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■9月22日(金)
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「ごめん、ちょっと用事思い出しちゃったから、今日のカラオケはパスさせて」
「え、くるり?」
「おい、マジかよー?」
どうしてかはわからないけれど、今は統吾たちと一緒にいる気分にはなれなかった。口の中がパサついて、ねっとりと気持ち悪い。
「ほんとごめん。親に用事頼まれてたの、すっかり忘れちゃってて。次は行くから」
呼び止める声に振り向き、顔の前で両手を合わせる。本当は用事なんてなにもない。でも、カラオケに行っても、どうせ歌いもせずに確実に猿渡と例の彼女の話になるだけだ。
「次は絶対だぞー」
統吾の声を背中に受けつつ、くるりは廊下を歩きはじめた。ここまできてドタキャンはさすがに気まずいし、杏奈をひとりにさせてしまって申し訳なく思う。けれど、猿渡や彼女の見られてしまった居たたまれなさに比べたら、そんなの屁でもないと思い直した。
くるりは思い出していたのだ。
二日前、いつものように統吾たちと放課後の教室で特に意味もなく喋っていると、ちょうどどっと笑いが起きたタイミングで廊下を歩いていた女子ふたり組が立ち止まった。ちらりと目だけを向けると、顔くらいは知っている、隣の隣のクラスの女子だった。
その後、彼女たちは、気を取り直したようにお守りの話をしながら帰っていった。そのときに少しだけ聞こえたのは、これから生地を買いに行こうか、なんていう、この時期の蓮高では珍しくもなんともない話題。
けれど、くるりの目には彼女たちがとてもキラキラして見えて、羨ましかった。
純粋にいいなと思った。可愛い、と。
本命お守りを作りたいと思える相手がいること、赤のギンガムチェックの生地を買いに行けること。それを友達同士で共有し合えること、結果がどうであれ、やりきったと心から満足して当日を迎えられるだろうこと。
もちろん、お守りを作っても渡せないまま終わってしまうこともあるだろう。特にくるりから見て奥側にいた女子は、見るからに内気そうな子だった。でも、それでもいいじゃないかと、くるりは思ったのだ。
――私なんて、なにも頑張ろうとしてないよ。それに比べたら、よっぽど……。
統吾たちは廊下に人がいたことさえ気づかなかったようで、大口を開けてまだ笑い続けていたけれど、そのときのくるりの耳には、もうなんの音も聞こえなかった。
*
「いらっしゃい。ギンガムチェックの生地なら、そこの棚だよ。ゆっくり選んでね」
「あ、いえ……」
「ん?」
「……はい。じゃあ、ちょっとだけ」
適当に歩いていたつもりだったけれど、二日前のことを思い出していたからか、駅へと抜ける商店街にある手芸店へ足が勝手に向かっていた。中へ入ると、蓮高の制服を見た店のおばさんがご丁寧にも生地が置いてある場所を教えてくれ、くるりは仕方なく、その棚の前まで足を進めることにした。
本当は買う気なんてなかった。けれど、ただの冷やかしになるとしても、二日前の女子ふたり組や、今日の陸部の彼女も買っていっただろうその生地を、くるり自身も実際に自分の目で見てみたくなったのだ。
どれだけの思いを込めて縫うのか、どんな思いで縫うのか。実際に生地を見たら私にもなにかわかるかもしれない――淡く、けれど切実な願いがそこには込められている。
「……」
ごくりと唾を飲み込み、恐る恐る生地に手を伸ばす。神社などで売られている実際のお守りのように、蓮高女子が作るそれも手のひらにすっぽり収まるサイズなので、大きな生地である必要はない。『お守りセット』と称して、糸と、飾りに付けるフェルト生地が何色かセットになって売られているそれは、実際に手に取ってみると、とても軽くて驚く。
「この時期になると、みんな買っていくのよねえ。今日なんて、あなたでもう十人目よ。可愛いわよねえ。青春って感じで」
すると、いつの間に隣にいたのか、お守りセットを持つくるりの手元を覗き込むようにして、おばさんが話しかけてきた。
「はあ……」
なんと返したらいいか、とっさにはわからず、曖昧な返事になってしまうと、照れていると思ったのか、おばさんは「おっと、詮索しちゃうのは年を取った証拠ね」と肩を竦めて離れていく。そんなおばさんに、また曖昧に笑顔を返しながら、詮索されるだけマシだよ、とくるりは内心でため息をついた。
生地を見たらなにかわかるかもしれないと思ったけれど、いざ手に取ってみても、実際にはなにもわからなかった。それが切ない。
