島の少女(海女編)

きさらぎ ゆき

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27)身体検査2(1)

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27)身体検査2(1)

雄一は、目線を少女の胸から顔へ移動させた。
一方、みさきの方は、無意識で下げていた視線を、今度は無意識で上げる。それが雄一の目線にぶつかり、また無意識で目を伏せる。
小学校6年生の女の子としては、当たり前の反応であろう。男性の目の前で、今、自分が生まれたままの姿で立っているのである。しかも、隠す事もしゃがみ込む事も許されない状況なのだ。

それをいい事に、雄一は遠慮なく、この美少女… みさきの顔を じっくり と眺めていく。

上品で飾り気のない、目鼻立ちがすっきりとしたシンプルな顔。
余分なものは何も無いが、その事が、かえって美少女の本当の美しさを引き立てている。
それでいて、その美しさをひけらかさない感じの… おそらく、本人が自分の事を“美少女”だと自覚していない佇まい…
素直な黒髪は… 特に細工をする事も無く… 自然に流れている。
長さは、さなよりも少し長いくらいか… さなの『肩が隠れるくらい』よりも少し長く、たぶん、肩甲骨の辺りまでだろう…
さなの髪も漆黒できれいだが、この少女… みさきの髪は少し感じが違う。さなよりも、もっと さらさら感 がある。そよ風が吹いただけで、しなやかに揺れそうだ。そう思った時、雄一は、感覚ではあるが、何となく髪1本1本が細い事に気が付いた。そして同時に、それがこの少女の表情にとても合っている事も感じていた。

「 何なんだろうな… 見た事のない雰囲気だ… 」

雄一は、あらためて、みさきの美少女ぶりを味わっていくが、自分の経験値だけでは、とても理解できそうも無かった。

そして、顔の鑑賞に満足した雄一の目線は、続いて、下の方に向かって動き出した。既に、散々眺め回した胸は通り過ぎて、2本の脚が交差する辺り… つまり、『 股間 』まで来て、止まった。
その事を本能的に感じたのであろうか… 元々、閉じ合わされていた少女の両脚が、力(ちから)を入れ直して両膝がしっかりとくっつき合う。同時に、左右の足が少し内側を向いて、親指同士が膝と同じ様にくっついていく。
更に、おそらく無意識に… だと思うが、みさきの両手が前で… 左手で右手を覆う様に重なり、丁度、股間を隠す形になっていた。

もちろん、無理もない事である。男性の前で全裸になっているのだ。無意識で股間を隠す事は理性の上でも、本能の上でも、当たり前の動きだった。
それでも、『 海女の取材 』の妨(さまた)げになっている事も確かだ。
その為に島に来ている雄一としては、立場上(あくまでも立場上だと雄一は心で唱えて)、注意せざるを得ない。

「 う~ん… みさき…  もしかして、本当は恥ずかしくて、取材を受けるのが難しいのかな… 」

その言葉の意味を察して、少女の身体が びくっ! と反応する。
雄一が、それに気づかないふりをして続ける。

「 まあ、難しいんなら、それは仕方ないと思うよ… ぼくとしては、海女組合から みさき を紹介されたから、まあ、見習い海女の実態を調査しようと思ったけど… でも、無理に取材しても良い内容にはならないからね… まあ、幸い、さなは平気で協力してくれているから、この先も さな にだけ頑張って取材を受けてもらうよ… だから、ぼくとしては問題ないけど… みさきの分も頑張ってもらわないといけないから、ちょっと、さなが疲れる事だけが心配だなあ… 」

雄一が、わざと、さなの方に視線を動かすと、つられて、みさきの首も少し動く。
雄一は続ける。

「 じゃあ、 みさきはもう帰っていいよ… さなを起こして、続きをするから…  まあ、ぼくも組合長さんから さな と みさき の事を聞いて、2人分の内容を準備していたから、後は さな が少し大変になるんだけどね… 」

