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十五章 大空へ!
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二万四千ハーツプラスで、約束の二十万ハーツ……!
とうとう溜めきったぜ!
「オーナーが、お預かりしているあなたのお金はヘイデン殿へお渡ししてあると仰っていました。
それから──お帰りは、もし怖くなければここの地下通路を使え、と。
旧市街の方へ通じている通路だそうで、あなたに言えば分かるだろうと伺っています」
「……旧市街へ通じる地下通路ぉ?」
俺に言えば分かるっつったって事は、ギルドの救護室から通じてんのと同じ通路って事か?
つーか……もし怖くなければってなんだよ、もし怖くなければって。
ムッとしながら問い返すと、ユークが何も言わずローテーブルの向こう側──上座側に当たる黒ソファーを楽々と動かし、床板を何枚か外してみせる。
そこには──ギルドの救護室、そのベッド下にあった地下通路の入口と同じように、暗くて四角い、深い穴が開いていた。
「………」
俺が呆気に取られてその光景を見ていると、ユークが言う。
「階段の途中、左手壁に電気のスイッチがあるそうです」
言われて──俺はちょっと戸惑いながらも、ユークの前を通って、床に開いた四角い穴を見下ろした。
そこには下へ、長い階段が伸びているんだが……。
上から三段目の左手壁に、確かに何かのスイッチが見える。
俺はふと片眉を上げて、今更ながらに疑問に思う。
そういえばこの地下通路──救護室からの道もそうだが──何で電気なんか張り巡らされてんだろう。
今まで簡単に、『普及しててありがてぇな』ってくらいにしか思ってなかったが、よく考えてみりゃあ、謎だよな。
この通路の存在を知ってんのは、ごく限られた人間だけのハズだ。
当然人の行き来なんかほぼねぇハズだし、通路全体を明るく照らし出す必要もねぇ。
自分の足元や、行く先が見えりゃあいいんだから……本来、松明とか、ランプの灯りくらいで十分なハズだ。
なのに、わざわざ電気を張り巡らせて……
「──どうかされましたか?」
俺が階段を見て止まっているからだろう、ユークが声をかけてくる。
俺はそいつに軽く頭を振って気を取り直し、「いや、」とだけ答えた。
「なんでもねぇ。
それじゃ、俺……行くな。
仕事もそうだけど、俺の武術の稽古まで……忙しいハズなのに、俺の為にわざわざ付き合ってくれてありがとう。
この恩は一生忘れねぇから」
真っすぐユークを見て真剣に言うと、ユークがニヤリとまた悪の司令官じみた笑みを浮かべる。
だが、言った言葉は全然悪じゃなかった。
「──いえ、私もこの十日間、実に楽しかった。
いずれあなたがこの街に戻ってきたらして差し上げたいと思っていた事が、ようやく出来ましたから」
「ユーク……」
何だかじんわりして──俺は鼻の先を片手で軽く擦った。
もし十二年前、ガキの頃の俺がふらっとこの街から立ち去らずにこの街に留まっていたら。
きっと──もっと早い時期にユークに武術の稽古をつけてもらったり、もしかしたらこの十日間のように仕事の手伝いをしたり、なんて日々を送ってたりしてたのかもしれねぇ。
今更過去は変えられねぇが、そいつはなんだか──すごくいい毎日だったんじゃねぇかと思った。
まぁ、もれなくゴルドーの野郎もついてきちまうし、いいことばっかって訳じゃなかっただろうが。
ユークがほんのわずかに温かく笑む。
それから一瞬で声音を切り替えていつも通りの口調で付け足した。
「……けれど。
仕事も武術も、あなたはほんの十日間しかこなせていない。
特に武術は、単なる付け焼き刃でしかありません。
何もしていなかった頃より少しはマシ、という程度の実力である事を肝に命じておく様に。
実力を過信すると痛い目を見ますよ」
「……へ~い」
やんわりと言いつつも、キッチリ釘を刺してくる。
ま、そりゃそんな実力だって事ぐれぇは分かってるけどさ。
別れ際に──しかもちょっと感動しかかってるこの時に──わざわざ言わなくったっていいだろ?
