7 / 28
6夜の伝書鳩
しおりを挟む
よぉ!俺はローシャ!片側だけしかない仮面を被り、漆黒のマントをはためかせて夜の軍基地を駆ける、情報配達員のローシャだぜ!別名「夜の伝書鳩」だ!
今俺は任務中なんだ!
あ?どんな任務かって?それはだな!フッフッフッ。プロデスト軍にいる悪天使の世話人に、保護団の情報を配達するという任務だ!
そのために俺は、見張りがうじゃうじゃいる門を掻い潜り、監視カメラの目を盗み、電流の流れる塀を飛び越え……って、これだとなんか俺が悪役みたいじゃねぇか!
……まぁ、悲しみを紛らわすのはこれくらいにするか。せっかく俺には感情があるんだからな。
二人の犠牲者が出てしまったのは、流石の俺も堪えたぜ。感情ってのは、こういう時に厄介だな。それでも悪天使に与えたいという思いは揺るがないけどな。
感傷に浸っている間に、もう既にリュアの部屋の前に辿り着いていた。
二階にある、ベランダ付きの部屋。リュアも随分と信用されたもんだな。それとも俺が舐められてんのか?これじゃあまるで、「侵入してください」といわれてるようなもんじゃねぇか!はぁ、なんかムカついてきたな。さっさと行くか。
は?どうやって二階に行くのかって?バカ言え、鳩に高さは関係ねぇぜ!
俺は助走をつけて飛んだ。そして、夜の静寂を壊さないエレガントな着地!どうだ?こんなの、俺にとっちゃ朝飯前だぜ!ま、今は夜だけどな!はっはっはっは!
「…シャ!ローシャ!声出てるって!」
俺が一人で笑っていると、リュアが慌てて部屋から出てきた。
く……、俺としたことが、なんというミスを……。
「き、聞かれてねぇ……よな?」
俺は恐る恐る尋ねた。
「まぁ、聞かれてたら今頃ローシャは檻の中だから、多分平気」
「だ、だよなー」
危うい危うい。鳥籠の中の鳩ほど無力なものはねぇからな。
さて、冗談はこのくらいにして。
「リュア。今日の情報を配達にあがったぜ。と言っても……なんとなく、分かってんだろ?」
俺が仮面を外しながら言うと、リュアは悲しそうに笑い、俯いた。きっと俺を気遣っているのだろう。
「私たちはさ、悪天使を救う保護団だよね?なのにどうして、無事救うことができた天使の命を奪ってしまうのかな」
やっぱり。元団長は分かっていた、犠牲になったのは、悪天使に殺されたルナとイアンでないことを。本当の犠牲者は、二人を生き返らせるために代償として死んでいった、慈愛に満ちた天使であることを。
天使という生物は、下手をしたら悪天使より残酷なもので、回復した分の傷や病を代償として自ら負うことになる。それだけなら自身を回復させるだけで良いのだが、死者を生き返らせるとなると、そうは行かない。なぜなら、自身が代償として死んでしまっては、回復ができないからだ。
それでも俺たちが悪天使を天使に変化させるのは、天使こそが神に与えられた真の姿だからだ。天から命を授かった者が人を殺すための道具だなんて間違っている。悪天使は、蛹みたいなもんだ。感情を与えられて、天使になって、救いたい人ができる。その想いを味わって初めて、彼らは羽を広げて、この世界を飛ぶことができるのだろう。
とはいえ、俺は必ずしも救いたい人を救う天使になれとは思わない。たとえ能力があっても、感情を持っている限り別の欲求を湧かせることだってできるのだから。
今この軍基地で粗雑に扱われている悪天使たちも、絶対に天使に変化させてやりたい。
だが。
「今はルナとイアンが死んだことになっているが、バレるのも時間の問題だぜ?それがバレたら、プロデスト軍は再び、保護団を襲いに来るだろう。他の軍に悪天使が渡れば厄介だからな。そうなったらまた、俺たちを生き返らせるために天使が死んじまう。さぁ、どうする?悪天使保護団の、元団長さんよぉ」
俺は、「いつものカッコつけのローシャ」を演じるために嘲笑した。
するとリュアは暫くの間、虚ろな目をして動かなくなった。その間俺は、仮面で自分の顔を覆って黙っていた。リュアからは喜怒哀楽のどの感情も感じなかった。二人でいるのに、暗い夜に俺が一人取り残されたような、そんな感覚だった。それがリュアの癖だった。