話し方は穏やかに、しかし嫌みなニュアンスを少し含ませながら、でも、表情はにこやかに雄一は続けていった。
その内容は雄一の計算通り、みさきの心に堪えるものばかりである。

「 あ… あの…  せんせい… すみません…  わたし… 恥ずかしくありません…  全然ありません…  わたし… 身体が勝手に動いてしまって…  気を付けます…  取材… やらせて下さい! 」

みさきが、相変わらず小さな声ではあるが、一生懸命に声を出している。
取材をするのは雄一の方で、みさきは受ける側だから、言葉づかいが間違っているが、それでも言いたい事はよく分かった。

「 うん、 じゃあ、どうするのかな…  態度で示してくれるかな… 」

雄一が、表面的には穏やかに、しかし、内容的には厳しく、言葉を続ける。

そして、それと同時に、みさきの両手が左右に動き、『気をつけ』の姿勢に変化した。
相変わらず両足の親指はくっつき合っているが、それでも、両腕は身体の真横で指先まで真っ直ぐに付けられている。だから、今現在は、股間の前をさえぎる邪魔者は何も無くなっている。

雄一は、最初にみさきが全裸になった瞬間、『そこ』の確認は行っていたが、今、あらためて観察し直す事にした。
小学校6年生の水準よりも遥かに成長している上半身に比べると、下半身の発達具合は『 歳相応+α 』程度である。腰骨の張りが、まあ少しだけ人よりも早いかな… というくらいであろうか。
そして… だから… なのだろうか… 股間は、さなと同じく、全くの無毛であった。
(その為、股間をさえぎる物は、みさきの手をどけると、本当に何も無かった)

胸の立派さ… 形は幼いながらも、山の高さは『 Eカップ 』に引けを取らないレベル… に比べて、アソコについては、見た目、さなとほとんど変わらない…
今は、脚を閉じ合わせたまま、真正面から見ているだけではあるが、それでも、くっきりと刻まれた数センチの縦スジと、その辺りに全く毛が生えていない事が確認出来る。

かすかに違うな… と感じたのは、切れ込みが、さなよりも更にシャープだと感じた事だ。
以前、小学生の少女のヌード写真集が一般書店で売られていた頃に、この部分の事を『 スリット 』と呼んでいたと聞いた事があるが、今、目の前で縦に奔っているスジは、正に『 スリット 』の語感にふさわしいものだった。
スリットは英語であり、その意味は、単に切れ込みと言うよりも、風や光を通す隙間、と言うニュアンスがある。だから、単純に スジ と言う場合よりも、より狭くて鋭い感じがある。
そして、みさきの持つスジは、さなと比べると確かに『 スリット 』と言う言葉にふさわしい雰囲気を持っている。
もちろん、さなのスジにもシャープさ、鋭さは十分にあるのだが、ただ、みさきのスジの方が、それ以上の鋭さを表しているのだ。

「 この、スジの鋭さは、今は股をしっかりと閉じ合わせているからではないのか…? 」

雄一は、心の中で少し疑問を感じていた。
もう少し、股間にゆとりを持たせたらどうなるのか、やはり興味がある。
そこで、次の様に声を掛けた。

「 うん、 やっぱり、みさきは真面目だね。 しっかりと『気をつけ』の姿勢になって。 そういう所、偉いと思うよ…  でも、取材は時間が掛かる物だから、今からそんなに気を張ってたら最後まで持たないよ… だから、体育の『休め』になっていいよ。 じゃあ、ぼくが号令を掛けてあげよう、 はい、『休め!』 」

みさきは、一瞬の戸惑いを見せてから、少し足の幅を拡げた。体育で習う『休め』は肩幅に足を拡げるはずだが、今はまだ、その半分くらいである。両手も『気をつけ』のまま、身体の真横で真っ直ぐに指を伸ばしている。

「 みさき… もっと、リラックス、リラックス…  学校の『休め』は、手を背中の方で組むんだったよね? 後ろの方で… そうだな… 左手で右の手首をつかんでごらん… 」