統吾たちといると、とにかく楽だ。みんなでぬるま湯に浸かっているような安心感が、とても心地いい。でも、それと同じくらい、これでいいのかと焦る。けれど焦ったところで、どこに向かって頑張ったらいいかも、なにを頑張ったらいいかも、くるりはもうわからなくなっていた。もしかしたら、バスケ部を引退するときに、中学を卒業するときに、三年間慣れ親しんだ校舎のどこかに置いてきてしまったのかもしれない。
「すみません、今日はお金持ってなくて」
黙って店を出るのもどうかと思い、レジカウンターに引っ込んでいたおばさんに一声かけてから、手芸店をあとにする。店から数歩離れたところで足を止めると、自分でもびっくりするくらい心臓がドキドキしていて、無性に泣きたい気分になった。思わず制服の上から心臓のあたりをぎゅっと掴む。
……私には買えない。とても買えない。だって、目的なんてひとつもないんだから。
「はあ……」
ひとつ大きく息を吐き出し、宙に視線をさまよわせる。けれどその先には薄汚れた商店街を覆うアーチしか見えなくて、くるりはすぐにローファーのつま先に目を落とした。
「……なにやってんだろ、私は」
ひとりごちて、夕飯時の買い物客でそれなりに賑わっている、田舎らしく少々寂れた商店街を駅へ向かって歩きはじめる。
けれど、周りの賑やかさとは反対に、くるりの足取りはずしりと重かった。嘘をついてカラオケをドタキャンしてしまったこと、偶然ではあるけれど、猿渡と陸部の彼女のやり取りを見てしまったこと。自分自身の中の焦る気持ちとは裏腹に、なにをしたらいいかわからず、それが空回りしていること。
熱くもなりきれず、かといって適当にもなりきれない、この中途半端さ……。
「なんでみんな、あんなに頑張れるんだろ」
買い物客や同じ蓮高の下校生が行き交う商店街を歩きながら、くるりは考える。
私はいったいなにを頑張りたいんだろう。そもそも、どうしてこんなに焦っているんだろうと、くるくる、くるくる、と。
しかし、考えれば考えるだけ頭も胸も、もやもやが溜まっていく。そのうち、統吾たちが来てしまうんじゃないかとはっとしたくるりは、嘘をついた後ろめたさや罪悪感から、逃げるようにして商店街を走り抜けた。
電車に乗っても、もやもやも罪悪感も消えてくれない。車窓からは、首を垂れた黄金色の稲穂が、憎たらしく思えるくらい、風に吹かれて気持ちよさそうに波打っていた。
「え、くるり?」
「おい、マジかよー?」
どうしてかはわからないけれど、今は統吾たちと一緒にいる気分にはなれなかった。口の中がパサついて、ねっとりと気持ち悪い。
「ほんとごめん。親に用事頼まれてたの、すっかり忘れちゃってて。次は行くから」
呼び止める声に振り向き、顔の前で両手を合わせる。本当は用事なんてなにもない。でも、カラオケに行っても、どうせ歌いもせずに確実に猿渡と例の彼女の話になるだけだ。
「次は絶対だぞー」
統吾の声を背中に受けつつ、くるりは廊下を歩きはじめた。ここまできてドタキャンはさすがに気まずいし、杏奈をひとりにさせてしまって申し訳なく思う。けれど、猿渡や彼女の見られてしまった居たたまれなさに比べたら、そんなの屁でもないと思い直した。
くるりは思い出していたのだ。
二日前、いつものように統吾たちと放課後の教室で特に意味もなく喋っていると、ちょうどどっと笑いが起きたタイミングで廊下を歩いていた女子ふたり組が立ち止まった。ちらりと目だけを向けると、顔くらいは知っている、隣の隣のクラスの女子だった。
その後、彼女たちは、気を取り直したようにお守りの話をしながら帰っていった。そのときに少しだけ聞こえたのは、これから生地を買いに行こうか、なんていう、この時期の蓮高では珍しくもなんともない話題。
けれど、くるりの目には彼女たちがとてもキラキラして見えて、羨ましかった。
純粋にいいなと思った。可愛い、と。
本命お守りを作りたいと思える相手がいること、赤のギンガムチェックの生地を買いに行けること。それを友達同士で共有し合えること、結果がどうであれ、やりきったと心から満足して当日を迎えられるだろうこと。
もちろん、お守りを作っても渡せないまま終わってしまうこともあるだろう。特にくるりから見て奥側にいた女子は、見るからに内気そうな子だった。でも、それでもいいじゃないかと、くるりは思ったのだ。
――私なんて、なにも頑張ろうとしてないよ。それに比べたら、よっぽど……。
統吾たちは廊下に人がいたことさえ気づかなかったようで、大口を開けてまだ笑い続けていたけれど、そのときのくるりの耳には、もうなんの音も聞こえなかった。
