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96 離れていても
しおりを挟む「暫くの間、公務の為に王宮へ赴く事となった。ルウには学術院で留守を預けたい」
執務室で二人きり。温度の無い声で淡々と告げられた離れ離れの宣告に気付けば殿下の上着の裾をギュッと握りしめていた。そんな私に目を瞬かせた彼が目を細めると腕を広げるから、堪らず胸の中へ飛び込んだ。
ずっとこの温もりを感じていたいと痛むこの胸を締め付ける感情は一体何なのだろう。数多の書籍に胸をときめかせ、恋愛小説のヒロインの様な恋をしてみたいとずっと憧れだけの存在だった想いと同じ……なのだろうか。
見つめ合うだけで胸が高鳴り、指が触れるだけで心が騒めく。彼の声で名を呼ばれるだけでこんなに愛おしいという想いが溢れるなんて事は何一つ知らなかったのに。
「離れるのは、嫌………一人にしないで………」
感情は溢れると勝手に口をついて出てしまうものらしい。そう覚った時には時すでに遅しで。顔を上げるとディミトリ殿下は懊悩の色を浮かべていた。
………まさか、私のたった一言がここまで彼を苦しめるとは思わなかった。余程不愉快だったのか、眉間の皺を深め口元を引き結ぶ表情に忽ち後悔が襲ってくる。
彼の気持ちを軽くし、こんな我が儘を言う鬱陶しい女だと思われない為には、どれだけ離れがたくても気持ちを抑える以外無いだろう。たとえ、どれだけ辛くても嫌われるよりずっとマシなのだから。
「勝手な事を言ってごめんなさい。少し感傷的になっただけ、だから。……私は此処でご公務の成功を心よりお祈り申し上げます」
口角を上げて無理やり笑顔を作ろうとしてみても、唇が戦慄くのを誤魔化せる気がしない。そっと殿下の胸元に顔を埋めて別れの前の温もりを噛みしめていると、頭上で盛大な溜息が零れた。
「ハァ………こんな時にまで強がって取り繕おうとするな。隠れて一人で泣くことは許さない。……素直に寂しいと、恋しくて堪らないと言ってみろ」
一体どの口がそれを言うのか。先程私を拒絶したくせにと今度はムラムラと怒りが湧いてきた。
「好きだから、離れたくないと言ったのよ‼ でも、貴方が困った顔をするから、嫌われたくなくて誤魔化したのに‼………こんな癇癪持ちの馬鹿女なんてどうせ嫌いにな…」
キッと睨みながら怒りをぶつける。こんなはずじゃなかった、もっと綺麗にお別れが言いたかったのにとせめぎ合う想いのままに口にした言葉は最後まで告げることは敵わず、そのまま噛みつくように降って来た唇に吸い込まれる。
驚きのあまり身を捩るも、いつの間にか後頭部に手が添えられていて離れる事が出来ない。
碧の双眸が熱を帯びると、あわいからヌルリと忍び込んだ熱い舌に絡めとられ、成す術もなくただ喘いでしまう。こんな激しい感情を恋だと勘違いした私は愚か者だろう。だって、手が触れるだけではもう満足できない程彼に―――ディーマに溺れているのだから。
私は瞼を閉じると、彼から与えられる熱情にそっと身を委ねたのだった。
濃密で濃厚な時間は瞬く間に過ぎるものらしい。執務室の扉がコンコンとノックされた音で、私達が離れる時がやって来た事を知らされる。
………まさか、口付けだけで体に力が入らなくなるとは想像もしていなかったが。
その場にヘナヘナと崩れ落ちる私を見ると、口角を引き上げたディミトリ殿下は軽々と横抱きでソファーの上に私を運んでくれる。一体なにがそんなに嬉しいのか、鼻歌でも歌いだしそうな上機嫌振りで、横並びに座る彼の余裕綽々といった様子がいやに鼻について思わずムッと口を尖らせた。
「私ばかりが貴方に振り回されて馬鹿みたいだわ。素直になれと言うから口にすれば、いきなり唇を奪って誤魔化されるし!………馬鹿な女だと呆れたのなら、直接言えば良いじゃない」
口づけで誤魔化されてなるものかと頬を膨らませると、てっきり困惑の表情でも浮かべているかと思っていた彼が嬉しそうに笑みを浮かべるから拍子抜けしてしまう。