「 は… はい… 」

雄一の具体的な指示の通りに、みさきの両手が後ろ手に回された。その動きに引っ張られて、両肩と胸の筋肉が少し後ろに伸ばされる。その為、自然に胸が少し張られた体勢になる。
でも、これではまだ足りない。

「 うん、 手の方はそれでいいね…  でも、足の幅がまだ狭いよ… それだと疲れちゃうから…  そうだな… 体育の授業では『足は肩幅に』開く事が全国的な決まりだから、もう少し楽になってみようか… 」

その言葉は、精一杯の勇気をもって、両手を後ろ手に組んでいる少女に、更なる動揺を与えていった。
もう、自分のお股の前を隠しているものが何も無くなっている。ただ、それだけの事で、自分の心がすごく不安定に感じる。
それなのに、ここからもっと、足元も拡げるなんて… でも… でも… 『休め』で足を開くのは本当の事だし、きっと、足を閉じたままだと、せんせいが言われてる様に本当に疲れてしまう…

わたし… いったい、何を考えてるの… 普通の『休め』の格好をするだけで、何でこんなに変な事を考えてるの… これ以上、せんせいに迷惑掛けたら、もっと、さなちゃんにも迷惑が掛かるのに… 普通の『休め』なんだから…

その数秒後… みさきの足元が ゆっくり と動いた。
右足が外側に滑って肩幅よりも少し狭いくらいまで間が空く。

「 みさき、 まだまだ狭いよ。 ほら、 もっと思い切って。 はいっ! せーのっ! 」

雄一の明るい、そして煽(あお)る様な口調に乗せられて、みさきの右足が今度は大きく動く。両足の間は一気に、肩幅の1.5倍くらいにまで開いた。
しかし、それでもまだ雄一は許さず、もう1回の せーのっ! によって、結局、みさきは肩幅の2倍まで、両足を開かされていた。

ここで、雄一はわざと、みさきとの距離を詰めていった。正面から、みさきに近づいていく。
両手を後ろ手に組まされて、同時に両足を思ったよりも広く開かされた無防備な姿勢で、全裸のまま立たされている僅か小学校6年生の少女にとっては、その事は物すごいプレッシャーだった。

だから、みさきは、また、恥ずかしくて視線を落としてしまう。
しかし、それを気にせず、雄一は少女の間近まで来て、新たに質問を始めた。

「 みさきの身長は何センチなの? 学校で検診とかあったんでしょ? 」
「 あ… あの… 147センチくらいでした…」

「 ふ~ん、147ね… じゃあ、体重は? 」
「 あ… あの… ……… よん… 42キロです… 」

みさきが、身長の時よりも、少し言いにくそうに答えた。やはり、まだ小学生とは言え、体重を言うのは恥ずかしいのだろう…
雄一は、専門学校の授業で習った『ローレル指数』を、概算の暗算で瞬時に計算していた。
『ローレル指数』とは、小学生の体型を判断する時に使う数値である。映像制作の現場では、小学生のモデルや俳優を使う事もあるので、当然、基礎知識として習っていた。

「 ふ~ん、 標準体型の範囲だけど、少し ぽっちゃり気味 かなあ…  それにしても、さなの指数とほとんど同じだねえ…  1%くらい、みさきの方が ぽっちゃり かなあ… でも、見た目はかなり違うのに、指数を計算すると、2人はかなり近いんだねえ… 驚いたよ… 」

さなの身長/体重は 143センチ/38キロ だった。
これに対して、みさきの 147センチ/42キロ。
計算上、2人の『ローレル指数』は、1%以内の違いしかない。

また、みさきは発育が良いとは言え、全く ぽっちゃり ではないし、さなは、むしろ すらり としている方だ。
これは、おそらく、2人とも筋肉量が平均よりも多くて、その結果、体重が実際の体型よりも多めに出ているからだと思う。
それにしても、みさきは体重を言う際に口ごもっていた。それは、どうやら自分の体重に自信が無い… つまり『太っている』と本人が思っているからの様だ。確かに、140台の身長と40キロ台の体重が並ぶと、数字のイメージがそう考えさせるのかもしれない。
それとも、自分の発育の良さに、コンプレックスを持っているのだろうか…

