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ゲーム序盤
効率が悪くて引きこもりたい
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翌朝、ベッドの中でまだクロムショックから立ち直れない私は、布団を頭からかぶり悶絶していた。
推し担が変わってしまうかもしれないという漠然とした不安と、今まで感じたことのないドキドキをどうしていいか分からずにいた。
『クロエ様、朝でございます。今日はお菓子を作らないのでしょうか? プレゼント作戦は成功していると思われますが、本日はどうされますか?』
「ウエンディ、私は今日は引きこもりたいの! 外には出たくない!」
『ただいまの発言により、LUKが5マイナスとなりました』
「へ!!? 5!? 1じゃないの?」
『ハイ、せっかく大幅に上がったLUKですので、もっと大事に扱っていただきたいです。ステータスを確認しますか?』
「うん、お願い」
ウエンディのおかげで、少し冷静さを取り戻した私は布団から起き上がり、ステータスを見る。
--------------------------------
クロエ・スカーレット(17歳)
Lv.20
属性:火・地・風・闇
HP(体力)…………… 31
MP(魔力)…………… 5000
ATK(物理攻撃力) … 17
MAT(魔法攻撃力) … 1500
DEF(物理防御力) … 11
MDF(魔法防御力) … 2000
LUK(運の強さ) …… 90
親密度
アメリア(幼馴染)…… 320/500
クロム(婚約者)……… 392/500
ナイル(婚約者の弟)… 348/500
ガイウス(執事|暗殺者) 440/500
???…………………… 000/500
???…………………… 000/500
???…………………… 000/500
???…………………… 000/500
--------------------------------
「え? 何かこのステータス、おかしくない? 特に親密度バグってますよ? ウエンディさん?」
『イイエ、バグっておりません。こちらは今朝更新した値となります』
「だって! クロムの親密度おかしくない? 昨日まで200もなかったのに、一気にプラス200も親密度が上がってない!!?」
『説明致します。クロム様とクロエ様の相性は99%です。そのため、元々親密度は上がりやすく設定されています。また、ガイウス様につきましては、昨日は何のアクションもおとりにならず、他の男性と親密にされている場面をご覧になられていますので微減しております』
他の男性と親密にされている場面をご覧になられています……って、それどういうこと!!?
やっぱり、あのナイスタイミングでの「コンコン」は、計られたタイミングだったということ!?
は、恥ずかしい! 今後ガイウスと顔合わせられる? 私!!?
思い出して、真っ赤になった顔を覆いながら、気になる部分があることに気が付いた。
あれ? 私ってクロムと相性良かったっけ?
ゲームプレイの初期設定で、自分の生年月日や血液型を入れて相性が設定されるのだけど、茜のパーソナルデータでは、クロムとの相性は18%で親密度上げがかなり大変だった。
毎日どこにいるかマップをチェックして、クロムの居る場所にまで出向いて挨拶をしたり、何かしらのプレゼントを送ったり……。
他のキャラを同時進行で攻略しながら進めるのがセオリーの乙女ゲームで、クロムの場合はそれが容易にできないほど相性が悪かったはずだ。
「ウエンディ、私とクロムの相性が99%って本当?」
『ハイ、このように相性はバッチリでございます』
--------------------------------
クロム(19)
Lv.15
称号:親の決めた気になる婚約者
親密度……… 392/500
相性………… 99%
スチル……… 2/8
イベント…… 0/6
討伐回数…… 0
プレゼント… 2
--------------------------------
本当に相性は99%になっている。ということは、今の私の誕生日は公式通りで茜とは違うということになる。
やば、クロエの誕生日っていつだっけ。
あんまり気にしていなかった公式の誕生日を思い出そうとするが、すぐに思い出せない。
まだクロエが17歳で、ゲームの設定では18歳だったことからすると……もうすぐ誕生日なのかな?
そうなると誕生日イベントまでに攻略対象を全員出現させておきたい。
これは、引きこもってなんていられないのでは?