「呆れるどころか、そこまでルウに想われていた事を知って嬉しくて溜まらん。私が懊悩していたのは、そんなお前を此処に置いて行かねばならない葛藤と戦っていただけの話だ。本音を言えば片時も離したくはないが、此度の外交相手には問題がある。己の欲望のはけ口に見境なく手を伸ばし、その力もある相手がいる場所にルウを伴う危険は冒せない。よもやとは思うが、エビリズ国の時の二の舞になったらと考えるだけで腸が煮え繰り返る。だからこそ、安全な場所で私が戻るのを待っていて欲しいのだ」
頬に手を伸ばしながら真摯な瞳で告げられて、初めて彼の心の内を知った。確かに公に出来る話ではない上、その様な相手では私を連れて行くのが嫌な気持ちも判る。
「それに口付けで誤魔化すなど誤解も甚だしい。頬を上気させ潤んだ瞳で見つめられては我慢も限界だっただけの話だ。真に振り回しているのは一体どちらだろうな。そう言えばあの時『癇癪持ちの馬鹿女じゃどうせ嫌いに』とか言っていた気がするが。まさか私がその程度で気持ちを変える程度の狭量な男だとルウに思われていたとは心外だ。これまで散々想いを伝えてきたつもりだったが、何一つ伝わっていなかった………そう言う事だな?」
言葉は優しいし、笑みを浮かべているものの明らかに目元が不穏の色を浮かべていてドッと背中に冷や汗が吹き出る。
「ソンナコト、ナイワヨ……」
「何故片言なのだ?」
ジリジリと後ずさるもその分だけ距離が詰められ、やがてソファーの端に追い詰められた私は両腕を突っ張り少しでも殿下と離れようとした。しかし、その態度が気に入らなかったのかグイッと身を乗り出した彼に両腕を掴まれ耳元で囁かれる。
「やはり言葉を尽くすだけでは不十分なようだ。この深い愛をお前が理解し、二度と誤解する事のないようにその身に刻みつけようか」
イヤイヤと首を振るのに、なぜ彼はそんなに嬉しそうなのか。何度も唇を啄むディミトリ殿下の蕩けそうな笑みと不埒な動きをする左手のおかげで、私の精神状態は既にギリギリだった。
「お、お忙しいのでは?……先ほどからノックの音も随分としびれを切らしていますし」
「あと僅かぐらい待たせておけ。ルウは私だけを見ていれば良い」
幾度も頬や唇に落とされた唇が次第に首元へ降りていくのを止められるわけもなく、与えられる熱で何も考えられなくなる。ボンヤリした頭で抵抗を止めた時、扉から怒号とガチャガチャという解錠音が響き、首元に顔を埋めていた殿下がチッと忌々しそうに舌打ちするのが聞こえた。
「「殿下っ⁈ 大丈夫でっ……………はっ⁈」」
扉が壊れる勢いを付けて雪崩れ込んで来たシャルルとジョゼルが顔色を青から赤に変えるのは早かった。憤怒の表情を浮かべるシャルルの仁王立ちと、その場で床に蹲り、体を震わせ笑いを堪えているジョゼルの対比が凄い。
「お前たちの気が短いせいで残念ながら未遂だ。もう少し気を利かせれば良いものを」
「~~~っ⁈ 神聖なる学び舎で一体何をするおつもりですか‼ 第一、出立の時刻に遅れたのは殿下でしょう⁈ よもや刺客に襲われたのではと慌てて駆けつけてみれば……まさか所構わずカールに手を出すとは思いませんでしたよ」
「プッ……それは惜しかったですね。施錠してあるし、ノックにも反応が無いので我々も焦って踏み込んだのは失態でした。まあ、喘いでいる真っ最中に踏み込まなかっただけ、いいタイミングだったと思いますが」
ニヤニヤするジョゼルに「これ以上下品な無駄口を叩いたら口元を縫い付けますからね」と氷のような眼差しを向けるシャルルの本気度が怖い。因みに、誰も言及しないけれど私は今もソファーで殿下に組み敷かれたままなのだが。
だから「殿下も出立のお支度を。カールが困っているではありませんか」と溜息交じりにシャルルに言われ、ギシリと軋むソファーから殿下の重みが退いた時には正直ホッとした。
「時間が無いせいでルウに私がどれだけお前を想っているのかを教えることは敵わなかったが……私の帰りを信じて待っていてくれるか?」
これ以上彼を困らせるつもりも、疑う余地もないから素直に頷くと安堵した様に殿下が笑顔を見せるから、私もつられて微笑むことが出来た。行ってらっしゃいとカーテシーをすると、立ち去っていく彼らの背を見ているのが寂しくてそっと目を伏せる。だから、いきなり頭上から「寂しいのですか?」と声が聞こえ反射的に後ずさった。
「……驚いた。シャルルどうしたの? 何か忘れ物かしら?」
「少しだけ貴女と話す時間が欲しくて。やはり離れているのは不安ですか?」