どれくらいの時間がたっただろうか。リュアは唐突に、自信ありげに大きく頷いた。その様は、幼い子供がいたずらを思いついたような、無邪気さがあった。
リュアは楽しそうでいて、とても恐ろしいことを言った。
「もう、逃げよう?私、決めたから!悪天使に感情を教えるって。泣くことの苦しさ、笑うことの楽しさ、怒ることの虚しさを教える!今はアリス兵長の命令通りに動いてるけど、感情を知って天使になれば、保護団について来てくれるかもしれない。だから……」
「リュア!冷静に考えてみろ!この軍基地の中でそんなことしたら、勘のいい兵長はすぐに気付くに違いない!感情を与えていることを悟られたら、どうなるか分かったもんじゃねぇぜ?」
俺が何とか危険な方向に舵を切らないように説得しても、リュアは表情を変えることはなかった。それどころか無理やり笑顔を作って、心配性な俺を安心させようとまでしてくる。
「だーいじょーぶ!私を誰だと思ってるの?悪天使保護団の元団長だよ?信頼されるスキル持ってるんだから!失敗しても、大切な悪天使だけは、絶対に逃がすから!ちゃんと感情付きでね!」
はにかむ顔、謎に自身に満ち溢れた話し方。それらを全部、俺は幼い頃から知っている。この顔に、どれだけ勇気づけられてきたか。この話し方に、どれだけ心配させられたか。思い返せば、どの失敗談も懐かしい。
そして俺は確信した。この元団長には、想像のつかないほどの重い責任と覚悟があることを。俺はリュアが保護団を去る背中を見ていないが、あの時点できっと分かっていたのだろう。そうでなければ、ルナにあんなもの渡さなかったはずだ。
俺はリュアに背中を向けて、夜空に輝く月を仰いだ。満月だった。満月は細い月より良いとされているが、俺はたまに恐ろしい。だって、もうこれ以上太らねぇじゃねぇか。細い月が悪いなら、細くなることしかできねぇ満月はどうなるんだ。
「俺は昔から、お前に付いて行ってたさ。危険なことは止めたが、最後にはお前の熱意に負けてお前に付いていった。どうやら俺は、お前のその顔と話し方に弱いらしい」
月が朧月へと変貌する。リュアは何も言わない。
「お前さぁ、無責任なことすんなよな。昔から危険なことをすることはあっても、なんだかんだでお前、無事だったじゃねぇか。今回もそうなんだろうな?勝手にお前が作った保護団を勝手に抜けやがって。残された俺たちはどうすりゃいいんだよ。作ったからには悲願を叶えてから死ねよ」
背中ですすり泣く声が聞こえる。
「お前は一人で戦う気だろうが、俺たちもこの夜空が繋がってる範囲で戦ってること、忘れんなよ」
そう言い放って、俺はベランダから飛び降りた。振り返っては行けねぇ気がした。
今俺は任務中なんだ!
あ?どんな任務かって?それはだな!フッフッフッ。プロデスト軍にいる悪天使の世話人に、保護団の情報を配達するという任務だ!
そのために俺は、見張りがうじゃうじゃいる門を掻い潜り、監視カメラの目を盗み、電流の流れる塀を飛び越え……って、これだとなんか俺が悪役みたいじゃねぇか!
……まぁ、悲しみを紛らわすのはこれくらいにするか。せっかく俺には感情があるんだからな。
二人の犠牲者が出てしまったのは、流石の俺も堪えたぜ。感情ってのは、こういう時に厄介だな。それでも悪天使に与えたいという思いは揺るがないけどな。
感傷に浸っている間に、もう既にリュアの部屋の前に辿り着いていた。
二階にある、ベランダ付きの部屋。リュアも随分と信用されたもんだな。それとも俺が舐められてんのか?これじゃあまるで、「侵入してください」といわれてるようなもんじゃねぇか!はぁ、なんかムカついてきたな。さっさと行くか。
は?どうやって二階に行くのかって?バカ言え、鳩に高さは関係ねぇぜ!
俺は助走をつけて飛んだ。そして、夜の静寂を壊さないエレガントな着地!どうだ?こんなの、俺にとっちゃ朝飯前だぜ!ま、今は夜だけどな!はっはっはっは!
