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嫉妬の熱※
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グラッセは医者に手当をしてもらい、後は安静にするように言われ、上着を脱ぎ捨ててベッドに入った。
隣にはシエルが椅子に座ってグラッセの手を握ってみる。彼の身体が熱を持っているとわかると彼女は手袋を外して手をもう一度握り直した。ひんやりとした彼女の手が心地よく、グラッセは目を細める。
「シエル……キミに謝らないといけないことがあるんだ」
グラッセは彼女に視線を向けると小さな声で話し出す。シエルは大人しく彼の話を聞くことにした。
「少し前まで妊娠をしないように薬を飲んでいた」
「え?」
急に言われた言葉にシエルは驚きの声を上げ、グラッセは握る手に力を込めた。
「最低なことなんだが……俺は本当は結婚はしたくなかったんだ。恋愛に興味がないし、所帯を持つとか面倒だとずっと思っていた。でも国王からの命令で断ることができなかった」
「嫌、でしたか」
悲しげなシエルの言葉にグラッセは黙り込むとしばらく沈黙が続き、そして彼は口を開いた。その声はいつもよりも弱々しい。
「それで二年間、子供ができなければ離婚ができる。そのために避妊を続けていた」
シエルが頑張って子作りに励んでいる時、グラッセは彼女を騙して裏切っていた。そんな自分に今更後悔をしている。
「だが俺はどんどんシエルに惹かれていってしまった……キミと過ごす日々が幸せだった。だから結婚したことを今は後悔していない。シエルとの子供を心の底から望んでいる……俺の勝手で悲しませてしまって……本当にすまない」
グラッセはシエルに謝罪をするとシエルは小さく笑い始めた。
「なんとなく、最初は嫌われていたのかと疑っていました……旦那様は意地悪な人ですね」
意地悪、なんて軽いものでは済まされない。シエルはきっと傷ついていたはずだ。それなのに彼女は笑っている。
「許してくれるのか……俺を……」
「だって、旦那様のことが大好きですから」
グラッセが恐る恐る尋ねると彼女は微笑みながら答えた。グラッセは思わず目頭が熱くなると顔を逸らす。
「ありがとう……」
シエルにとってグラッセは愛しい存在であり、かけがえのない大切な人だ。
彼と出会って結婚したことは間違いではなかった。忌み姫と呼ばれて氷の精霊の加護を受け継いでしまった運命は今となってはこの人と出会うための試練であったのではないかと思える。
グラッセの頬に触れると自分の方へ引き寄せて優しく頬にキスをした。グラッセもシエルの背中に腕を回して抱きしめ返すとそのまま彼の上に乗るようにして倒れ込む。
「んっ……旦那様……固くなってますよ」
「それは薬で……」
シエルは自分身体に当たる夫の下半身の変化に気づき、クスリと笑うとグラッセは恥ずかしそうにして彼女を引き離そうとするが離れようとしない。
それどころかシエルはゆっくりと服の中に手を入れてきたのだ。
「待て、明日には収まる……」
「一度出してしまった方が楽になりませんか?」
「いいや、大丈夫……」
グラッセはなんとか引き剥がそうと必死に抵抗するが、力が入らず上手くいかない。
その間にもシエルはズボン越しに触れてきて刺激を与えてくる。息が上がり始め、彼女が触れる度に身体が小さく震えた。
「シエル……」
「我慢なさらないでください……旦那様、とてもお辛そうですもの……」
彼女は甘い声で囁きながら指先で触れてくるとグラッセは抵抗する力を失い始める。それを察したシエルは彼のズボンの前を開けて、寛げるとすでに大きくなっている性器が現れた。
「まあ、こんなに大きくなられて……」
「お姫様はそんなことしなくていい」
上半身を起こして止めようとするがシエルはそのままグラッセのものに触れようとする。しかしシエルの手は冷たいので性器を直接触るのは危険だ。
少しだけ間をおいて躊躇もしたが、意を決してシエルは舌を出して先端に触れた。
「……っ!」
小さな舌で丁寧に舐めていくとグラッセはビクッとして身体を大きく震わせた。
