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ゲーム中盤
お料理指南で引きこもれない!②
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推し活は浮気ではない!と、誰にも責められていないけど何となく心の中で言い訳をして、キャメル邸に入る。
案内されるままにリビングに通されると、シモンからしばらくここで待機するように言われ、テーブルセットのソファに座った。
見た目は質素だけど、座ると分かる高級ソファー。
華美ではないけれどきちんと整えられた調度品から「シモン様はセンスがいいなぁ」と感心する。
ほどなくして、シモンがお茶とお菓子を持って現れた。
使用人ではなく自分で持って来ることに驚くと、シモンは照れながら話す。
「私はあまり人の世話になるのが好きではないのです。流石に城に常駐している間は使用人に家を任せていますが、私が休みの日はできるだけ使用人には休日を取らせているのですよ」
「そうなのですね。では、今日は私とシモン様だけということですの?」
「いえいえ。流石に本日は大切なスカーレット卿のお嬢様をお預かりするのですから、使用人を控えさせていますよ。
私がお呼びしたのですから、おもてなしは自らがしたいと思ったのですが……かえって気を使わせてしまったでしょうか。
なにせ、普段から男所帯ですから、気遣いができず申し訳ありません」
「そんな! 謝らないでくださいませ。シモン様のあまりの手際の良さに感心していましたの。やはり……」
「どうかされましたか?」
「いえ。このミントティー、とても良い香りですわね」
「やはり彼女のために」と、危うくシモンの過去について話題をふりそうになり、慌てて誤魔化した。
シモンには、結婚を約束した女性が居たのだけど、まだ近衛隊に就任したばかりの頃に賊に襲われ、彼女を失っている。
賊は、シモンの人の良さに漬け込み、使用人に紛れ込んで金品を略奪しようとした。たまたま訪れていた彼女が現場を目撃し、ひどい傷を負ってしまった。
彼女の養生のために、郊外に屋敷を買って移り住み献身的に介抱したものの、容体は元に戻らず帰らぬ人となる。
金髪・碧眼の最愛の人に似た容姿の、芯の強いアメリアに次第に心を奪われていく……というのが、公式の正規ルートだ。
この話を私が知っているのはおかしいので、途中で話を止めることができた自分を褒めたい。
私はシモン様の元彼女に容姿はまるで似ていないし、クロエに惹かれていくポイントが全く分からないけど……シナリオ的に何かはあるのよね、きっと。
お茶に口を付け、出されたお茶菓子をひとついただく。
サクっとはじける食感、甘すぎない味がミントティーに良く合う。
「このラングドシャ、シモン様が焼かれたのでしょうか?」
「ええ。クロエ様の腕にかないますか……お恥ずかしいですが、いただいたミントティーに合うものをと朝から作ってみました。お口に合いましたか?」
「ええ! 本当に美味しいですわ! ラングドシャなんて作るのが難しいお菓子ですのに、素晴らしい焼き加減ですわ」
私が喜ぶのを見て、ふっと笑ったシモンの顔は、普段のビシっとした姿からは想像ができないほど穏やかだ。
思わずドキっとしてしまう。
ドキってなによ、ドキって!!!
この笑顔をスチルとして残しておけないとは……脳裏にしっかり焼き付けておかないと。
始終和やかなティータイムが終わると、ゼリー作りについて指南する流れとなる。
そうだった、私はゼリーを作りに来たのであって、シモン様との楽しいお茶会をしに来たんじゃない!