「…シャ!ローシャ!声出てるって!」
俺が一人で笑っていると、リュアが慌てて部屋から出てきた。
く……、俺としたことが、なんというミスを……。
「き、聞かれてねぇ……よな?」
俺は恐る恐る尋ねた。
「まぁ、聞かれてたら今頃ローシャは檻の中だから、多分平気」
「だ、だよなー」
危うい危うい。鳥籠の中の鳩ほど無力なものはねぇからな。
さて、冗談はこのくらいにして。
「リュア。今日の情報を配達にあがったぜ。と言っても……なんとなく、分かってんだろ?」
俺が仮面を外しながら言うと、リュアは悲しそうに笑い、俯いた。きっと俺を気遣っているのだろう。
「私たちはさ、悪天使を救う保護団だよね?なのにどうして、無事救うことができた天使の命を奪ってしまうのかな」
やっぱり。元団長は分かっていた、犠牲になったのは、悪天使に殺されたルナとイアンでないことを。本当の犠牲者は、二人を生き返らせるために代償として死んでいった、慈愛に満ちた天使であることを。
天使という生物は、下手をしたら悪天使より残酷なもので、回復した分の傷や病を代償として自ら負うことになる。それだけなら自身を回復させるだけで良いのだが、死者を生き返らせるとなると、そうは行かない。なぜなら、自身が代償として死んでしまっては、回復ができないからだ。
それでも俺たちが悪天使を天使に変化させるのは、天使こそが神に与えられた真の姿だからだ。天から命を授かった者が人を殺すための道具だなんて間違っている。悪天使は、蛹みたいなもんだ。感情を与えられて、天使になって、救いたい人ができる。その想いを味わって初めて、彼らは羽を広げて、この世界を飛ぶことができるのだろう。
とはいえ、俺は必ずしも救いたい人を救う天使になれとは思わない。たとえ能力があっても、感情を持っている限り別の欲求を湧かせることだってできるのだから。
今この軍基地で粗雑に扱われている悪天使たちも、絶対に天使に変化させてやりたい。
だが。
「今はルナとイアンが死んだことになっているが、バレるのも時間の問題だぜ?それがバレたら、プロデスト軍は再び、保護団を襲いに来るだろう。他の軍に悪天使が渡れば厄介だからな。そうなったらまた、俺たちを生き返らせるために天使が死んじまう。さぁ、どうする?悪天使保護団の、元団長さんよぉ」
俺は、「いつものカッコつけのローシャ」を演じるために嘲笑した。
するとリュアは暫くの間、虚ろな目をして動かなくなった。その間俺は、仮面で自分の顔を覆って黙っていた。リュアからは喜怒哀楽のどの感情も感じなかった。二人でいるのに、暗い夜に俺が一人取り残されたような、そんな感覚だった。それがリュアの癖だった。
どれくらいの時間がたっただろうか。リュアは唐突に、自信ありげに大きく頷いた。その様は、幼い子供がいたずらを思いついたような、無邪気さがあった。
リュアは楽しそうでいて、とても恐ろしいことを言った。
「もう、逃げよう?私、決めたから!悪天使に感情を教えるって。泣くことの苦しさ、笑うことの楽しさ、怒ることの虚しさを教える!今はアリス兵長の命令通りに動いてるけど、感情を知って天使になれば、保護団について来てくれるかもしれない。だから……」
「リュア!冷静に考えてみろ!この軍基地の中でそんなことしたら、勘のいい兵長はすぐに気付くに違いない!感情を与えていることを悟られたら、どうなるか分かったもんじゃねぇぜ?」
俺が何とか危険な方向に舵を切らないように説得しても、リュアは表情を変えることはなかった。それどころか無理やり笑顔を作って、心配性な俺を安心させようとまでしてくる。
「だーいじょーぶ!私を誰だと思ってるの?悪天使保護団の元団長だよ?信頼されるスキル持ってるんだから!失敗しても、大切な悪天使だけは、絶対に逃がすから!ちゃんと感情付きでね!」
はにかむ顔、謎に自身に満ち溢れた話し方。それらを全部、俺は幼い頃から知っている。この顔に、どれだけ勇気づけられてきたか。この話し方に、どれだけ心配させられたか。思い返せば、どの失敗談も懐かしい。
そして俺は確信した。この元団長には、想像のつかないほどの重い責任と覚悟があることを。俺はリュアが保護団を去る背中を見ていないが、あの時点できっと分かっていたのだろう。そうでなければ、ルナにあんなもの渡さなかったはずだ。
俺はリュアに背中を向けて、夜空に輝く月を仰いだ。満月だった。満月は細い月より良いとされているが、俺はたまに恐ろしい。だって、もうこれ以上太らねぇじゃねぇか。細い月が悪いなら、細くなることしかできねぇ満月はどうなるんだ。
「俺は昔から、お前に付いて行ってたさ。危険なことは止めたが、最後にはお前の熱意に負けてお前に付いていった。どうやら俺は、お前のその顔と話し方に弱いらしい」
月が朧月へと変貌する。リュアは何も言わない。
「お前さぁ、無責任なことすんなよな。昔から危険なことをすることはあっても、なんだかんだでお前、無事だったじゃねぇか。今回もそうなんだろうな?勝手にお前が作った保護団を勝手に抜けやがって。残された俺たちはどうすりゃいいんだよ。作ったからには悲願を叶えてから死ねよ」
背中ですすり泣く声が聞こえる。
「お前は一人で戦う気だろうが、俺たちもこの夜空が繋がってる範囲で戦ってること、忘れんなよ」
そう言い放って、俺はベランダから飛び降りた。振り返っては行けねぇ気がした。
0
お気に入りに追加
11
あなたにおすすめの小説
病気になって芸能界から消えたアイドル。退院し、復学先の高校には昔の仕事仲間が居たけれど、彼女は俺だと気付かない
月島日向
ライト文芸
俺、日生遼、本名、竹中祐は2年前に病に倒れた。
人気絶頂だった『Cherry’s』のリーダーをやめた。
2年間の闘病生活に一区切りし、久しぶりに高校に通うことになった。けど、誰も俺の事を元アイドルだとは思わない。薬で細くなった手足。そんな細身の体にアンバランスなムーンフェイス(薬の副作用で顔だけが大きくなる事)
。
誰も俺に気付いてはくれない。そう。
2年間、連絡をくれ続け、俺が無視してきた彼女さえも。
もう、全部どうでもよく感じた。
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
小さなことから〜露出〜えみ〜
サイコロ
恋愛
私の露出…
毎日更新していこうと思います
よろしくおねがいします
感想等お待ちしております
取り入れて欲しい内容なども
書いてくださいね
よりみなさんにお近く
考えやすく
5年も苦しんだのだから、もうスッキリ幸せになってもいいですよね?