「ウエンディ、念のため確認するけど……ネットとか攻略サイトとかって、無いよね?」
『それはどういった単語でしょうか。私は存じ上げません』
「知らないならいい。何となく察してたから」
攻略サイトが見れれば、クロエと攻略対象の相性も全員の出現条件も全部網羅できて、いかに効率よく動けばいいのかが分かるのに。
そういえば、私ってば効率厨だったなあ。最短攻略で、とにかくスチルを全部出現させることにばかり夢中になっていた。
とにかく、キャラデザの奉夢先生のイラストがステキすぎなのよね!
そう考えると攻略サイトって、本当に便利だったな。
見たらすぐに情報が手に入るって凄いよね。
よくよく考えたらほかにも、ゲームだったらマップ選択で簡単にその場所に移動出来るのに、この世界では歩かなきゃ目的地に行けないし。
当たり前だけど、今思うとゲームの操作って効率が良かったんだな。
読み込みが遅いだの経由ナシで現地に直接飛べるようにしてだの、色々不満を言ってごめんなさい。
運営に向かってごめんなさいと手を合わせると、ウエンディがボーナスのお知らせをしてきた。
『たった今、神より特別ボーナスが届きました。お好きなステータスに割り振ることができますが、いかがいたしますか?全部で100の数字となります』
「え!? なに、神って!!?」
この場合、神と言えば運営だよね? まさか運営に感謝したからボーナス付与されちゃったの?って、運営が居るの? この世界!!?
若干焦ったけど、あんまり考えるのは良そう。想定外を深く考えたら負けな気がする。
とにかく! 前向きに考えてステータス数値に100も割り振れるのは有難い。
LUKは毎日貯めればいいから、せっかくならレベルが上がらないと増えない場所に割り振りたいなぁ。
「ウエンディ、ATK(物理攻撃力)って、どれくらいだと強いの?」
『ハイ、ATK(物理攻撃力)は通常このレベルですと50くらいが普通です。クロエ様は魔法に特化されていますので、ATK(物理攻撃力)はほとんどありません』
「じゃあ、HP(体力)は?」
『HP(体力)は、100ほどが通常です。クロエ様は身体を動かすより精神攻撃がお得意です』
「精神攻撃、ね。あはは……」
思わず十代女子がしてはいけないような、乾いた笑いが出てしまった。
そうなると、体力に割り振るべきか、攻撃力に割り振るか、その両方か。
魔法も強いけど実は物理攻撃も凄いのよ!だとカッコイイんだけどな。
「ウエンディ、出現中の全キャラ250の親密度をクリアしたから、そろそろ新キャラ登場よね? そうすると討伐に行けるから、体力か物理攻撃を強化したいのだけど、どういうプランがおすすめ?」
『お答えします。クロエ様のステータスは魔法以外は信じられないほど低いため、その二つなら戦闘に耐えられるよう体力を強化されるのがオススメです。ですが、個人的には、LUKを上げられることをおススメします』
「うう、辛辣。そんなにLUK大事かー。目標の250まではまだ遠いもんね? でもでも、体力弱いのとかはいかにも守られたい!って感じで嫌かも。守られるより守りたいMAJIDE」
『クロエ様、ソースが古すぎてギャグが若人に響きません』
「ひぃ、怖いことを言わないで!っていうか、ウエンディ。それは分かるんだ……」
ウエンディとの会話を楽しみ(?)つつ、割り振りを考える。
やっぱり体力は大事だし、人並みの攻撃力は欲しい。何なら物理防御にも割り振りたい。
「よし、決めた! ウエンディ、こうしてもらえる?」
私が考えたのは、HP(体力)に+60、ATK(物理攻撃力)に+30、DEF(物理防御力)に+10で、合計100。
これでステータスは以下のように置き換わった。
--------------------------------
クロエ・スカーレット(17歳)
Lv.20
属性:火・地・風・闇
HP(体力)…………… 91
MP(魔力)…………… 5000
ATK(物理攻撃力) … 47
MAT(魔法攻撃力) … 1500
DEF(物理防御力) … 21
MDF(魔法防御力) … 2000
LUK(運の強さ) …… 90
親密度
アメリア(幼馴染)…… 320/500
クロム(婚約者)……… 392/500
ナイル(婚約者の弟)… 348/500
ガイウス(執事|暗殺者) 440/500
???…………………… 000/500
???…………………… 000/500
???…………………… 000/500
???…………………… 000/500
--------------------------------
これで、多少は普通に近づいたでしょ! 満足。
LUKは毎日の貢ぎ物で何とか上げられるから良しとする!