「それは……。不安というより、寂しいかな。殿下に会えないのは勿論、シャルルとジョゼルにも暫く会えないのだもの。ハァ……手紙のやり取りも殿下に禁じられたし、一人蚊帳の外に置かれるのは孤独よねぇ」
「私に会えないのも寂しいと思ってくれるのですね。確かに私も貴女に日々癒されないのは寂しいですよ。暫くの間、周囲を取り囲むのが色ボケした殿下と理不尽で傲慢な外交相手だけというのも不安で、精神的疲労が凄そうだ」
「その言い方……フフフ。きっと貴方なら大丈夫よ。でも疲労の蓄積で疲れたら休日に合間を見て学術院へ顔を出して欲しいわ。おしゃべりしたり、触れ合ったりするだけで随分と心が軽くなると本に書いてあったし。私のボンヤリ顔一つで癒されてくれるなら、いつでもお相手するわよ」
「今も殿下の暴挙に晒されて疲労蓄積が凄いんですよ。触れ合って軽減するという方法を試してみても宜しいですか?」
確かにシャルルの顔には隈が出来ている。既にお茶を楽しむ暇さえないから、お喋りだけで済ませるつもりだと思っていただけに意表を突かれ、咄嗟に頷くと彼にギュッと抱きしめられる。
「はっ⁈ ………ちょっと、シャルル⁈ あなた一体何を……」
「シッ、少し黙ってこうしていて下さい。………ハァ、確かにこれは効果がありそうだ」
肩口に顔を埋め、絹糸の様な銀糸がサラリと首筋に触れるのがくすぐったくて堪らない。でも殿下の様に手が不埒な動きをする訳では無いので、黙って彼の背中に腕を回す。時間にしたらほんの僅か、恐らく四半刻にも満たない触れ合いに満足したのかシャルルが体を離した。
「ありがとうございます。これだけで随分と気持ちが軽くなりました。また帰ってきた時にもこうして触れ合っても構いませんか?」
「フフ良いわ。でも貴方が疲れを貯めこまない方が一番良いのよ?無理はしないで」
行ってらっしゃいと声を掛けると、いきなり顰め面を晒したシャルルから「この人誑し振りでは殿下が不安のあまり痕を付けた気持ちも判りますよ。貴方の左鎖骨付近に所有印を付けられています。取り敢えず全てのボタンを留め、クラヴァットをキッチリ締め直しなさい」とトンッと直に指で触れられる。………まさか、一体いつの間に…羞恥のあまり顔に熱が集まるも、慌てて開けていたシャツを掻き合わせるとシャルルが困ったような顔で微笑んだ。
「恐らくジョゼルは気づいていませんし、そんな顔をしないで。担任には『カールは朝から体調不良で医務室で休んでいる』と伝えてありますから、火照りが冷めるまでは此処を使用しても構いませんよ」
左手を出すように促され、乗せられたのは執務室の金色の鍵だった。
「この鍵は我々が戻るまで貴方に預けておきます。貴方も寂しい時はこの部屋で心を落ち着けなさい。偶には一人の時間も必要でしょう」
優しい瞳でそう告げると足早に立ち去っていくシャルルを見送る。手の中にある鍵をギュッと握りしめると、また先ほどのディミトリ殿下との最後の時間ばかりが思い出されるから益々顔が熱くなってしまう。どうやら今しばらくの間、顔の火照りは冷めそうになかった。
鏡の前で身支度を整え、殿下の付けた鬱血後が完全に見えない事を確認してから執務室を出たのは一限が終わる頃だった。ディミトリ殿下の色気に宛てられたせいで時間は掛かったものの、表面上は取り作った顔で職員室を覘くと私に気付いた担任教師が「おお」と手を上げる。
「カール、もう大丈夫なのか? 今朝はお前に続きマリアーナ聖女まで倒れるから授業にならなくてな。二限目も自習の予定だから、無理せずもう少し医務室に居ても良いぞ」
「えっ⁈ マリアーナが倒れたんですか⁈」
「ああ。急な王宮への召喚命令で気が動転したらしく、卒倒したもののルイスが医務室へ付き添ったから問題ない。目覚めて直ぐに迎えの馬車で王宮へ出向いたぐらいだから大丈夫だとは思うが」
カールも医務室にいたから知っているだろう?まあ、薬が効いて眠っていたら気づかないか、と勝手に結論付けると「だから暫くの間、寮部屋も一人暮らしだな。ルイスの休学手続きはシャルルがしていったからお前は気にしなくて良いぞ」と笑う担任に思わず頭を抱えたくなる。
確かにマリアーナは聖女としてのお役目がある。だから、今回の外交に携わっている可能性は十二分にあるけれど、一体何故ルイスまで同行する羽目になったのか。
