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既成事実
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休憩室は高価そうな調度品が置かれており、ソファには柔らかなクッションが敷かれている。
部屋の奥にある暖炉からは薪の燃える音が響き、窓から見える景色は相変わらずの悪天候だ。そして部屋の隅に設置されているベッドの存在に気づいた冷や汗を流す。
部屋の中央に置かれたテーブルに座った二人は向かい合うようにして紅茶を飲んでいた。
味がしない。何故こんなことになったのか。どうしてこうなったのか。目の前にいるフローラを見ているとグラッセの頭の中には疑問が浮かんでくる。
「それで……フローラ様、私に何の話があるんですか?」
グラッセは努めて冷静な口調で尋ねた。だが、内心は心臓が破裂しそうになるくらい緊張している。
「シエルと……うまく……」
そこまで言うと彼女は黙ってしまい、俯き、肩を大きく震わせる。用件があるならさっさと言ってほしいのにいつまでたっても言い出さない。
イラついた彼は思わず舌打ちをしそうになったがそれを我慢する。下手に怒らせるわけにもいかない。
「グラッセ様はシエル様との夫婦生活が上手くいっていないようで、フローラ様が心配なさっています」
フローラの代わりにゼブラが口を開いた。その言葉を聞いた瞬間、グラッセの身体が固まる。
「……どういう意味ですか?」
「そのままの意味です。一年間経っておられるのに子供も生まれず、夜の生活もあまりしていないと聞いておりますが?」
確かに国王からは何度か「子供はまだか?」と尋ねられたことがある。それに対してグラッセは曖昧な返事で誤魔化していた。それが姉のフローラの耳に入ったのだろうか。
「シエルのことは愛しています。子供は授かりものなのでしょうがないでしょう」
グラッセは作り笑顔を浮かべて答えるとフローラの様子を伺う。すると彼女は唇を噛み締めて目に涙を浮かべているだけだ。
「避妊薬を飲んでいるのに……ですか?」
「なんの……話だ?」
ゼブラの言葉にグラッセは動揺を隠すように尋ねると執事はため息をつく。そして懐から証拠となる小瓶を取り出すとグラッセに見せた。
中には白い錠剤が入っている。その正体が何なのかすぐに理解できた。
「貴方はシエル様との間に子供が生まれないよう、避妊薬を服用していると報告を受けています」
「そんなこと、誰が言ったんだ?」
「屋敷の使用人ですよ」
「だから誰が……」
グラッセは目眩を覚える。今は使っていないとはいえ確かに避妊薬は使っていた。それがフローラに知られたということは国王にも知られている可能性が高い。
そしてシエルにも知られるのは時間の問題だろう。彼女その裏切りを知ってしまえば間違いなく心を傷つけ、悪天候を更に悪化してしまうかもしれない。
そう考えるとグラッセは頭が痛くなった。本当に自分は愚かな真似をしてしまったと。
「何故、そんなことを……?」
ようやく口を開いたフローラが頬を染めながら問いかけると流石に「独身でいたかったから」とは言えないグラッセは他の言い訳を考えていた。
「も、もしかしたら……シエル以外に好きな人がいらっしゃる……?」
「は……?」
フローラの言葉にグラッセは呆気に取られる。何故その発想に至ったのか。
「違います私は……うっ……」
グラッセが弁解をしようと声を上げようとした瞬間、急にめまいがしてグラッセは胸を押さえた。
「媚薬が効いたようですね」
ゼブラがそう口にするが、それどころではなかった。意識を失いそうになりながらもグラッセは必死に耐える。
酒は飲んでいない……となるとさっき飲んだ紅茶に何かが入っていたのだと気づくと同時にグラッセはソファから立とうとして膝から崩れ落ちた。体が熱い。全身から汗が流れ落ち、呼吸が荒くなる。
「グラッセ様、グラッセ様が本当に好きなのは……わたくし……ですか?」
フローラが震えるような声で話しかけてくるがグラッセは無視をした。今はまともに会話なんてできない。今すぐこの場から離れなければまずいことになる。