ちょっとむくれてると、ユークがほんの少し柔らかく笑んで見せた。
「──またいつでもいらして下さい。
雑用の仕事もいくらでもある。
武術の稽古もお付き合い致しますよ。
雑用を少し片付けていって下さるのならね」
珍しく冗談めかした口調で言ってくるのに、俺もニヤっと笑って、一言「分かった」と答えた。
そうしてしっかりと懐に大事な十六万九千ハーツが入った茶封筒を入れ、地下通路に繋がる階段を降りる。
三段目のスイッチを押すと、パパパッと奥の方まで電気の明かりがついた。
俺は上を振り返らず、ひらひらっと手を振ってユークに挨拶すると、そのまま先を進み始めた。
電気の安定した明かりが、俺の行く先をしっかりと照らし出してくれていた──。
◆◆◆◆◆
地下通路を抜け、旧市街に出て、そこからひたすら人目に注意しながらヘイデンの家までまっしぐらに進む。
そうしてヘイデンの屋敷前に辿り着いてから──俺はふぅと小さく息をついて辺りに人のいない事を確認し、コンコン、とその屋敷の戸をノックした。
ほとんど間を置かず、玄関口の扉が開く。
俺はその隙間を縫う様にさっと中へ入り込み──そうしてやっとふぅ、と一息ついた。
俺を中に入れてくれた人物──執事のじーさんが苦笑しながらも笑顔で「お勤め、お疲れ様でございました」と俺を労ってくれる。
それから一足遅れて──とととととっと足音を響かせて、
「クッヒー!!」
犬カバが廊下の奥からやって来てびょ~んと跳ね上がり、俺の胸に飛びついて来た。
俺もしっかり犬カバを抱き留めて「犬カバ!」と声を上げた。
なんかしんねぇが、ここまで歓迎されるとは思ってなかったぜ。
犬カバが目をぐちゃぐちゃに潤ませて、「クヒクヒ、クヒ!」と何かを訴えてくる。
何だ何だぁ?
「どーしたんだよ、犬カバ?」
問いかける──と、
「きっと、リッシュと十日間も会えなくって、寂しかったのよ」
奥から、久々の声が聞こえてくる。
その声は──ふんわりと優しく、俺の耳に届いた。
──ミーシャだ。
会えなかったのはほんの数日だけだったってぇのに、何だか随分長い間会えてなかったみてぇな気がする。
ミーシャは犬カバに向かってにっこり微笑んで「そうよね、犬カバ」と話しかける。
犬カバは──何故だかミーシャをそわそわと見つめ、更には俺の方をそわそわと見上げてちょんちょんと二度瞬きをして、最後には格式高い犬みてぇに鼻を上げて「クッヒ」と一つ頷いた。
どーゆう訳か俺の腕の中で居心地悪そうに足をもぞもぞさせてたりしたが。
俺がそいつを問い正そうか──っていう間もなく、ミーシャが「それより、」と俺を見上げていっぱいの微笑みを浮かべて、
「──おかえりなさい、リッシュ」
温かな声で、言う。
そのたった一言で。
俺は何だか胸いっぱいになっちまった。
ミーシャにつられてニッと笑って、
「──ただいま」
こっちも一言で返す。
そーして二人揃って ふふっ、ヘヘッと笑っちまった。
うれしいような、温かいような。
そんないい雰囲気の中を、
「──帰ったか」
ヘイデンがたった一言で邪魔してくる。
いや──よく周りを見てみれば、執事のじーさんも何だかうれしそうに俺とミーシャを見て頷いてるし……どーやら俺が、周りを見てなかっただけらしい。
俺はそいつを誤魔化す様にこほんと一つ咳払いをして犬カバを床に下ろす。
そーして今日ユークにもらったばかりの給料が入った茶封筒をヘイデンの方へ差し出す。
それからヘイデンへ向かって口を開いた。
「──ああ。
もう連絡が入ってるかもしんねぇけど。
ゴルドーがあんたに納めた俺のカジノの賞金と、今日給料でもらった二十万、合わせて一億ハーツ。
これであんたから飛行船を買い取らせてもらうぜ」
自信たっぷりに、我知らずニヤッと笑って、俺は言う。
ヘイデンが──茶封筒を手に取って、こいつもかなり珍しい事に──ふっと笑った。
「──随分長くかかったものだ。
あと少し遅ければゴルドーに売り渡していた所だぞ」
いつも通りに嫌味混じりに言ってくる。
さすが、ヘイデンらしいぜ。
とうとう溜めきったぜ!