しかし、それらの事を一瞬で考えながら、雄一は敢えてみさきに対して「 少し ぽっちゃり気味 かなあ… 」と言ってみた。この場合は、コンプレックスを揺さぶってやる方が効果的だと思ったからである。

そして雄一は、更に、みさきに対して追い打ちをかける。

「 みさきは、かなり 発育 が良さそうだけど、 さなよりも誕生日、どれくらい早いの? 」
「 あ… あの… ……… わたしのほうが、1か月くらい、遅いんです…  それなのに、わたしの方が、さなちゃんより太っちゃってて………  すみません… 」

最後の方は、声が消え入りそうにフェイドアウトしていった。
やはり、みさき本人は、自分を太っていると『誤解』しているようである。
それにしても、みさきとさなが1か月しか違わない 11歳同士だ という事が分かって、雄一は意外だった。
さなは、身長は低いが発育自体は遅くは無いと思う。それでも、みさきのとても発育の良い胸を見た後で、実はみさきの方が1か月も遅い… という事を知ったのだから、意外に感じるのは当然である。
「 これは、もっと念には念を入れて、この発育の良い少女の肉体を調査する必要が出来てしまった… 忙しいのに困ったなあ… 」
と、雄一は、本心では困るどころか大喜びしながら、心の中で呟いていた。

そして、今度は声に出して言う。
「 そうかあ… じゃあ、みさきは、まだ11歳だよねえ… う~ん、それでこの体型かあ… 確かに、これはかなり、念入りに調査しないといけないみたいだね… 」

「 あ… あの… 本当にすみません… 」
みさきが、11歳らしからぬ発育を遂げている肉体を大胆に全裸でさらけ出したまま、しかし、声は消え入りそうに小さく、返事をした。

「 いいんだよ、これがぼくの仕事だからね… でも、調査項目が増えると思うから、みさきも覚悟してね… こういう調査は、される側の頑張りと協力が必要なんだ… 」

雄一が、わざと顔を近づけて言うと、少し前を向きかけた みさき の顔が、また少しうつむいた。
それにしても、きれいな顔だ。しかも、かわいらしさも同居している。
まつ毛が細くて長い。唇が透き通るような清らかさを持っている。
そして、髪の毛の1本1本が細い。まるで白人の髪質の様だ。だから さらさら に、なびいているのだ。

「 じゃあ、とにかく、 これから みさき の身体を、1つ1つ調査していくね… 」

雄一は、みさきの身体のサイズを測る事を、今は止(や)めてしまった。
話の流れから、長さや重さを測る『 身体測定 』よりも、『 調査 』を目的としても良くなってきたからだ。
これならば、建前も関係なしに、とにかく身体を『調べる』事が出来る。

雄一は、それをどこから始めようかと、少し迷ってから、やはり見事な『 胸 』から調べる事にした。
本当は『 胸 』は、メインディッシュとしてラストに取っておきたいのだが、やはり、ラストには鋭い切れ込みの『 スリット 』の方がふさわしい。
それならば、やはり最初は『 胸 』から、でいくべきである。
雄一が、見事な胸の膨らみに顔を近づけていくと、みさきは両手を後ろ手に組んだまま、自然に目を瞑ってしまった。
すごく恥ずかしい… そう思うのは当たり前である。海女の覚悟が有ろうと無かろうと、11歳の女の子が恥ずかしく思うのは当然の事だ。
それでも、みさき本人は、自分では何もする事が出来ない。手で隠す事も、腕で抱えてしゃがみ込む事も、ましてや、逃げ出す事も… ただ、ここに立って、『 調査 』をされるしかないのである。