だがグラッセが立ち上がろうとした瞬間、視界が大きく揺れ動くとグラッセはそのまま膝と手を床についてしまう。
「学生の頃……いつだったでしょう。グラッセ様はわたくしのことを見ていました。とても情熱的なお顔をされていまして……貴方がわたくしを見てくださっていると思うだけで嬉しかった。でも貴方はお父様の命令でシエルとご結婚されて……」
泣きそうな顔をしながらフローラは昔の記憶を蘇らせる。
昔からグラッセをいつも遠くから見ていることしかできなかった。だが一度だけ彼はフローラに熱い視線を送ってきたことがあった。
その時の彼の表情はとても熱っぽく、そして恋をしているような瞳をしていた。
グラッセが自分に対して好意を持っていると確信したフローラは彼の妻になったシエルに嫉妬を覚えることになる。
父が愛人でありシエルの母親の所に通っていた数年間、フローラとフローラの母は寂しい思いをしていた。
きっとシエルは幸せで、父の愛情を受けていたと思うとそれがまた腹ただしくて仕方がなかった。
弟のシグリッドが生まれてからは父は戻ってきて、フローラや母を溺愛するようになった。弟が生まれたことでようやく本当の家族になれたがシエルに奪われた数年間を許すことはできなかった。
そしてグラッセがフローレシア王国の姫と結婚すると噂を聞いて妻の座を手に入れたと思った時、彼女は歓喜に満ち溢れていた。やっと自分が望んでいた愛しい人を手に入れることができる喜びに心が躍った。
だが、グラッセの妻になったのはシエルだった。彼女は昔からフローラから奪っていく妹だった。
お気に入りのドレスもグラッセも、気がつけば全部シエルのものになってしまう。悔しくて何度も泣いた。父にそれを伝えようと何度も思ったが勇気がなくて何も言えなかった。
きっと、絶対に今回もフローラがグラッセに好意を寄せていると知っていて横取りをしたのだ。
「貴方の妻になるのはわたくしだった……」
フローラはそう泣きながら呟くと立ち上がり、ゆっくりとグラッセに近づいた瞬間、グラッセは絨毯を引っ張り、台の上に乗っていた花瓶を落とすとそれはガシャンと音を立てて割れた。
そして床に落ちた破片の中から一番ナイフの代わりになりそうな物を手に取るとグラッセは自分の手のひらに突き刺す。
「ぐっ……」
「グラッセ様、何を……!」
突然自傷行為を始めたグラッセの行動を見たフローラは慌てて駆け寄ろうとするとゼブラに止められてしまう。
ようやく意識が覚醒したグラッセは手から血を流しながら立ち上がるとフローラとゼブラを睨みつけ、静かに呟く。
「シエルの待つ屋敷に帰る……備品の弁償は俺がする」
懐から取り出したハンカチで傷口を縛るとグラッセはフローラにそう告げる。
そしてふらつきながらも出口に向かって歩き出すと扉に手をかけたが開かなかった。恐らく外から鍵をかけられたのだろう。
グラッセはため息をつくと今度は窓に向かう。ここは二階だ。飛び降りたとしても今のグラッセでは受け身が取れずに死ぬかもしれない。
だが彼は窓を開けると魔法で氷の階段を作り出して降りるとそのまま庭へと出た。
「グラッセ様……どうして……」
フローラは呆然としながらグラッセが去っていく姿を眺めることしかできなかった。
*
「シエル様、そろそろご就寝なさらないと明日に差し支えますよ」
夜中、アンナが客室に入ってきてシエルに声をかけるがシエルは首を横に振って拒否すると「もう少し起きています」と答えて窓の外を眺めていた。
さっきまで雪がたくさん降り続けていた天気は少し落ち着いてきており、月明かりも見え始めていた。
このまま夫が帰って来なければどうしようかと、不安な気持ちが押し寄せてくる。
「あ……」
外を眺め続けていると見慣れた雪ソリが見えた。ソリはスピードを落としながらゆっくり玄関に近づいてくるとグラッセがソリから降りるのを見てシエルは急いで部屋を出て、グラッセの元へ足早に向う。
「旦那様!」
玄関先でグラッセの姿を見るとシエルは安堵の表情を浮かべて彼に抱きついた。
「よかった……無事で……本当に良かったです」
「ああ、心配かけて悪かった……もう大丈夫だから」
グラッセはそう言うとシエルを抱き寄せようとしたが手から血が流れていることに気づくとシエルから離れる。