こんなことは本の知識でしか知らない。下手かもしれないけれどシエルなりの精一杯だった。
(熱い……)
熱く、硬く張り詰めている。これがいつも自分の中で暴れ回っていると思うとゾクリとしたものが背筋に走った。
男性器なんて口にするなんて絶対に無理だと思えたが不思議とその嫌悪感はない。むしろ彼のものならもっと味わいたいと思ってしまう自分がいる。
それにシエルは夫に対する愛情の他に嫉妬心もあることに気がつき始めていた。
ひと時でも姉がグラッセを独占をし、薬まで盛っていたことに対して怒りを覚えてしまう。その気持ちを抑えることができない。
他の女性には渡したくない、これは私のものだ。と独占欲が湧いてしまい……この感情を抑えられない。
「それ以上したら出るぞ……口を離せ……頼むから」
グラッセはシエルの頭を撫でて切なそうな表情を浮かべるとシエルは彼を見つめてから素直に口を離した。唾液と先走り液が糸を引いており、それが切れるとグラッセは指でそれを拭ってシエルを見下ろす。
「気持ちよくありませんでしたか……?」
不安げにするシエルを見てグラッセは大きくため息をつくと彼女の頭を撫でた。
*
ドレスや身に着けていたものを脱いで、シュミーズ姿になったシエルはグラッセの上に跨る形になった。手に怪我をしていて媚薬で身体の自由がきかないというのもあってシエルが上になることにしたのだ。
「重くないですか?」
「少し、太ったな」
「旦那様のせいですからね。ご飯が美味しいし……それに一緒に食事をするようになってからは以前よりも食べる量が増えました」
恥ずかしそうで、どこか楽し気なシエルの声を聞いてグラッセは小さく笑みを見せると怪我をしていない方の手で腰を支えるように掴むとシエルはそっとそそり立つ彼のものを秘所にあてがい始めた。
上手く入らなかったので何度か滑らせてようやく入口を見つけることができる。
ゆっくりと入れようとしたが緊張しているせいなのか中々入ってくれない。
「焦る必要はない……ゆっくり慣らせ」
「はい……」
優しく言われてシエルは小さく返事をすると深呼吸をしてからくちゅりと音を立てて少しずつ挿入していく。その感覚だけでグラッセのものは反応してしまい大きくなる。
「んっ……あっ……まだ大きく……」
「…………」
「だ、大丈夫です……入りますから」
苦笑しながらグラッセに言うとシエルは再び深く息を吐いて奥へと進めていった。
時間をかけて根元まで入ると子宮の入り口をコツンと突いた。それだけのことでシエルは軽く達してしまう。
「……んんっ……」
「入ったな」
「はい……」
嬉しそうにシエルは答えるとグラッセの腹の上に手をついて自分の体重をかけて恐々と動く。グラッセの方もシエルの動きに合わせて突き上げ、時折下腹部を優しく撫でた。
「はっ……んっ……」
最初はぎこちなかったが徐々に慣れてきたのか声色が変わり始め、動きも大胆になっていく。グラッセの身体の上で跳ねるようにして自ら快楽を求める。
それに応えるかのようにグラッセが手を伸ばして胸を掴むとシエルは一際大きな声で喘いだ。
「だ、だめ……そこは……」
シエルの反応を楽しむようにグラッセは揉んでいき、シュミーズの上から乳首を引っ張ったりして弄ぶ。シエルはその度に身体を震わせて甘い声で鳴き続けた。
「あんっ、あぁ……」
「シエル、可愛いよ」
「だ、旦那様……もっと……ください……」
シエルが蕩けた顔をしながら強請ると腰を上下に動かし、膣内で締め付ける。グラッセは息を詰まらせるとそのまま激しくシエルを突き上げた。
「あぁ!そんな、激し……あぅ!」
「先に煽った方が悪いんだぞ……もう我慢できない」
「旦那様……私の中にいっぱい出してくださ……ああんっ」
言い終わる前にグラッセが突き上げるとシエルは仰け反りながら絶頂を迎えた。同時にグラッセも果ててしまい白濁液が中に注がれていく。
「ふぁ……熱い……」
ふうふうと荒い息を繰り返しているとグラッセは繋がったままシエルの腕を掴み、抱き寄せて唇を重ねてくる。そして舌を差し込んできて口内を犯し、シエルもそれを受け入れた。
「んぅ……ふ……ぅん……」
頭の芯が痺れるような感覚に陥り、何も考えられなくなる。シエルは夢中でグラッセの首にしがみつき、自分からも求めるように彼の舌を求めた。