自分で自分の両頬をパチンと叩いて気合いを入れる。
シモンがお茶を片付ける間だったので、誰にも見られていないと思う。
キッチンへ案内される前に、ゼリーについて話をすると、どんな物とも相性が良いゼリーにシモンは興味津々のようだった。
特に組み合わせとして良い食材についても、しっかりメモを取っているあたり流石だ。
「では、実際に作ってみますわ。こうして材料もお持ちしましたし」
バスケットを持ち上げて見せると、シモンはすっかり料理人の顔になっていた。
今から新しいレシピを覚えられることにワクワクしているという様子だ。
「ではクロエ様、こちらに。狭いキッチンですが」
案内されたキッチンは、クロエの家のものと比べると手狭だけれど、普通に広い。
今日持ってきた果物はオレンジとぶどう。
どちらも作り方は絞ったり煮たりするだけなので簡単だ。
「いかがかしら? 工程はとても簡単だと思います。材料も少なくて作りやすいお菓子ですの。
水だけで作る水ゼリーならお好みの蜜を付けて食べれば、食べる方の好みを考える必要はありませんし、珈琲や紅茶を使っても美味しいですわよ?」
「水!? 水だけで作ることなどできるのですか?」
「ええ。過度な味つけをしないので、病人で水分を飲み込みにくい方の水分補給にも使えますわね」
「水でそのような……一度それも作ってみてもよろしいでしょうか?」
水ゼリーに興味を持ったシモンがやたらグイグイ来るので、ちょっとドヤった私は色んなゼリーの応用を指南していった。
「シモン様、調子に乗って沢山作ってしまいましたけれど、この数どうされますの?」
「明日、近衛隊メンバーで試食会を行おうと思っています。現在、病気やケガをしている者が食べやすいかどうか意見を聞きたいですから。よろしいでしょうか?」
「もちろんですわ。皆様のお力になれるなら、私も嬉しいですわ。
それはそうと、シモン様。せっかく水ゼリーを作ったのだから、きな粉と黒蜜があると嬉しいのですけれど」
「きな粉と黒蜜とは何でしょうか? はじめて聞きます」
「ああ、そうですわね……きな粉は大豆を粉にしたもので、黒蜜は砂糖と水を煮詰めたシロップですわね」
「ほう。それは初めて聞くものですね。ぜひ作ってみたいです」
シモンが興味津々で食材を用意してくれたので、私が大豆を炒っている間にシモンが黒蜜を作ることになった。
水と砂糖を煮詰めるだけだけど、煮詰めすぎるとキャラメルみたいに固まってしまうので加減が難しい。
お料理上手のシモンはアクを取るのも上手で安心してお任せできた。
炒った大豆はすり鉢ですりつぶすのだけど、こちらも腕っぷしの強いシモンがやってくれたので助かった。
ミキサーがあれば楽なんだけどなぁと、すり鉢を支える手に思わず力が入ってしまって、何もしていないのに私も少し疲れてしまった。
急に思い立った割に、上手に出来上がったので今すぐ食べたい欲求を我慢し、ゼリーが出来上がるまでの間はシモンからは色んな話を聞くことができた。
案内されるままにリビングに通されると、シモンからしばらくここで待機するように言われ、テーブルセットのソファに座った。
見た目は質素だけど、座ると分かる高級ソファー。
華美ではないけれどきちんと整えられた調度品から「シモン様はセンスがいいなぁ」と感心する。
ほどなくして、シモンがお茶とお菓子を持って現れた。
使用人ではなく自分で持って来ることに驚くと、シモンは照れながら話す。
「私はあまり人の世話になるのが好きではないのです。流石に城に常駐している間は使用人に家を任せていますが、私が休みの日はできるだけ使用人には休日を取らせているのですよ」
「そうなのですね。では、今日は私とシモン様だけということですの?」
「いえいえ。流石に本日は大切なスカーレット卿のお嬢様をお預かりするのですから、使用人を控えさせていますよ。
私がお呼びしたのですから、おもてなしは自らがしたいと思ったのですが……かえって気を使わせてしまったでしょうか。
なにせ、普段から男所帯ですから、気遣いができず申し訳ありません」
「そんな! 謝らないでくださいませ。シモン様のあまりの手際の良さに感心していましたの。やはり……」
「どうかされましたか?」
「いえ。このミントティー、とても良い香りですわね」
「やはり彼女のために」と、危うくシモンの過去について話題をふりそうになり、慌てて誤魔化した。
シモンには、結婚を約束した女性が居たのだけど、まだ近衛隊に就任したばかりの頃に賊に襲われ、彼女を失っている。
賊は、シモンの人の良さに漬け込み、使用人に紛れ込んで金品を略奪しようとした。たまたま訪れていた彼女が現場を目撃し、ひどい傷を負ってしまった。
彼女の養生のために、郊外に屋敷を買って移り住み献身的に介抱したものの、容体は元に戻らず帰らぬ人となる。
金髪・碧眼の最愛の人に似た容姿の、芯の強いアメリアに次第に心を奪われていく……というのが、公式の正規ルートだ。
この話を私が知っているのはおかしいので、途中で話を止めることができた自分を褒めたい。
私はシモン様の元彼女に容姿はまるで似ていないし、クロエに惹かれていくポイントが全く分からないけど……シナリオ的に何かはあるのよね、きっと。
お茶に口を付け、出されたお茶菓子をひとついただく。
サクっとはじける食感、甘すぎない味がミントティーに良く合う。
「このラングドシャ、シモン様が焼かれたのでしょうか?」
「ええ。クロエ様の腕にかないますか……お恥ずかしいですが、いただいたミントティーに合うものをと朝から作ってみました。お口に合いましたか?」
「ええ! 本当に美味しいですわ! ラングドシャなんて作るのが難しいお菓子ですのに、素晴らしい焼き加減ですわ」
私が喜ぶのを見て、ふっと笑ったシモンの顔は、普段のビシっとした姿からは想像ができないほど穏やかだ。
思わずドキっとしてしまう。
ドキってなによ、ドキって!!!
