【完結】忌み姫と氷の魔法使いの白くない結婚

白滝春菊

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舐めるだけ※

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 ふかふかなベッドの上にシエルは横たわっていた。その隣では夫が上着を脱いでおり、上半身だけ裸になると鍛えられた肉体美が露になっている。シエルはドキドキしながらもじっと見つめた。
 男性に裸を見られることはもちろん、こんなに近くで男性の体を見るのは初めてだ。こうして見ると思ったよりも筋肉質なのだと思い知らされる。

「シエル……」

 ギシりという音と共にグラッセが覆いかぶさってくる。シエルは緊張からか体を強ばらせると最初は安心をさせるかのように頭を撫でてくれる。こうやって触れてもらえるだけで心地良い。ずっと、このままでいたいがすぐにそれは中断される。

「……ん……」

 最初は触れるだけの口づけ。そして唇を割って舌が入ってくると互いの唾液を交換するように絡み合う。経験がないシエルは息継ぎの仕方もわからず、すぐに息苦しくなりかけるがそれを察してグラッセが顔を離し、息をさせてくれた。そして再び口づけを再開する。

「ふぅ……ん……」

 今度は先程より長く、深くキスをされ頭がぼうっとしてくる。呼吸のために何度か口を開ければその都度、角度を変えて貪るように求められ、まるで食べられているような気分になった。

「……ふ……あっ……」

 グラッセの手が胸に触れるとビクリと震えた。触れられた箇所が熱くなっていくのを感じる。指先でネグリジェ越しに乳首を弄られると甘い刺激が全身に伝わる。

「ここがいいのか?」
「ひゃ……」

 カリッと軽く引っ掻かれると今まで以上の快感に襲われ、思わず声が出てしまい、口を手で覆って堪えようとするとグラッセに手を掴まれた。

「可愛い声だ。本当はキスで塞いでしまうのが勿体ないぐらいに……」
「やっ……でもっ……んっ」

 シエルの抗議を無視して再び口付けをする。その間にも乳房への愛撫は続けられ、シエルは身体の奥底から湧き上がる快楽に悶え続けた。

(……熱い……)

 いつの間にか身体中が火照っており、特に下腹部の辺りはジンジンとした疼きがある。
 それを知ってか知らずか、グラッセは口付けを終えると首筋、鎖骨へと口付けて徐々に下がっていき、ついに胸部に到達するとネグリジェをずらしてからピンク色の先端を口に含んだ。

「あっ……ん……」

 コリッコリと甘噛みされて吸われる度に気持ち良さに喘ぐ。それと同時にもう片方の手で反対の乳房も揉まれて、シエルは無意識のうちに足を擦り合わせており、それに気づいたグラッセは太ももに触れてくる。

「こっちもしてほしいのか?」

 下着の中はもうグショグショになっており秘所からは蜜が溢れている。それを指摘されたシエルの顔は真っ赤になり羞恥で瞳には涙が滲む。だが、嫌ではなかった。むしろ触ってほしいのだ。

「はい……」

 小さく返事をして力を抜くと両足を開かれる。そしてゆっくりとショーツの横に付いている紐を引っ張ると、シエルの下半身は丸見えとなった。

「あ……そんな汚い所、見ては……」
「綺麗だよ」

 グラッセは優しく言うと濡れている部分にそっと触れる。それだけでシエルは体を震わせた。割れ目をなぞるようにして何度も往復するとクチュクチュと水音が響く。

「あん……はぁ……んっ」

 久しぶりの感覚に身を捩らせながらシーツを掴む。グラッセはそのまま膣内に人差し指を入れるとゆっくり抜き挿しを繰り返す。シエルは夫に身を任せてただひたすら与えられる快楽に酔いしれた。

「……は、あっ……旦那さ、ま……あ、あっ」
「シエル、我慢しなくていいんだ……」

 そう言いながらグラッセは指の動きを止めずに動かし続ける。次第にシエルの体は痙攣を起こし始め限界を迎えようとしていた。

「あっ、あっ!だ、だめぇっ」

 一際大きな声で叫ぶと同時に絶頂を迎えた。荒くなった息を整えている間、夫は頭を撫でてくれていたがそれもやがて終わり次に何をされるのか察したが……想定外の出来事が起きた。

「だ、旦那様……?」

 シエルの足の間に割って入ると彼は両足を持ち上げ自分の肩に乗せるその体勢はシエルにとってあまりにも恥ずかしすぎるものだった。

「な、何……ひゃあっ」

 何をするのかと思えば今度は直接、陰部へ舌を這わせてきた。予想していなかった事態にシエルの頭は完全にパニック状態となる。しかしそんなことはお構いなしに舌先が花弁を刺激して、新たな快楽を生み出す。

「や、ああ……だ、め……汚い……」
「大丈夫だから……俺に任せろ」

 グラッセは一旦顔を上げると、安心させるように太ももにキスをし、それから再び舌を動かし始めた。

「ん……ふぅ……」

 ピチャッという音と共に生暖かいものが中に入ってくる。それが彼の舌だと分かると、余計に感じてしまい自然と腰が浮いてしまう。

「あっ……ふ……ん……」

 今度は中を掻き回すようにして舐められ、同時に陰核にも触れられる。敏感な部分を同時に攻められ、あまりの快感に何も考えられなくなる。
 十分に解し、いつでも男の象徴を受け入れられるはずなのにまだ挿入されないことに困惑しながらシーツを強く握り締めた。

「や……んっ、あっ、あ……っ!あんっ!」

 ビクビクと身体が震え、また達してしまった。それでも尚、男は責めることをやめず、執拗に攻め立てるため、シエルは抵抗することもできずにされるがままの状態だ。

(なんで入れてくれないの……?)

 今まで経験したことのない行為により体力が消耗していく、この快感から逃げる術はなく快楽に流されていくしかなかった。

「も……う、許して……」

 休む間もなく溢れ出る蜜を吸われ、指での愛撫が交互に続く。それから何度も絶頂を迎えるがやはり最後まで雄の象徴を入ることはなかった。

 *

 ようやくシエルが疲れ果てて眠りについた頃、グラッセは静かに起き上がると口元をシーツで拭った。寝ている妻の頬に触れるとピクンと反応するが起きる気配はない。

(俺は最低なことをしているのかもしれない……)

 グラッセは自分の性器を取り出すとそれは既に大きくなっており熱を帯びていた。それを彼女を横向きにしてからみっちり閉じた太ももの間へと滑り込ませて前後に動かす。

「くっ……」

 出会った頃に比べて肉付きがよくなった柔らかく滑らかな肌に包まれる。更に愛液で濡れているため摩擦が少なくスムーズだった。まるで性行為でもしているかのような感覚で気持ちが良い。
 眠っている彼女を使って自慰行為をするなど許されることではないのだが、できるだけ女性器を使用せずに済ませるにはこれしかなかった。もちろん彼女が起きている時にこんなことをすれば嫌われるのは目に見えている。
 太ももの隙間を行き来する度に卑猥な音が響く。シエルは相変わらず起きる様子もなくぐっすり眠っていた。それを見て罪悪感を抱きながらもグラッセは腰を止めることはない。

「……っ……」

 そしてとうとう限界が訪れるとグラッセは己を解放した。白濁色の液体が大量に内ももに放たれてシエルの足を伝っていく。グラッセはゆっくりと引き抜くと、白濁液を彼女の秘部の表面に塗りつけた。そこはヒクついており、物欲しそうにしているように見える。
 一瞬、誘惑に負けそうになるものの理性を保つと事後確認と後処理を頼むために使用人を呼ぶ。その後、彼女は目覚めることなく朝を迎えた。
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