*
「いらっしゃい。ギンガムチェックの生地なら、そこの棚だよ。ゆっくり選んでね」
「あ、いえ……」
「ん?」
「……はい。じゃあ、ちょっとだけ」
適当に歩いていたつもりだったけれど、二日前のことを思い出していたからか、駅へと抜ける商店街にある手芸店へ足が勝手に向かっていた。中へ入ると、蓮高の制服を見た店のおばさんがご丁寧にも生地が置いてある場所を教えてくれ、くるりは仕方なく、その棚の前まで足を進めることにした。
本当は買う気なんてなかった。けれど、ただの冷やかしになるとしても、二日前の女子ふたり組や、今日の陸部の彼女も買っていっただろうその生地を、くるり自身も実際に自分の目で見てみたくなったのだ。
どれだけの思いを込めて縫うのか、どんな思いで縫うのか。実際に生地を見たら私にもなにかわかるかもしれない――淡く、けれど切実な願いがそこには込められている。
「……」
ごくりと唾を飲み込み、恐る恐る生地に手を伸ばす。神社などで売られている実際のお守りのように、蓮高女子が作るそれも手のひらにすっぽり収まるサイズなので、大きな生地である必要はない。『お守りセット』と称して、糸と、飾りに付けるフェルト生地が何色かセットになって売られているそれは、実際に手に取ってみると、とても軽くて驚く。
「この時期になると、みんな買っていくのよねえ。今日なんて、あなたでもう十人目よ。可愛いわよねえ。青春って感じで」
すると、いつの間に隣にいたのか、お守りセットを持つくるりの手元を覗き込むようにして、おばさんが話しかけてきた。
「はあ……」
なんと返したらいいか、とっさにはわからず、曖昧な返事になってしまうと、照れていると思ったのか、おばさんは「おっと、詮索しちゃうのは年を取った証拠ね」と肩を竦めて離れていく。そんなおばさんに、また曖昧に笑顔を返しながら、詮索されるだけマシだよ、とくるりは内心でため息をついた。
生地を見たらなにかわかるかもしれないと思ったけれど、いざ手に取ってみても、実際にはなにもわからなかった。それが切ない。
統吾たちといると、とにかく楽だ。みんなでぬるま湯に浸かっているような安心感が、とても心地いい。でも、それと同じくらい、これでいいのかと焦る。けれど焦ったところで、どこに向かって頑張ったらいいかも、なにを頑張ったらいいかも、くるりはもうわからなくなっていた。もしかしたら、バスケ部を引退するときに、中学を卒業するときに、三年間慣れ親しんだ校舎のどこかに置いてきてしまったのかもしれない。
「すみません、今日はお金持ってなくて」
黙って店を出るのもどうかと思い、レジカウンターに引っ込んでいたおばさんに一声かけてから、手芸店をあとにする。店から数歩離れたところで足を止めると、自分でもびっくりするくらい心臓がドキドキしていて、無性に泣きたい気分になった。思わず制服の上から心臓のあたりをぎゅっと掴む。
……私には買えない。とても買えない。だって、目的なんてひとつもないんだから。
「はあ……」
ひとつ大きく息を吐き出し、宙に視線をさまよわせる。けれどその先には薄汚れた商店街を覆うアーチしか見えなくて、くるりはすぐにローファーのつま先に目を落とした。
「……なにやってんだろ、私は」
ひとりごちて、夕飯時の買い物客でそれなりに賑わっている、田舎らしく少々寂れた商店街を駅へ向かって歩きはじめる。
けれど、周りの賑やかさとは反対に、くるりの足取りはずしりと重かった。嘘をついてカラオケをドタキャンしてしまったこと、偶然ではあるけれど、猿渡と陸部の彼女のやり取りを見てしまったこと。自分自身の中の焦る気持ちとは裏腹に、なにをしたらいいかわからず、それが空回りしていること。
熱くもなりきれず、かといって適当にもなりきれない、この中途半端さ……。
「なんでみんな、あんなに頑張れるんだろ」
買い物客や同じ蓮高の下校生が行き交う商店街を歩きながら、くるりは考える。
私はいったいなにを頑張りたいんだろう。そもそも、どうしてこんなに焦っているんだろうと、くるくる、くるくる、と。
しかし、考えれば考えるだけ頭も胸も、もやもやが溜まっていく。そのうち、統吾たちが来てしまうんじゃないかとはっとしたくるりは、嘘をついた後ろめたさや罪悪感から、逃げるようにして商店街を走り抜けた。
電車に乗っても、もやもやも罪悪感も消えてくれない。車窓からは、首を垂れた黄金色の稲穂が、憎たらしく思えるくらい、風に吹かれて気持ちよさそうに波打っていた。
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