今日は学問所はおやすみDAYだし、一日引きこもる予定だったけど、早く次の攻略対象と出会いたいし、最推しをこの目で確かめたときに私の心臓が持つのか不安だけど……とにかく木の影からでもいいから見てみたい。
感動して泣いちゃう気がしてるけど。
「ウエンディ、引きこもるのはやめて今日はこの「ピーク王国」を探索する。実際の地図と距離感を掴んでおきたいから。もちろん、今日はひとりで。
商店で攻略対象好みのプレゼントを買って渡せば親密度が上がるし、LUK上げは地道にやるから、今日はおやすみにしてもいいかな?」
『かしこまりました。LUKは出来る限り毎日上げていただきたいのですが、クロエ様のモチベーションにもかかわりますので、本日は息抜きをしてください』
「ありがとう。一応、マップを見せてくれる?」
『かしこまりました』
「誰がどこにいるか分かるMAP」には、休日の朝だからか、まだ誰も行動していないみたいだ。
朝食を食べたら公園に行ってみようかな?
クロエのお屋敷から一番遠い場所にあるし、公園を目指せば他の場所もある程度見て回れるはず。
公園に行くと言ったら、使用人たちがお弁当にとサンドイッチを作って持たせてくれた。
朝食を済ませて、使用人が用意してくれたバスケットとウエンディを携帯して、私は颯爽とお屋敷を出た。
うん。出たはずだった。
すでに、家の門までの距離が長い。
馬車だったらすぐに感じたのに、思ったより長くない?
この調子だと、公園までも結構な距離がありそう。無事にお昼に公園に着くかな?
あーもう! 効率が悪すぎる! 自転車とかないの!!?
今から屋敷に戻って引きこもっていいですか?
『クロエ様、それ以上はLUKが一気に下がります。ご自身で決められたことは、やり切ってください』
ウエンディの鬼の一言で私は黙り、公園に向かって歩き出した。
推し担が変わってしまうかもしれないという漠然とした不安と、今まで感じたことのないドキドキをどうしていいか分からずにいた。
『クロエ様、朝でございます。今日はお菓子を作らないのでしょうか? プレゼント作戦は成功していると思われますが、本日はどうされますか?』
「ウエンディ、私は今日は引きこもりたいの! 外には出たくない!」
『ただいまの発言により、LUKが5マイナスとなりました』
「へ!!? 5!? 1じゃないの?」
『ハイ、せっかく大幅に上がったLUKですので、もっと大事に扱っていただきたいです。ステータスを確認しますか?』
「うん、お願い」
ウエンディのおかげで、少し冷静さを取り戻した私は布団から起き上がり、ステータスを見る。
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クロエ・スカーレット(17歳)
Lv.20
属性:火・地・風・闇
HP(体力)…………… 31
MP(魔力)…………… 5000
ATK(物理攻撃力) … 17
MAT(魔法攻撃力) … 1500
DEF(物理防御力) … 11
MDF(魔法防御力) … 2000
LUK(運の強さ) …… 90
親密度
アメリア(幼馴染)…… 320/500
クロム(婚約者)……… 392/500
ナイル(婚約者の弟)… 348/500
ガイウス(執事|暗殺者) 440/500
???…………………… 000/500
???…………………… 000/500
???…………………… 000/500
???…………………… 000/500
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「え? 何かこのステータス、おかしくない? 特に親密度バグってますよ? ウエンディさん?」
『イイエ、バグっておりません。こちらは今朝更新した値となります』
「だって! クロムの親密度おかしくない? 昨日まで200もなかったのに、一気にプラス200も親密度が上がってない!!?」
『説明致します。クロム様とクロエ様の相性は99%です。そのため、元々親密度は上がりやすく設定されています。また、ガイウス様につきましては、昨日は何のアクションもおとりにならず、他の男性と親密にされている場面をご覧になられていますので微減しております』
他の男性と親密にされている場面をご覧になられています……って、それどういうこと!!?