「その手、どうなされたのですか?顔色も悪いです。すぐに医者を呼びましょう」
「ああ……そうだな……頼む」
グラッセは疲れ切った顔をしながら答えるとシエルは「はい」と返事をして使用人に医者を呼ぶように頼み、フラフラとした足取りの夫を寝室に連れて行った。
部屋の奥にある暖炉からは薪の燃える音が響き、窓から見える景色は相変わらずの悪天候だ。そして部屋の隅に設置されているベッドの存在に気づいた冷や汗を流す。
部屋の中央に置かれたテーブルに座った二人は向かい合うようにして紅茶を飲んでいた。
味がしない。何故こんなことになったのか。どうしてこうなったのか。目の前にいるフローラを見ているとグラッセの頭の中には疑問が浮かんでくる。
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グラッセは努めて冷静な口調で尋ねた。だが、内心は心臓が破裂しそうになるくらい緊張している。
「シエルと……うまく……」
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イラついた彼は思わず舌打ちをしそうになったがそれを我慢する。下手に怒らせるわけにもいかない。
「グラッセ様はシエル様との夫婦生活が上手くいっていないようで、フローラ様が心配なさっています」
フローラの代わりにゼブラが口を開いた。その言葉を聞いた瞬間、グラッセの身体が固まる。
「……どういう意味ですか?」
「そのままの意味です。一年間経っておられるのに子供も生まれず、夜の生活もあまりしていないと聞いておりますが?」
確かに国王からは何度か「子供はまだか?」と尋ねられたことがある。それに対してグラッセは曖昧な返事で誤魔化していた。それが姉のフローラの耳に入ったのだろうか。
「シエルのことは愛しています。子供は授かりものなのでしょうがないでしょう」
グラッセは作り笑顔を浮かべて答えるとフローラの様子を伺う。すると彼女は唇を噛み締めて目に涙を浮かべているだけだ。
「避妊薬を飲んでいるのに……ですか?」
「なんの……話だ?」
ゼブラの言葉にグラッセは動揺を隠すように尋ねると執事はため息をつく。そして懐から証拠となる小瓶を取り出すとグラッセに見せた。
中には白い錠剤が入っている。その正体が何なのかすぐに理解できた。
「貴方はシエル様との間に子供が生まれないよう、避妊薬を服用していると報告を受けています」
「そんなこと、誰が言ったんだ?」
「屋敷の使用人ですよ」
「だから誰が……」
グラッセは目眩を覚える。今は使っていないとはいえ確かに避妊薬は使っていた。それがフローラに知られたということは国王にも知られている可能性が高い。
そしてシエルにも知られるのは時間の問題だろう。彼女その裏切りを知ってしまえば間違いなく心を傷つけ、悪天候を更に悪化してしまうかもしれない。
そう考えるとグラッセは頭が痛くなった。本当に自分は愚かな真似をしてしまったと。
「何故、そんなことを……?」
ようやく口を開いたフローラが頬を染めながら問いかけると流石に「独身でいたかったから」とは言えないグラッセは他の言い訳を考えていた。
「も、もしかしたら……シエル以外に好きな人がいらっしゃる……?」
「は……?」
フローラの言葉にグラッセは呆気に取られる。何故その発想に至ったのか。
「違います私は……うっ……」
グラッセが弁解をしようと声を上げようとした瞬間、急にめまいがしてグラッセは胸を押さえた。
「媚薬が効いたようですね」
ゼブラがそう口にするが、それどころではなかった。意識を失いそうになりながらもグラッセは必死に耐える。
酒は飲んでいない……となるとさっき飲んだ紅茶に何かが入っていたのだと気づくと同時にグラッセはソファから立とうとして膝から崩れ落ちた。体が熱い。全身から汗が流れ落ち、呼吸が荒くなる。
「グラッセ様、グラッセ様が本当に好きなのは……わたくし……ですか?」
フローラが震えるような声で話しかけてくるがグラッセは無視をした。今はまともに会話なんてできない。今すぐこの場から離れなければまずいことになる。
