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ゲーム終盤
またまた救出しなきゃで引きこもれない!②
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「よいしょっと」
慣れた手順でハルを背中に背負う。風魔法での補助も、一度ルカを背負った時にやっているので扱いも上手くなった気がする。
そのまま入口まで出来るだけ早く移動する。そろそろ夕暮れなのに、この状況でモンスターと対峙するのは嫌すぎるもんね。
入口の光が見えてきてホッとしたところで、嫌な物音がした。後ろを振り向くと、今来た道の奥からキラリと光る赤い目玉……大きいのが四つ、真ん中に小さいのが四つ……合わせて八つ。
全身に鳥肌が立つ。もしかして、あれじゃないよね? そうだったら違う意味で無理なんだけど!!
私のそうじゃなくあって欲しいは脆くも崩れ去り、魔法の炎が照らし出したのは二メートルほどの巨大な蜘蛛だった。
「…………!!!!!」
恐怖のあまり、声も出ない。私、蜘蛛が大っ嫌いなんですよおぉ!! 茜から、無理なんですぅぅぅ!!!
その場に固まってしまった私に向かって、どんどんモンスターが近づいてくる。このまま足が動かなければ、私だけでなくハルまで危険にさらす事に……! でも、焦れば焦るほど動かない足……
怖い、あんなの無理! 怖い! 誰か……! でも何とかハルだけでも助けたい!
固まっている間に、蜘蛛のモンスターは暗がりの中でも足に生えた毛の一本一本が見える距離まで迫ってきていた。
巨大な四本の前脚が洞窟の壁に張り付き、残りの後ろ四本で立ち上がるような恰好になると、腹側があらわになり相当な気持ち悪さだ。ひえぇ、なんだか人の顔が浮かんでませんか? その腹側。
腹の先から噴射される糸……そのあたりで何とか保っていた意識が薄れそうになった。もうだめと思ったところで、噴射された糸が目の前で散った。
「大丈夫? クロエさん」
大ピンチのところで、助けてくれたのはすんでのところで意識を取り戻したハルだった。私の背中越しから美しい笑顔を見せてくれる。
さすが公式の「行動が男前キャラ投票ナンバーワン」に輝いた男! 目覚めるタイミングが男前すぎる!
ハルが咄嗟に結界を貼ってくれたおかげで攻撃を受けずに済んだ。私の意識もイケメンの笑顔で癒されて、ほとんど出かかっていたエクトプラズムがちょっとだけ戻ってきた。
「ありがとう。私、ハルを助けに来たのに助けられちゃったね」
「ううん、ボクの方こそ。意識を失ってるなんて……情けないよね」
「そんなこと……ハルはアメリアを守ってくれたんだから……」
「危ない!」
とにかく蜘蛛の方を見たくなくてハルを眺めていたら、また大蜘蛛が攻撃を繰り出してきた。
「ハル、動ける?」
「うん。大丈夫」
ハルが私の背中から降りて結界を維持してくれている間に、魔法を構築し蜘蛛にぶつける。
「ヒートブレス!」
真っ赤な炎が巨大な蜘蛛を包み込む。思いっきり魔法力を込めたから、丸焦げだろうなーと思うんだけど、見たくないの! 出来上がった蜘蛛の丸焼きなんて。
とにかく発動を出来る限り続けて、ハルに声をかけられるまでもうモンスターが黒焦げどころか灰になって消えてしまった事も気が付かなかった。
「うええええ、怖かったー!」
その場にへたり込む私に、ハルは同じ目線になるようしゃがみ込んで、よしよしと頭を撫でてくれる。
ハルは「本当にありがとう」と言ったあと、私のおでこに自分のおでこをこつんと当てた。その場がフリーズし花が舞い散る。スチルだ。
きれいな長いまつ毛や肌が目の前に……しかも覗き込まれている格好でフリーズしているものだから、吸い込まれそうな黄金色の瞳から目が離せない。間違いなくこれ、顔が真っ赤になってると思う。凄い勢いで体温が上がるのを感じるもん。そんな中で何とか言葉を絞り出した私、えらい。