この笑顔をスチルとして残しておけないとは……脳裏にしっかり焼き付けておかないと。
始終和やかなティータイムが終わると、ゼリー作りについて指南する流れとなる。
そうだった、私はゼリーを作りに来たのであって、シモン様との楽しいお茶会をしに来たんじゃない!
自分で自分の両頬をパチンと叩いて気合いを入れる。
シモンがお茶を片付ける間だったので、誰にも見られていないと思う。
キッチンへ案内される前に、ゼリーについて話をすると、どんな物とも相性が良いゼリーにシモンは興味津々のようだった。
特に組み合わせとして良い食材についても、しっかりメモを取っているあたり流石だ。
「では、実際に作ってみますわ。こうして材料もお持ちしましたし」
バスケットを持ち上げて見せると、シモンはすっかり料理人の顔になっていた。
今から新しいレシピを覚えられることにワクワクしているという様子だ。
「ではクロエ様、こちらに。狭いキッチンですが」
案内されたキッチンは、クロエの家のものと比べると手狭だけれど、普通に広い。
今日持ってきた果物はオレンジとぶどう。
どちらも作り方は絞ったり煮たりするだけなので簡単だ。
「いかがかしら? 工程はとても簡単だと思います。材料も少なくて作りやすいお菓子ですの。
水だけで作る水ゼリーならお好みの蜜を付けて食べれば、食べる方の好みを考える必要はありませんし、珈琲や紅茶を使っても美味しいですわよ?」
「水!? 水だけで作ることなどできるのですか?」
「ええ。過度な味つけをしないので、病人で水分を飲み込みにくい方の水分補給にも使えますわね」
「水でそのような……一度それも作ってみてもよろしいでしょうか?」
水ゼリーに興味を持ったシモンがやたらグイグイ来るので、ちょっとドヤった私は色んなゼリーの応用を指南していった。
「シモン様、調子に乗って沢山作ってしまいましたけれど、この数どうされますの?」
「明日、近衛隊メンバーで試食会を行おうと思っています。現在、病気やケガをしている者が食べやすいかどうか意見を聞きたいですから。よろしいでしょうか?」
「もちろんですわ。皆様のお力になれるなら、私も嬉しいですわ。
それはそうと、シモン様。せっかく水ゼリーを作ったのだから、きな粉と黒蜜があると嬉しいのですけれど」
「きな粉と黒蜜とは何でしょうか? はじめて聞きます」
「ああ、そうですわね……きな粉は大豆を粉にしたもので、黒蜜は砂糖と水を煮詰めたシロップですわね」
「ほう。それは初めて聞くものですね。ぜひ作ってみたいです」
シモンが興味津々で食材を用意してくれたので、私が大豆を炒っている間にシモンが黒蜜を作ることになった。
水と砂糖を煮詰めるだけだけど、煮詰めすぎるとキャラメルみたいに固まってしまうので加減が難しい。
お料理上手のシモンはアクを取るのも上手で安心してお任せできた。
炒った大豆はすり鉢ですりつぶすのだけど、こちらも腕っぷしの強いシモンがやってくれたので助かった。
ミキサーがあれば楽なんだけどなぁと、すり鉢を支える手に思わず力が入ってしまって、何もしていないのに私も少し疲れてしまった。
急に思い立った割に、上手に出来上がったので今すぐ食べたい欲求を我慢し、ゼリーが出来上がるまでの間はシモンからは色んな話を聞くことができた。
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