雄一は、胸の隆起の仕方や、その角度、胸の先端が向かっている角度の捻じれ具合、肌の張り… などを、ゆっくりと観察していった。感覚としては、さなの胸が突き出ていく延長線の方向を捉えれば理解できそうな気がするのだが、どうにも上手くまとまらない。やはり『 造形の美 』『 造形の神秘 』と言うしかない様だ。胸自体のバランスと、胸の身体に対するバランスが、絶妙に良いのだ。

「 みさき… じゃあ、ちょっと『 触診(しょくしん) 』してみようかな… ちょっと腕が『 調査 』の邪魔になるから、手を頭の後ろで組んでくれるかな… 」

みさきが、『 触診 』の意味も分からないまま、直ぐに言われた通りに、両手を首の後ろ辺りで組みなおした。
その動きに引っ張られて、見事な胸が更にせり出す。

「 うん、いいよ~ じゃあ、もうちょっと、肘を張ってみようか 」

雄一のカメラマンみたいな言葉に反応して、みさきの身体が直ぐに指示通りに動き、巨(おお)きな『 胸 』が更に突き出ていく。
こうして見ると、乳暈(にゅううん)の中心を頂点とした砲弾かロケットの様だ。世間で形の良い巨乳に対して使われている『 砲弾型 』や『 ロケット乳 』という言葉に、今、これを見て初めて納得する。

雄一は、わざとしばらく、無言でこの『 砲弾 』または『 ロケット 』を眺めていた。
今の段階では、みさきの 乳首 は左右両方とも隆起が無くて立体的ではない。まだ、直径わずか数ミリ程度の輪郭が、平面的に描かれている程度だ。
それでも、この胸を『 砲弾 』の様に見せているのは、その頂点で尖がりかけている数ミリの輪郭のおかげである。
そして、砲弾の真ん中で淡い桜色に ぼんやり と直径4センチに拡がっている乳暈(にゅううん)と白い肌との色合いは、コントラストがとても美しい。まるで白人の胸である。

しかし、みさきの方は、しばらく雄一が黙ったままなので、目を瞑ったままの中で少し不安になってきた。
恐る恐る目を開けてみる。
すると、間近で雄一と視線が合ってしまい、また目を逸らしてしまう。
そこで雄一は、わざとらしく独り言のように言ってみた。

「 う~ん これは… う~ん 珍しい胸だなあ… 初めて見るタイプだなあ… 」

みさきが不安そうに、視線を雄一の顔に向ける。

「 硬いのか… 軟らかいのか… どこから『 触診 』しようかなあ… 」

みさきは、これが独り言かもしれないと思うと、返事をするかしないか迷ってしまった。
でも、例え返事をしようと思っても、良い答など浮かばないので、どちらにしても黙っている事しか出来ない。

一方、雄一の方は、この弾力にあふれた… しかし硬そうな… 胸を、どのように触るのが正解か、観察を続けていた。
AVの様に、力を入れて揉むのは論外である。雄一は、ただでさえAVの揉み方は乱暴だと思っているので。この巨(おお)きいけれど未熟な胸の攻め方は特に慎重にする必要があった。

「 この場合は…  まず最初は、皮膚をやさしく… だな…  揉むか揉まないかは、その反応次第だ… 」

雄一は、頭の中で結論を出すと、右手の人差し指を、みさきの左胸に… 雄一から向かって右側の胸に… ゆっくりと近づけて、わざと、その指先に、みさきの視線を引き付ける様に動かしていく。
そして、視線が引き寄せられた事は、少女が発する雰囲気によって、雄一にもはっきりと伝わってくる。
実は、みさきの発育途上の胸は、日々、疼きに襲われていた。自分で触れる時も、かなり気をつけている。だから目の前で、男性の指が近づいてくると、とても緊張するのだ。