「好きだ……愛している」
「私も……好き……大好きです……だからもっと……たくさん感じてください……私のことだけを考えていて……お願いします」
唇が離れるとシエルは懇願するように耳元囁く。その甘い声が脳や腰に直接響いて彼女の中に入ったまま再び硬くなり始める。まだ足りない。シエルが欲しいという欲求が高まっていき、手の痛みを忘れて両手で彼女の尻を鷲掴みにして突き上る。
「あっ、や……待って……今、イッたばかり……なのにぃ……ああっ」
何度もシエルの中を突いていく。彼女は涙を浮かべながらも必死にしがみついて耳元で甘く喘ぐ。その声にグラッセのものは更に大きさを増し、子宮口をこじ開けようとするかの如く強く打ち付け始めた。
「ご、ごめん、なさ……負担、かけ……て……」
「いいんだ……気にするな。それよりも今はキミを愛したい」
「あっ、あっ、い、いいです……好きに……好きに、し……きゃあ」
シエルの言葉を聞いてグラッセは一度抜いてから彼女をベッドに押し倒すと覆いかぶさる体勢になり、腰を打ち付けた。肌同士がぶつかり合う音が響き、結合部から溢れる水音も大きくなっていく。
「んっ……あぁ……旦那様ので中が満たされて……嬉しい……」
「ああ、俺もだよ」
「もっと……めちゃくちゃに……して……」
普段の清楚可憐な彼女からは想像ができないほどの淫らな姿にグラッセは興奮を覚え、シエルの両足を持ち上げて肩にかけると、より深く繋がるために角度を変えて責め立てる。
「あぁっ、深い、です……気持ちい……んん……」
グラッセは動きを止めずに突き上げ続け、子宮口に先端を押し当てるようにして射精すると、それを受け入れるかのようにシエルの身体は大きく跳ね上がった。
「んっ、んん……っ……あぁ……」
余韻に浸る間もなくグラッセは再び腰を動かし始める。シエルはされるがままに揺さぶられ、快楽の波に溺れていった。
「だ、旦那様、もっと……ください……」
快楽に堕ちた彼女は更なる快楽を求めて自ら誘うように見つめてきた。その姿に抑えが効かなくなり、激しく突き上げ、欲望のままに犯していく。
それから夜が明けるまでグラッセはシエルを求め続けたのだった。
隣にはシエルが椅子に座ってグラッセの手を握ってみる。彼の身体が熱を持っているとわかると彼女は手袋を外して手をもう一度握り直した。ひんやりとした彼女の手が心地よく、グラッセは目を細める。
「シエル……キミに謝らないといけないことがあるんだ」
グラッセは彼女に視線を向けると小さな声で話し出す。シエルは大人しく彼の話を聞くことにした。
「少し前まで妊娠をしないように薬を飲んでいた」
「え?」
急に言われた言葉にシエルは驚きの声を上げ、グラッセは握る手に力を込めた。
「最低なことなんだが……俺は本当は結婚はしたくなかったんだ。恋愛に興味がないし、所帯を持つとか面倒だとずっと思っていた。でも国王からの命令で断ることができなかった」
「嫌、でしたか」
悲しげなシエルの言葉にグラッセは黙り込むとしばらく沈黙が続き、そして彼は口を開いた。その声はいつもよりも弱々しい。
「それで二年間、子供ができなければ離婚ができる。そのために避妊を続けていた」
シエルが頑張って子作りに励んでいる時、グラッセは彼女を騙して裏切っていた。そんな自分に今更後悔をしている。
「だが俺はどんどんシエルに惹かれていってしまった……キミと過ごす日々が幸せだった。だから結婚したことを今は後悔していない。シエルとの子供を心の底から望んでいる……俺の勝手で悲しませてしまって……本当にすまない」
グラッセはシエルに謝罪をするとシエルは小さく笑い始めた。
「なんとなく、最初は嫌われていたのかと疑っていました……旦那様は意地悪な人ですね」
意地悪、なんて軽いものでは済まされない。シエルはきっと傷ついていたはずだ。それなのに彼女は笑っている。
「許してくれるのか……俺を……」
「だって、旦那様のことが大好きですから」
グラッセが恐る恐る尋ねると彼女は微笑みながら答えた。グラッセは思わず目頭が熱くなると顔を逸らす。
「ありがとう……」
シエルにとってグラッセは愛しい存在であり、かけがえのない大切な人だ。