「いいえ、私は当然の事をしたまでですわ」
スチルが解除されると同時に、私の頬をハルがいきなりつねる。
「いひゃい」
「ボクたち二人きりの時は、お嬢様言葉は封印。……でしょ?」
ふふっと笑うハルにつられて、私も笑う。ひとしきり笑って洞窟から出ると、明るい場所で改めてハルの髪が短い事に気が付き、ショックを受けてしまった。もう切られてしまった髪を見ただけでもこんなに心が締め付けられるのに、髪を切られる瞬間を目撃してしまったアメリアのショックは相当なものだと思う。
「ハル……その髪……」
「ん? ああ。ホントだ。軽いと思ったらなんか短くなってるね?」
「誘拐犯に立ち向かった時に事故で切れたと聞いたけど……大丈夫?」
「なにが?」
「ショックじゃないの?」
「うーん? 願掛けしてたとかじゃないし、ボクは自分の容姿を理解してるから……髪が長い方がお店に女性のお客様が来やすいかなーくらいの軽いノリで伸ばしてただけだしね? そんなには」
「よかったあ」
「なんか、余計な心配かけてゴメン」
「ううん。でも、本当に何事も無くて良かった」
「あーあ。もう少しモンスターが襲ってこなかったら、クロエさんの背中を独占できたのにな。勿体なかったなー」
そんな軽口が言えるくらいなら大丈夫だねと笑って――凄く迷ったけど――今しかないかなと、誕生パーティーの招待状を渡すと、ハルは喜んで受け取ってくれた。
「体調に異変があったら無理して出席しないでね」
「クロエさんが回復してくれたんでしょ? すこぶる調子はいいし、行かない選択肢はないよ」
そんなちょっとした雑談をしながら湖畔の小屋まで戻ると、そこは思わぬ地獄絵図と化していた。
ミッションコンプリートしたし、もうそろそろ家に戻って引きこもりたいんですけど……まだダメですか?
慣れた手順でハルを背中に背負う。風魔法での補助も、一度ルカを背負った時にやっているので扱いも上手くなった気がする。
そのまま入口まで出来るだけ早く移動する。そろそろ夕暮れなのに、この状況でモンスターと対峙するのは嫌すぎるもんね。
入口の光が見えてきてホッとしたところで、嫌な物音がした。後ろを振り向くと、今来た道の奥からキラリと光る赤い目玉……大きいのが四つ、真ん中に小さいのが四つ……合わせて八つ。
全身に鳥肌が立つ。もしかして、あれじゃないよね? そうだったら違う意味で無理なんだけど!!
私のそうじゃなくあって欲しいは脆くも崩れ去り、魔法の炎が照らし出したのは二メートルほどの巨大な蜘蛛だった。
「…………!!!!!」
恐怖のあまり、声も出ない。私、蜘蛛が大っ嫌いなんですよおぉ!! 茜から、無理なんですぅぅぅ!!!
その場に固まってしまった私に向かって、どんどんモンスターが近づいてくる。このまま足が動かなければ、私だけでなくハルまで危険にさらす事に……! でも、焦れば焦るほど動かない足……
怖い、あんなの無理! 怖い! 誰か……! でも何とかハルだけでも助けたい!
固まっている間に、蜘蛛のモンスターは暗がりの中でも足に生えた毛の一本一本が見える距離まで迫ってきていた。
巨大な四本の前脚が洞窟の壁に張り付き、残りの後ろ四本で立ち上がるような恰好になると、腹側があらわになり相当な気持ち悪さだ。ひえぇ、なんだか人の顔が浮かんでませんか? その腹側。
腹の先から噴射される糸……そのあたりで何とか保っていた意識が薄れそうになった。もうだめと思ったところで、噴射された糸が目の前で散った。
「大丈夫? クロエさん」
大ピンチのところで、助けてくれたのはすんでのところで意識を取り戻したハルだった。私の背中越しから美しい笑顔を見せてくれる。
さすが公式の「行動が男前キャラ投票ナンバーワン」に輝いた男! 目覚めるタイミングが男前すぎる!