そして雄一は、鋭敏な嗅覚で、みさきの緊張感を感じ取りながら、声を掛けた。

「 よ~し 先ずはここから… この周りから『 触診 』していこうかな… 」

少女が『 しょくしん 』の意味は知らないだろうな、と思いながらも、敢えてそれ以上の説明はしないで、雄一の指が ゆっくりと 回転しながら、みさきの淡い桜色の上を回り始める。まるで トンボ獲り の様だ。
1周、回転する毎(ごと)に 雄一の指先 と みさきの肌 の距離が近づく。
そして、少女の緊張感が益々高まって、それが雄一に伝わってくる。

「 それはそうだよな…  男の指に初めて胸を 弄(いじ)られ るんだもんな…  緊張するよなあ… 」

また1周、回す。そして、ゆっくりと、触れる寸前の距離で、もう1周…
みさきの息が緊張で詰まっているかの様に、呼吸の気配も静まっている。
ここで、わざと、乳暈(にゅううん)の頭上を回転しながら乳首に触れる寸前まで近づいて…
外側に外す…

その途端、みさきの呼吸が荒く乱れながら、雄一の耳に届く。

「 はあっ はあっ はあっ はあっ… 」

余程、緊張したのだろう。
それにしても、このみさきの反応は、どう考えれば良いのだろうか…
本能的に、小学校6年生の女の子が想像できる範囲の、何かのイメージを抱いたのだろうか…
それとも、雄一の指先が そこ に触れれば、自分がどうなるのか、知っているのだろうか… それは、本能なのだろうか… 経験によるものなのか… 自分で弄(いじ)った事でもあるのだろうか…
それは… 間もなく分かるのだろう…

雄一は、みさきが呼吸を乱した事に少しの達成感を感じながらも、自分の疑問を解きたくなってきた。
みさきの顔を見ると予想通り、視線が雄一の指先を追いかけている。今、雄一に顔を見られている事にも全く気づいていない様だ。
その事が、雄一の指先をより大胆にさせていく。

再び、指が11歳の少女の左胸に接近して、再び、乳暈(にゅううん)の輪郭に沿って、近づきながら周回を始める。
そして再び、少女が息を詰めて、呼吸音が一旦聞こえなくなる。
左胸の真下にある心臓の動きが、胸の震えとして見えている。
雄一は、その動きを見ていると反対に落ち着いてきた。自分の指先の動きだけで、少女がとても緊張して心臓と呼吸を乱している事が分かったからだ。
ゆうこの時もそうだったが、相手が焦る程、自分は落ち着いてくる。

雄一が、指先の腹の軟らかい部分で、桜色の輪郭を、

さわっ…

となぞった。とても滑らかな肌触りだ。

びっくん!

一瞬遅れて、みさきの胸が揺れる。

雄一の指先が、内側に向かって渦(うず)を描きながら、ゆっくりと中心に近づいていく。
その、乳暈(にゅううん)を撫でられる感触に合わせて、みさきの上半身が少し くねくね… と、指先から逃れたいけど逃れてはいけない… 様な微妙な動きを返してくる。
しかし、結局それ以上は動く事が出来ないので、雄一の指先にずっと捉(とら)えられたままだ。その無駄な努力が雄一を楽しませているとも知らずに…

そして、ついに… 指先が中心の… 数ミリの輪郭に到達する瞬間がやって来た。
わざと、ゆっくりと、輪郭に触れる寸前のところで数周、回っている。

触れそうで…  触れない…  また、触れそうで…  あ、また触れない…

息が詰まりながら、心臓の鼓動だけが大きくなっている。触れてないのに、気のせいか、さっきから うずうずうずうず してきている。
頭の後ろで組んでいる両手の、互い違いにしている指に、力(ちから)を入れてつかみ直す。

そして、息苦しさに限界が来た。詰めていた呼吸を再開しようとした…
その時、

さわぁっ…

疼きが溜まりに溜まっている、少女の左胸の乳首の表面を、雄一の指先が絶妙の感触で撫で上げた…

「 ひいっ! 」

みさきは、左胸の先端から全身に這い寄る生暖かい感触に、思わず胸を揺らしながら咽喉の奥で息を吸い込んでいた。
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