彼と出会って結婚したことは間違いではなかった。忌み姫と呼ばれて氷の精霊の加護を受け継いでしまった運命は今となってはこの人と出会うための試練であったのではないかと思える。
グラッセの頬に触れると自分の方へ引き寄せて優しく頬にキスをした。グラッセもシエルの背中に腕を回して抱きしめ返すとそのまま彼の上に乗るようにして倒れ込む。
「んっ……旦那様……固くなってますよ」
「それは薬で……」
シエルは自分身体に当たる夫の下半身の変化に気づき、クスリと笑うとグラッセは恥ずかしそうにして彼女を引き離そうとするが離れようとしない。
それどころかシエルはゆっくりと服の中に手を入れてきたのだ。
「待て、明日には収まる……」
「一度出してしまった方が楽になりませんか?」
「いいや、大丈夫……」
グラッセはなんとか引き剥がそうと必死に抵抗するが、力が入らず上手くいかない。
その間にもシエルはズボン越しに触れてきて刺激を与えてくる。息が上がり始め、彼女が触れる度に身体が小さく震えた。
「シエル……」
「我慢なさらないでください……旦那様、とてもお辛そうですもの……」
彼女は甘い声で囁きながら指先で触れてくるとグラッセは抵抗する力を失い始める。それを察したシエルは彼のズボンの前を開けて、寛げるとすでに大きくなっている性器が現れた。
「まあ、こんなに大きくなられて……」
「お姫様はそんなことしなくていい」
上半身を起こして止めようとするがシエルはそのままグラッセのものに触れようとする。しかしシエルの手は冷たいので性器を直接触るのは危険だ。
少しだけ間をおいて躊躇もしたが、意を決してシエルは舌を出して先端に触れた。
「……っ!」
小さな舌で丁寧に舐めていくとグラッセはビクッとして身体を大きく震わせた。
こんなことは本の知識でしか知らない。下手かもしれないけれどシエルなりの精一杯だった。
(熱い……)
熱く、硬く張り詰めている。これがいつも自分の中で暴れ回っていると思うとゾクリとしたものが背筋に走った。
男性器なんて口にするなんて絶対に無理だと思えたが不思議とその嫌悪感はない。むしろ彼のものならもっと味わいたいと思ってしまう自分がいる。
それにシエルは夫に対する愛情の他に嫉妬心もあることに気がつき始めていた。
ひと時でも姉がグラッセを独占をし、薬まで盛っていたことに対して怒りを覚えてしまう。その気持ちを抑えることができない。
他の女性には渡したくない、これは私のものだ。と独占欲が湧いてしまい……この感情を抑えられない。
「それ以上したら出るぞ……口を離せ……頼むから」
グラッセはシエルの頭を撫でて切なそうな表情を浮かべるとシエルは彼を見つめてから素直に口を離した。唾液と先走り液が糸を引いており、それが切れるとグラッセは指でそれを拭ってシエルを見下ろす。
「気持ちよくありませんでしたか……?」
不安げにするシエルを見てグラッセは大きくため息をつくと彼女の頭を撫でた。
*
ドレスや身に着けていたものを脱いで、シュミーズ姿になったシエルはグラッセの上に跨る形になった。手に怪我をしていて媚薬で身体の自由がきかないというのもあってシエルが上になることにしたのだ。
「重くないですか?」
「少し、太ったな」
「旦那様のせいですからね。ご飯が美味しいし……それに一緒に食事をするようになってからは以前よりも食べる量が増えました」
恥ずかしそうで、どこか楽し気なシエルの声を聞いてグラッセは小さく笑みを見せると怪我をしていない方の手で腰を支えるように掴むとシエルはそっとそそり立つ彼のものを秘所にあてがい始めた。
上手く入らなかったので何度か滑らせてようやく入口を見つけることができる。
ゆっくりと入れようとしたが緊張しているせいなのか中々入ってくれない。
「焦る必要はない……ゆっくり慣らせ」
「はい……」
優しく言われてシエルは小さく返事をすると深呼吸をしてからくちゅりと音を立てて少しずつ挿入していく。その感覚だけでグラッセのものは反応してしまい大きくなる。
「んっ……あっ……まだ大きく……」
「…………」
「だ、大丈夫です……入りますから」
苦笑しながらグラッセに言うとシエルは再び深く息を吐いて奥へと進めていった。