「そんな事を俺達が知るわけ無いだろうが。召喚状にもしっかりルイス・ティーセルの名前が記載されていて、全員の公務特別休暇申請手続きも済んでいるから間違いない。何時まで掛かるか判らない案件だと聞いているし、下手をすれば卒業式典頃まで戻れないかもな」
疑問に対する答えがこれでは到底納得できるものではない。しかし、これ以上食い下がっても答えが得られるはずもないと顔を青ざめさせ、考えを巡らせていると「顔色がどんどん悪くなっているぞ。やっぱり医務室で休んだ方が良いんじゃないか」との担任の一声で大切な存在を思い出した。
ディートハルト先生なら、詳しい事情を把握しているに違いない、と。
「何だか具合が悪くなってきた気がします。医務室に行っても良いですか?」
「ああ、無理せず休め。俺の方で二限の………」
担任が何か喋っていたが、今はそれどころではない。踵を返し、脱兎のごとく廊下を駆け抜ける私の姿に「あれだけ元気なら、心配はいらんな」と苦笑いを浮かべていた事等知る由もなかった。
「ディートハルト先生!王宮に滞在している外交相手って誰なんですかっ⁈」
息せき切って医務室の扉を開けると、苦り切った顔をしたディートハルト先生からゴツンと手加減一切なしの拳骨をお見舞いされ、そのまま猫の子の様に首根っこを掴んで室内に招き入れられた。
あまりの痛みに床を転がりながら悶絶していると「此処は治療を必要とする者以外立ち入り禁止だ」と溜息を零される。
「……たった今、先生の拳骨のせいでたんこぶが出来た怪我人ですが?治療して下さい」
唇を尖らせて不平を垂れるとタオルが顔に投げつけられるあたり扱いが酷いと思う。
「それを濡らして冷やせば平気だろうが。サッサと出ていけ」と犬猫を追い払うようにシッシと手を振られるも、無視して濡れタオルを作ってから頭の上に乗せる。
「腫れが引くまでの間は此処にいる権利がありますよね。ところで今朝の召喚状でいきなり殿下やマリアーナのみならずルイスまで王宮に向かった理由はなんですか?殿下から伺った話を鑑みるに、相当厄介な相手のようですが」
勝手に先生の真向いの椅子に陣取ったものの、如何やら無視を決め込むつもりらしく書類から目を上げない先生に舌打ちが出そうになる。
「如何やら相当な権力の持ち主で、己の欲望のはけ口の為ならマリアーナにだって手を出しかねない危険人物みたいじゃないですか。それと分かっていて彼女やルイスを召喚したのだとすれば、些か軽率な振る舞いに思えます」
ここまで言っても一言も反応しようとはしない彼の態度にこれでは埒が明かないと腰を上げた。
「……お忙しいところにお邪魔して申し訳ありませんでした。もっと…別の誰かに聞くか、私が直接王宮へ出向くのも良いかもしれませんね」
「お前は王宮への一切の接触を禁じられているはずだろう?」
漸く顔を上げてこちらを見た先生に「ええ。でも先生が教えて下さらないのだから仕方ありませんよ。もしかしたら噂の外交のお相手にも会えるかもしれないし」と挑発的に微笑みかけると、蟀谷を押さえながら「ディミトリにまた嫌味を言われるな。アイツはなんでこんなじゃじゃ馬娘に惚れてるんだよ」と溜息を吐いた。
「チッ……判ったよ。教えるから大人しくしていると約束しろ」
その言葉に頷くと、ゲッソリとした面持ちを浮かべたディートハルト先生が机の引き出しから取り出したのは世界地図だった。
その一点を指さすと「此度の外交相手国はバルディーノ教皇庁だ」と声を潜める。
―――聞き覚えのあるその名は、世界中の新興宗教の祖であり源と称えられる教皇聖座が存在する宗教国家だ。生活に困窮する信者には手を差し伸べ、教会に持ち込まれるあらゆる揉め事にも神の名のもとに遂行するだけの権力もある。当然、聖女教会もバルディーノ教皇庁に与している訳だが…。
「バルディーノ教皇直々にお出ましになって『聖女の力を国家権力で手中に納めんとするのであれば、我らは神の名のもとに彼女をお救いせねばならぬ。一度お目通り願いたい』と言い出したんだ」
………如何やら、マリアーナは大変な人物に目を付けられてしまったようだ。
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