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 光ガ、消エタ。先生ノ背中ガ遠ノイテイク。最後ニ見タ彼女ノ表情ハ、アノ雷ノ夜ノ表情トソックリダッタ。
     アノ日叩カレタ頬ガ痛ム。マリアトユノンモ同ジラシク、頬ヲ抑エテイタ。
 確かに、光った。先生の危険を顧みない行為に対して、最近覚えた感情を抱いた。
 シカシ、スグニ光ヲ覆ウ真ッ黒デ濃イ霧ガ現レタ。気ヅイタラ、ドンナ感情ヲ抱イタノカスラ忘レテイタ。
 ところが、一瞬、ただ一瞬だけ、霧の向こうに光を見た。少し前の光と同じ光量で、違う色の光を。
 アリスの、クーデの命令に従うことに抵抗を感じた。
 でも、無理だった。私の身体は、否、心ハ。錆ビ付イタ、ブリキノ人形ノヨウニ、ギコギコト空回リヲ繰リ返ス。
 待って、先生。申シ訳ゴザイマセン、アリス兵長、クーデ副兵長。
 先生から離れろ、アリス、クーデ。何処二デモ行ッテシマエ、罪人ヨ。
 心ガ、ギコチナク熱い膨張と冷タイ収縮ヲ繰リ返シテイルウチニ、先生は見えなくなってしまった。
 私は、唇を思い切り噛み潰した。慣レタ錆ノ味ガシタ。
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