gacchi
恋愛
13歳の学園入学時から5年、第一王子と婚約しているミレーヌは王子妃教育に疲れていた。好きでもない王子のために苦労する意味ってあるんでしょうか。
そんなミレーヌに王子は新しい恋人を連れて
「婚約解消してくれる?優しいミレーヌなら許してくれるよね?」
もう私、こんな婚約者忘れてスッキリ幸せになってもいいですよね?
3/5 1章完結しました。おまけの後、2章になります。
4/4 完結しました。奨励賞受賞ありがとうございました。
1章が書籍になりました。
仮想戦記:蒼穹のレブナント ~ 如何にして空襲を免れるか
サクラ近衛将監
ファンタジー
レブナントとは、フランス語で「帰る」、「戻る」、「再び来る」という意味のレヴニール(Revenir)に由来し、ここでは「死から戻って来たりし者」のこと。
昭和11年、広島市内で瀬戸物店を営む中年のオヤジが、唐突に転生者の記憶を呼び覚ます。
記憶のひとつは、百年も未来の科学者であり、無謀な者が引き起こした自動車事故により唐突に三十代の半ばで死んだ男の記憶だが、今ひとつは、その未来の男が異世界屈指の錬金術師に転生して百有余年を生きた記憶だった。
二つの記憶は、中年男の中で覚醒し、自分の住む日本が、この町が、空襲に遭って焦土に変わる未来を知っってしまった。
男はその未来を変えるべく立ち上がる。
この物語は、戦前に生きたオヤジが自ら持つ知識と能力を最大限に駆使して、焦土と化す未来を変えようとする物語である。
この物語は飽くまで仮想戦記であり、登場する人物や団体・組織によく似た人物や団体が過去にあったにしても、当該実在の人物もしくは団体とは関りが無いことをご承知おきください。
投稿は不定期ですが、一応毎週火曜日午後8時を予定しており、「アルファポリス」様、「カクヨム」様、「小説を読もう」様に同時投稿します。
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
元おっさんの俺、公爵家嫡男に転生~普通にしてるだけなのに、次々と問題が降りかかってくる~
おとら@ 書籍発売中
ファンタジー
アルカディア王国の公爵家嫡男であるアレク(十六歳)はある日突然、前触れもなく前世の記憶を蘇らせる。
どうやら、それまでの自分はグータラ生活を送っていて、ろくでもない評判のようだ。
そんな中、アラフォー社畜だった前世の記憶が蘇り混乱しつつも、今の生活に慣れようとするが……。
その行動は以前とは違く見え、色々と勘違いをされる羽目に。
その結果、様々な女性に迫られることになる。
元婚約者にしてツンデレ王女、専属メイドのお調子者エルフ、決闘を仕掛けてくるクーデレ竜人姫、世話をすることなったドジっ子犬耳娘など……。
「ハーレムは嫌だァァァァ! どうしてこうなった!?」
今日も、そんな彼の悲鳴が響き渡る。
余命宣告を受けたので私を顧みない家族と婚約者に執着するのをやめることにしました
結城芙由奈@12/27電子書籍配信
恋愛
【余命半年―未練を残さず生きようと決めた。】
私には血の繋がらない父と母に妹、そして婚約者がいる。しかしあの人達は私の存在を無視し、空気の様に扱う。唯一の希望であるはずの婚約者も愛らしい妹と恋愛関係にあった。皆に気に入られる為に努力し続けたが、誰も私を気に掛けてはくれない。そんな時、突然下された余命宣告。全てを諦めた私は穏やかな死を迎える為に、家族と婚約者に執着するのをやめる事にした―。
2021年9月26日:小説部門、HOTランキング部門1位になりました。ありがとうございます
*「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
※2023年8月 書籍化
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる