ゲームの世界に転生したら、いきなり全滅ルートに突入した件〜攻略知識を活かして、なんとかして生き延びる〜

 二〇〇〇年代前半に発売された美少女ゲーム、『茜色の空、暁の翼』。
 RPGとして良くできていたと評判の高いゲームである。

 詳しい事情は不明だが、彼は気がついたら『茜色の空、暁の翼』のサブキャラとして転生していた。
 
 突然の状況に混乱する以上に、大きな問題があった。

 転生した時間軸が、全滅ルートに突入する直前だったのだ。

 このままでは、大規模な戦争が発生し、物語の舞台となる王国は荒れ果て、最悪ヒロインは全滅する。

 更にいうと、一年以内に自分自身も死んでしまう。
 
 転生先は、マイス・カダントという序盤で退場するサブキャラ。
 戦乱ルートに突入すると「あいつは死んだ」と一行程度で死を表現される儚い運命の存在。

 なんとしても悲劇を回避しなければならない。

 これは一人の男が、ゲーム知識を頼りに、運命に挑む物語。
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