だがグラッセが立ち上がろうとした瞬間、視界が大きく揺れ動くとグラッセはそのまま膝と手を床についてしまう。
「学生の頃……いつだったでしょう。グラッセ様はわたくしのことを見ていました。とても情熱的なお顔をされていまして……貴方がわたくしを見てくださっていると思うだけで嬉しかった。でも貴方はお父様の命令でシエルとご結婚されて……」
泣きそうな顔をしながらフローラは昔の記憶を蘇らせる。
昔からグラッセをいつも遠くから見ていることしかできなかった。だが一度だけ彼はフローラに熱い視線を送ってきたことがあった。
その時の彼の表情はとても熱っぽく、そして恋をしているような瞳をしていた。
グラッセが自分に対して好意を持っていると確信したフローラは彼の妻になったシエルに嫉妬を覚えることになる。
父が愛人でありシエルの母親の所に通っていた数年間、フローラとフローラの母は寂しい思いをしていた。
きっとシエルは幸せで、父の愛情を受けていたと思うとそれがまた腹ただしくて仕方がなかった。
弟のシグリッドが生まれてからは父は戻ってきて、フローラや母を溺愛するようになった。弟が生まれたことでようやく本当の家族になれたがシエルに奪われた数年間を許すことはできなかった。
そしてグラッセがフローレシア王国の姫と結婚すると噂を聞いて妻の座を手に入れたと思った時、彼女は歓喜に満ち溢れていた。やっと自分が望んでいた愛しい人を手に入れることができる喜びに心が躍った。
だが、グラッセの妻になったのはシエルだった。彼女は昔からフローラから奪っていく妹だった。
お気に入りのドレスもグラッセも、気がつけば全部シエルのものになってしまう。悔しくて何度も泣いた。父にそれを伝えようと何度も思ったが勇気がなくて何も言えなかった。
きっと、絶対に今回もフローラがグラッセに好意を寄せていると知っていて横取りをしたのだ。
「貴方の妻になるのはわたくしだった……」
フローラはそう泣きながら呟くと立ち上がり、ゆっくりとグラッセに近づいた瞬間、グラッセは絨毯を引っ張り、台の上に乗っていた花瓶を落とすとそれはガシャンと音を立てて割れた。
そして床に落ちた破片の中から一番ナイフの代わりになりそうな物を手に取るとグラッセは自分の手のひらに突き刺す。
「ぐっ……」
「グラッセ様、何を……!」
突然自傷行為を始めたグラッセの行動を見たフローラは慌てて駆け寄ろうとするとゼブラに止められてしまう。
ようやく意識が覚醒したグラッセは手から血を流しながら立ち上がるとフローラとゼブラを睨みつけ、静かに呟く。
「シエルの待つ屋敷に帰る……備品の弁償は俺がする」
懐から取り出したハンカチで傷口を縛るとグラッセはフローラにそう告げる。
そしてふらつきながらも出口に向かって歩き出すと扉に手をかけたが開かなかった。恐らく外から鍵をかけられたのだろう。
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「グラッセ様……どうして……」
フローラは呆然としながらグラッセが去っていく姿を眺めることしかできなかった。
*
「シエル様、そろそろご就寝なさらないと明日に差し支えますよ」
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このまま夫が帰って来なければどうしようかと、不安な気持ちが押し寄せてくる。
「あ……」
外を眺め続けていると見慣れた雪ソリが見えた。ソリはスピードを落としながらゆっくり玄関に近づいてくるとグラッセがソリから降りるのを見てシエルは急いで部屋を出て、グラッセの元へ足早に向う。
「旦那様!」
玄関先でグラッセの姿を見るとシエルは安堵の表情を浮かべて彼に抱きついた。
「よかった……無事で……本当に良かったです」
「ああ、心配かけて悪かった……もう大丈夫だから」
グラッセはそう言うとシエルを抱き寄せようとしたが手から血が流れていることに気づくとシエルから離れる。
「その手、どうなされたのですか?顔色も悪いです。すぐに医者を呼びましょう」
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