ハルが咄嗟に結界を貼ってくれたおかげで攻撃を受けずに済んだ。私の意識もイケメンの笑顔で癒されて、ほとんど出かかっていたエクトプラズムがちょっとだけ戻ってきた。
「ありがとう。私、ハルを助けに来たのに助けられちゃったね」
「ううん、ボクの方こそ。意識を失ってるなんて……情けないよね」
「そんなこと……ハルはアメリアを守ってくれたんだから……」
「危ない!」
とにかく蜘蛛の方を見たくなくてハルを眺めていたら、また大蜘蛛が攻撃を繰り出してきた。
「ハル、動ける?」
「うん。大丈夫」
ハルが私の背中から降りて結界を維持してくれている間に、魔法を構築し蜘蛛にぶつける。
「ヒートブレス!」
真っ赤な炎が巨大な蜘蛛を包み込む。思いっきり魔法力を込めたから、丸焦げだろうなーと思うんだけど、見たくないの! 出来上がった蜘蛛の丸焼きなんて。
とにかく発動を出来る限り続けて、ハルに声をかけられるまでもうモンスターが黒焦げどころか灰になって消えてしまった事も気が付かなかった。
「うええええ、怖かったー!」
その場にへたり込む私に、ハルは同じ目線になるようしゃがみ込んで、よしよしと頭を撫でてくれる。
ハルは「本当にありがとう」と言ったあと、私のおでこに自分のおでこをこつんと当てた。その場がフリーズし花が舞い散る。スチルだ。
きれいな長いまつ毛や肌が目の前に……しかも覗き込まれている格好でフリーズしているものだから、吸い込まれそうな黄金色の瞳から目が離せない。間違いなくこれ、顔が真っ赤になってると思う。凄い勢いで体温が上がるのを感じるもん。そんな中で何とか言葉を絞り出した私、えらい。
「いいえ、私は当然の事をしたまでですわ」
スチルが解除されると同時に、私の頬をハルがいきなりつねる。
「いひゃい」
「ボクたち二人きりの時は、お嬢様言葉は封印。……でしょ?」
ふふっと笑うハルにつられて、私も笑う。ひとしきり笑って洞窟から出ると、明るい場所で改めてハルの髪が短い事に気が付き、ショックを受けてしまった。もう切られてしまった髪を見ただけでもこんなに心が締め付けられるのに、髪を切られる瞬間を目撃してしまったアメリアのショックは相当なものだと思う。
「ハル……その髪……」
「ん? ああ。ホントだ。軽いと思ったらなんか短くなってるね?」
「誘拐犯に立ち向かった時に事故で切れたと聞いたけど……大丈夫?」
「なにが?」
「ショックじゃないの?」
「うーん? 願掛けしてたとかじゃないし、ボクは自分の容姿を理解してるから……髪が長い方がお店に女性のお客様が来やすいかなーくらいの軽いノリで伸ばしてただけだしね? そんなには」
「よかったあ」
「なんか、余計な心配かけてゴメン」
「ううん。でも、本当に何事も無くて良かった」
「あーあ。もう少しモンスターが襲ってこなかったら、クロエさんの背中を独占できたのにな。勿体なかったなー」
そんな軽口が言えるくらいなら大丈夫だねと笑って――凄く迷ったけど――今しかないかなと、誕生パーティーの招待状を渡すと、ハルは喜んで受け取ってくれた。
「体調に異変があったら無理して出席しないでね」
「クロエさんが回復してくれたんでしょ? すこぶる調子はいいし、行かない選択肢はないよ」
そんなちょっとした雑談をしながら湖畔の小屋まで戻ると、そこは思わぬ地獄絵図と化していた。
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