やっぱり、あのナイスタイミングでの「コンコン」は、計られたタイミングだったということ!?
は、恥ずかしい! 今後ガイウスと顔合わせられる? 私!!?
思い出して、真っ赤になった顔を覆いながら、気になる部分があることに気が付いた。
あれ? 私ってクロムと相性良かったっけ?
ゲームプレイの初期設定で、自分の生年月日や血液型を入れて相性が設定されるのだけど、茜のパーソナルデータでは、クロムとの相性は18%で親密度上げがかなり大変だった。
毎日どこにいるかマップをチェックして、クロムの居る場所にまで出向いて挨拶をしたり、何かしらのプレゼントを送ったり……。
他のキャラを同時進行で攻略しながら進めるのがセオリーの乙女ゲームで、クロムの場合はそれが容易にできないほど相性が悪かったはずだ。
「ウエンディ、私とクロムの相性が99%って本当?」
『ハイ、このように相性はバッチリでございます』
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クロム(19)
Lv.15
称号:親の決めた気になる婚約者
親密度……… 392/500
相性………… 99%
スチル……… 2/8
イベント…… 0/6
討伐回数…… 0
プレゼント… 2
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本当に相性は99%になっている。ということは、今の私の誕生日は公式通りで茜とは違うということになる。
やば、クロエの誕生日っていつだっけ。
あんまり気にしていなかった公式の誕生日を思い出そうとするが、すぐに思い出せない。
まだクロエが17歳で、ゲームの設定では18歳だったことからすると……もうすぐ誕生日なのかな?
そうなると誕生日イベントまでに攻略対象を全員出現させておきたい。
これは、引きこもってなんていられないのでは?
「ウエンディ、念のため確認するけど……ネットとか攻略サイトとかって、無いよね?」
『それはどういった単語でしょうか。私は存じ上げません』
「知らないならいい。何となく察してたから」
攻略サイトが見れれば、クロエと攻略対象の相性も全員の出現条件も全部網羅できて、いかに効率よく動けばいいのかが分かるのに。
そういえば、私ってば効率厨だったなあ。最短攻略で、とにかくスチルを全部出現させることにばかり夢中になっていた。
とにかく、キャラデザの奉夢先生のイラストがステキすぎなのよね!
そう考えると攻略サイトって、本当に便利だったな。
見たらすぐに情報が手に入るって凄いよね。
よくよく考えたらほかにも、ゲームだったらマップ選択で簡単にその場所に移動出来るのに、この世界では歩かなきゃ目的地に行けないし。
当たり前だけど、今思うとゲームの操作って効率が良かったんだな。
読み込みが遅いだの経由ナシで現地に直接飛べるようにしてだの、色々不満を言ってごめんなさい。
運営に向かってごめんなさいと手を合わせると、ウエンディがボーナスのお知らせをしてきた。
『たった今、神より特別ボーナスが届きました。お好きなステータスに割り振ることができますが、いかがいたしますか?全部で100の数字となります』
「え!? なに、神って!!?」
この場合、神と言えば運営だよね? まさか運営に感謝したからボーナス付与されちゃったの?って、運営が居るの? この世界!!?