時間をかけて根元まで入ると子宮の入り口をコツンと突いた。それだけのことでシエルは軽く達してしまう。
「……んんっ……」
「入ったな」
「はい……」
嬉しそうにシエルは答えるとグラッセの腹の上に手をついて自分の体重をかけて恐々と動く。グラッセの方もシエルの動きに合わせて突き上げ、時折下腹部を優しく撫でた。
「はっ……んっ……」
最初はぎこちなかったが徐々に慣れてきたのか声色が変わり始め、動きも大胆になっていく。グラッセの身体の上で跳ねるようにして自ら快楽を求める。
それに応えるかのようにグラッセが手を伸ばして胸を掴むとシエルは一際大きな声で喘いだ。
「だ、だめ……そこは……」
シエルの反応を楽しむようにグラッセは揉んでいき、シュミーズの上から乳首を引っ張ったりして弄ぶ。シエルはその度に身体を震わせて甘い声で鳴き続けた。
「あんっ、あぁ……」
「シエル、可愛いよ」
「だ、旦那様……もっと……ください……」
シエルが蕩けた顔をしながら強請ると腰を上下に動かし、膣内で締め付ける。グラッセは息を詰まらせるとそのまま激しくシエルを突き上げた。
「あぁ!そんな、激し……あぅ!」
「先に煽った方が悪いんだぞ……もう我慢できない」
「旦那様……私の中にいっぱい出してくださ……ああんっ」
言い終わる前にグラッセが突き上げるとシエルは仰け反りながら絶頂を迎えた。同時にグラッセも果ててしまい白濁液が中に注がれていく。
「ふぁ……熱い……」
ふうふうと荒い息を繰り返しているとグラッセは繋がったままシエルの腕を掴み、抱き寄せて唇を重ねてくる。そして舌を差し込んできて口内を犯し、シエルもそれを受け入れた。
「んぅ……ふ……ぅん……」
頭の芯が痺れるような感覚に陥り、何も考えられなくなる。シエルは夢中でグラッセの首にしがみつき、自分からも求めるように彼の舌を求めた。
「好きだ……愛している」
「私も……好き……大好きです……だからもっと……たくさん感じてください……私のことだけを考えていて……お願いします」
唇が離れるとシエルは懇願するように耳元囁く。その甘い声が脳や腰に直接響いて彼女の中に入ったまま再び硬くなり始める。まだ足りない。シエルが欲しいという欲求が高まっていき、手の痛みを忘れて両手で彼女の尻を鷲掴みにして突き上る。
「あっ、や……待って……今、イッたばかり……なのにぃ……ああっ」
何度もシエルの中を突いていく。彼女は涙を浮かべながらも必死にしがみついて耳元で甘く喘ぐ。その声にグラッセのものは更に大きさを増し、子宮口をこじ開けようとするかの如く強く打ち付け始めた。
「ご、ごめん、なさ……負担、かけ……て……」
「いいんだ……気にするな。それよりも今はキミを愛したい」
「あっ、あっ、い、いいです……好きに……好きに、し……きゃあ」
シエルの言葉を聞いてグラッセは一度抜いてから彼女をベッドに押し倒すと覆いかぶさる体勢になり、腰を打ち付けた。肌同士がぶつかり合う音が響き、結合部から溢れる水音も大きくなっていく。
「んっ……あぁ……旦那様ので中が満たされて……嬉しい……」
「ああ、俺もだよ」
「もっと……めちゃくちゃに……して……」
普段の清楚可憐な彼女からは想像ができないほどの淫らな姿にグラッセは興奮を覚え、シエルの両足を持ち上げて肩にかけると、より深く繋がるために角度を変えて責め立てる。
「あぁっ、深い、です……気持ちい……んん……」
グラッセは動きを止めずに突き上げ続け、子宮口に先端を押し当てるようにして射精すると、それを受け入れるかのようにシエルの身体は大きく跳ね上がった。
「んっ、んん……っ……あぁ……」
余韻に浸る間もなくグラッセは再び腰を動かし始める。シエルはされるがままに揺さぶられ、快楽の波に溺れていった。
「だ、旦那様、もっと……ください……」
快楽に堕ちた彼女は更なる快楽を求めて自ら誘うように見つめてきた。その姿に抑えが効かなくなり、激しく突き上げ、欲望のままに犯していく。
それから夜が明けるまでグラッセはシエルを求め続けたのだった。
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