「オーナーが、お預かりしているあなたのお金はヘイデン殿へお渡ししてあると仰っていました。
それから──お帰りは、もし怖くなければここの地下通路を使え、と。
旧市街の方へ通じている通路だそうで、あなたに言えば分かるだろうと伺っています」
「……旧市街へ通じる地下通路ぉ?」
俺に言えば分かるっつったって事は、ギルドの救護室から通じてんのと同じ通路って事か?
つーか……もし怖くなければってなんだよ、もし怖くなければって。
ムッとしながら問い返すと、ユークが何も言わずローテーブルの向こう側──上座側に当たる黒ソファーを楽々と動かし、床板を何枚か外してみせる。
そこには──ギルドの救護室、そのベッド下にあった地下通路の入口と同じように、暗くて四角い、深い穴が開いていた。
「………」
俺が呆気に取られてその光景を見ていると、ユークが言う。
「階段の途中、左手壁に電気のスイッチがあるそうです」
言われて──俺はちょっと戸惑いながらも、ユークの前を通って、床に開いた四角い穴を見下ろした。
そこには下へ、長い階段が伸びているんだが……。
上から三段目の左手壁に、確かに何かのスイッチが見える。
俺はふと片眉を上げて、今更ながらに疑問に思う。
そういえばこの地下通路──救護室からの道もそうだが──何で電気なんか張り巡らされてんだろう。
今まで簡単に、『普及しててありがてぇな』ってくらいにしか思ってなかったが、よく考えてみりゃあ、謎だよな。
この通路の存在を知ってんのは、ごく限られた人間だけのハズだ。
当然人の行き来なんかほぼねぇハズだし、通路全体を明るく照らし出す必要もねぇ。
自分の足元や、行く先が見えりゃあいいんだから……本来、松明とか、ランプの灯りくらいで十分なハズだ。
なのに、わざわざ電気を張り巡らせて……
「──どうかされましたか?」
俺が階段を見て止まっているからだろう、ユークが声をかけてくる。
俺はそいつに軽く頭を振って気を取り直し、「いや、」とだけ答えた。
「なんでもねぇ。
それじゃ、俺……行くな。
仕事もそうだけど、俺の武術の稽古まで……忙しいハズなのに、俺の為にわざわざ付き合ってくれてありがとう。
この恩は一生忘れねぇから」
真っすぐユークを見て真剣に言うと、ユークがニヤリとまた悪の司令官じみた笑みを浮かべる。
だが、言った言葉は全然悪じゃなかった。
「──いえ、私もこの十日間、実に楽しかった。
いずれあなたがこの街に戻ってきたらして差し上げたいと思っていた事が、ようやく出来ましたから」
「ユーク……」
何だかじんわりして──俺は鼻の先を片手で軽く擦った。
もし十二年前、ガキの頃の俺がふらっとこの街から立ち去らずにこの街に留まっていたら。
きっと──もっと早い時期にユークに武術の稽古をつけてもらったり、もしかしたらこの十日間のように仕事の手伝いをしたり、なんて日々を送ってたりしてたのかもしれねぇ。
今更過去は変えられねぇが、そいつはなんだか──すごくいい毎日だったんじゃねぇかと思った。
まぁ、もれなくゴルドーの野郎もついてきちまうし、いいことばっかって訳じゃなかっただろうが。
ユークがほんのわずかに温かく笑む。
それから一瞬で声音を切り替えていつも通りの口調で付け足した。
「……けれど。
仕事も武術も、あなたはほんの十日間しかこなせていない。
特に武術は、単なる付け焼き刃でしかありません。
何もしていなかった頃より少しはマシ、という程度の実力である事を肝に命じておく様に。
実力を過信すると痛い目を見ますよ」
「……へ~い」
やんわりと言いつつも、キッチリ釘を刺してくる。
ま、そりゃそんな実力だって事ぐれぇは分かってるけどさ。
別れ際に──しかもちょっと感動しかかってるこの時に──わざわざ言わなくったっていいだろ?