若干焦ったけど、あんまり考えるのは良そう。想定外を深く考えたら負けな気がする。
とにかく! 前向きに考えてステータス数値に100も割り振れるのは有難い。
LUKは毎日貯めればいいから、せっかくならレベルが上がらないと増えない場所に割り振りたいなぁ。
「ウエンディ、ATK(物理攻撃力)って、どれくらいだと強いの?」
『ハイ、ATK(物理攻撃力)は通常このレベルですと50くらいが普通です。クロエ様は魔法に特化されていますので、ATK(物理攻撃力)はほとんどありません』
「じゃあ、HP(体力)は?」
『HP(体力)は、100ほどが通常です。クロエ様は身体を動かすより精神攻撃がお得意です』
「精神攻撃、ね。あはは……」
思わず十代女子がしてはいけないような、乾いた笑いが出てしまった。
そうなると、体力に割り振るべきか、攻撃力に割り振るか、その両方か。
魔法も強いけど実は物理攻撃も凄いのよ!だとカッコイイんだけどな。
「ウエンディ、出現中の全キャラ250の親密度をクリアしたから、そろそろ新キャラ登場よね? そうすると討伐に行けるから、体力か物理攻撃を強化したいのだけど、どういうプランがおすすめ?」
『お答えします。クロエ様のステータスは魔法以外は信じられないほど低いため、その二つなら戦闘に耐えられるよう体力を強化されるのがオススメです。ですが、個人的には、LUKを上げられることをおススメします』
「うう、辛辣。そんなにLUK大事かー。目標の250まではまだ遠いもんね? でもでも、体力弱いのとかはいかにも守られたい!って感じで嫌かも。守られるより守りたいMAJIDE」
『クロエ様、ソースが古すぎてギャグが若人に響きません』
「ひぃ、怖いことを言わないで!っていうか、ウエンディ。それは分かるんだ……」
ウエンディとの会話を楽しみ(?)つつ、割り振りを考える。
やっぱり体力は大事だし、人並みの攻撃力は欲しい。何なら物理防御にも割り振りたい。
「よし、決めた! ウエンディ、こうしてもらえる?」
私が考えたのは、HP(体力)に+60、ATK(物理攻撃力)に+30、DEF(物理防御力)に+10で、合計100。
これでステータスは以下のように置き換わった。
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クロエ・スカーレット(17歳)
Lv.20
属性:火・地・風・闇
HP(体力)…………… 91
MP(魔力)…………… 5000
ATK(物理攻撃力) … 47
MAT(魔法攻撃力) … 1500
DEF(物理防御力) … 21
MDF(魔法防御力) … 2000
LUK(運の強さ) …… 90
親密度
アメリア(幼馴染)…… 320/500
クロム(婚約者)……… 392/500
ナイル(婚約者の弟)… 348/500
ガイウス(執事|暗殺者) 440/500
???…………………… 000/500
???…………………… 000/500
???…………………… 000/500
???…………………… 000/500
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これで、多少は普通に近づいたでしょ! 満足。
LUKは毎日の貢ぎ物で何とか上げられるから良しとする!
今日は学問所はおやすみDAYだし、一日引きこもる予定だったけど、早く次の攻略対象と出会いたいし、最推しをこの目で確かめたときに私の心臓が持つのか不安だけど……とにかく木の影からでもいいから見てみたい。
感動して泣いちゃう気がしてるけど。
「ウエンディ、引きこもるのはやめて今日はこの「ピーク王国」を探索する。実際の地図と距離感を掴んでおきたいから。もちろん、今日はひとりで。
商店で攻略対象好みのプレゼントを買って渡せば親密度が上がるし、LUK上げは地道にやるから、今日はおやすみにしてもいいかな?」
『かしこまりました。LUKは出来る限り毎日上げていただきたいのですが、クロエ様のモチベーションにもかかわりますので、本日は息抜きをしてください』
「ありがとう。一応、マップを見せてくれる?」
『かしこまりました』
「誰がどこにいるか分かるMAP」には、休日の朝だからか、まだ誰も行動していないみたいだ。
朝食を食べたら公園に行ってみようかな?
クロエのお屋敷から一番遠い場所にあるし、公園を目指せば他の場所もある程度見て回れるはず。
公園に行くと言ったら、使用人たちがお弁当にとサンドイッチを作って持たせてくれた。
朝食を済ませて、使用人が用意してくれたバスケットとウエンディを携帯して、私は颯爽とお屋敷を出た。
うん。出たはずだった。
すでに、家の門までの距離が長い。
馬車だったらすぐに感じたのに、思ったより長くない?
この調子だと、公園までも結構な距離がありそう。無事にお昼に公園に着くかな?
あーもう! 効率が悪すぎる! 自転車とかないの!!?
今から屋敷に戻って引きこもっていいですか?
『クロエ様、それ以上はLUKが一気に下がります。ご自身で決められたことは、やり切ってください』
ウエンディの鬼の一言で私は黙り、公園に向かって歩き出した。
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