
 空母からの発艦は馬力がいる。 まだ蒸気カタパルトなんてないから、馬力で飛ぶための四枚ペラである。 
まず、模型を作った、風洞実験用だ。 
それで風を見て、渦が発生しないか調べるのだ。 
そしてまあまあの大きさの模型をつくる。 
材質も同じにしてエンジンの重さのおもりを乗せる。  
空の上から飛ばした。 飛行機から流した。 
模型はグライダーのように滑空して着陸した。 
細野はイケルと確信した。 鉄パイプフレームで帆布を張った実際の飛行機は、まあ簡単に完成した。 
なんか四角い胴体の安っぽい飛行機に見える。 
まあいいから飛んでみてよ、テストパイロットをなだめてエンジンを廻す。 
まだスターターなんてないから手まわしだ。 
コンタクトの合図でテストパイロットがスイッチをいれる、ブロン、ブルブロとエンジンが吼えた。  
機体はゆっくりと動き出した。 
そして簡単に飛んでしまった。 飛ぶように作ってあるから当たり前だが。
 簡単に上がってしまったのでパイロットは、なんだいけそうだ、と感じた。 
もうそうなったら急降下、宙返り、インメルマルターン、ヒネリ宙返り、もうこれでもか、の技を披露した。
着陸も何てこと無かった。 
もうすでに実用機であったのだ。 
地面に長さ250メートルほどの囲いを描いた。
 空母の甲板の、つもりだ、発艦は、すんなりイケた。 着艦が大変か、いやこれも何てこと無かった。 
海軍省はあわてて、普通の船の上を取っ払って、やっつけ仕事でとりあえず空母なりの形の船を浮かべた。
 速度は普通の船だから15ノットが精一杯だ。 
おまけに煙がすごい、前がわからない。 で、停船して試した。 
甲板の滑走路は長さ240メートルあった。 
まあ10メートル短いのはパイロットに内緒だった。 
ひどい幹部だが、昔はあたりまえだった。 
でも命が惜しいパイロットはなんとか成功した。 
停船してるから降りるのは楽だった。 
とうとう機動部隊が眼に見えてきた。 
まだどこの国も空母が無い。 
艦上戦闘機も無い、200馬力エンジンが世界の標準の時代だ。 
10年ほど先に進んだ日本だった。
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