ちょっとむくれてると、ユークがほんの少し柔らかく笑んで見せた。
「──またいつでもいらして下さい。
雑用の仕事もいくらでもある。
武術の稽古もお付き合い致しますよ。
雑用を少し片付けていって下さるのならね」
珍しく冗談めかした口調で言ってくるのに、俺もニヤっと笑って、一言「分かった」と答えた。
そうしてしっかりと懐に大事な十六万九千ハーツが入った茶封筒を入れ、地下通路に繋がる階段を降りる。
三段目のスイッチを押すと、パパパッと奥の方まで電気の明かりがついた。
俺は上を振り返らず、ひらひらっと手を振ってユークに挨拶すると、そのまま先を進み始めた。
電気の安定した明かりが、俺の行く先をしっかりと照らし出してくれていた──。
◆◆◆◆◆
地下通路を抜け、旧市街に出て、そこからひたすら人目に注意しながらヘイデンの家までまっしぐらに進む。
そうしてヘイデンの屋敷前に辿り着いてから──俺はふぅと小さく息をついて辺りに人のいない事を確認し、コンコン、とその屋敷の戸をノックした。
ほとんど間を置かず、玄関口の扉が開く。
俺はその隙間を縫う様にさっと中へ入り込み──そうしてやっとふぅ、と一息ついた。
俺を中に入れてくれた人物──執事のじーさんが苦笑しながらも笑顔で「お勤め、お疲れ様でございました」と俺を労ってくれる。
それから一足遅れて──とととととっと足音を響かせて、
「クッヒー!!」
犬カバが廊下の奥からやって来てびょ~んと跳ね上がり、俺の胸に飛びついて来た。
俺もしっかり犬カバを抱き留めて「犬カバ!」と声を上げた。
なんかしんねぇが、ここまで歓迎されるとは思ってなかったぜ。
犬カバが目をぐちゃぐちゃに潤ませて、「クヒクヒ、クヒ!」と何かを訴えてくる。
何だ何だぁ?
「どーしたんだよ、犬カバ?」
問いかける──と、
「きっと、リッシュと十日間も会えなくって、寂しかったのよ」
奥から、久々の声が聞こえてくる。
その声は──ふんわりと優しく、俺の耳に届いた。
──ミーシャだ。
会えなかったのはほんの数日だけだったってぇのに、何だか随分長い間会えてなかったみてぇな気がする。
ミーシャは犬カバに向かってにっこり微笑んで「そうよね、犬カバ」と話しかける。
犬カバは──何故だかミーシャをそわそわと見つめ、更には俺の方をそわそわと見上げてちょんちょんと二度瞬きをして、最後には格式高い犬みてぇに鼻を上げて「クッヒ」と一つ頷いた。
どーゆう訳か俺の腕の中で居心地悪そうに足をもぞもぞさせてたりしたが。
俺がそいつを問い正そうか──っていう間もなく、ミーシャが「それより、」と俺を見上げていっぱいの微笑みを浮かべて、
「──おかえりなさい、リッシュ」
温かな声で、言う。
そのたった一言で。
俺は何だか胸いっぱいになっちまった。
ミーシャにつられてニッと笑って、
「──ただいま」
こっちも一言で返す。
そーして二人揃って ふふっ、ヘヘッと笑っちまった。
うれしいような、温かいような。
そんないい雰囲気の中を、
「──帰ったか」
ヘイデンがたった一言で邪魔してくる。
いや──よく周りを見てみれば、執事のじーさんも何だかうれしそうに俺とミーシャを見て頷いてるし……どーやら俺が、周りを見てなかっただけらしい。
俺はそいつを誤魔化す様にこほんと一つ咳払いをして犬カバを床に下ろす。
そーして今日ユークにもらったばかりの給料が入った茶封筒をヘイデンの方へ差し出す。
それからヘイデンへ向かって口を開いた。
「──ああ。
もう連絡が入ってるかもしんねぇけど。
ゴルドーがあんたに納めた俺のカジノの賞金と、今日給料でもらった二十万、合わせて一億ハーツ。
これであんたから飛行船を買い取らせてもらうぜ」
自信たっぷりに、我知らずニヤッと笑って、俺は言う。
ヘイデンが──茶封筒を手に取って、こいつもかなり珍しい事に──ふっと笑った。
「──随分長くかかったものだ。
あと少し遅ければゴルドーに売り渡していた所だぞ」
いつも通りに嫌味混じりに言ってくる。
さすが、ヘイデンらしいぜ。
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