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眠れない新婚初夜
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雪の上をトナカイが走り、それを引いた屋根の付いたソリの中では沈黙が続いていた。
何を話せばいいのか、お互いにわからなかったのだ。しかし、いつまでも黙っているわけにもいかない。シエルは勇気を出して口を開いた。
「あの、旦那様ってお呼びすればよろしいでしょうか?」
「……え、あぁ……はい、それで構いませんよ」
隣で黙って座っているグラッセは戸惑いながらも返事をするとシエルはパッと笑顔を見せた。まるで花のような可憐さがある。この国では花はあまり見かけないが。
「ありがとうございます。私のことはシエルとお呼びください。敬語もいりません」
「わかりまし……わかったよ。シエル」
グラッセはそう言うと外の景色を見てため息をつく。そんな彼の仕草にシエルは不思議そうに見つめているといつの間にかソリは屋敷へと到着した。
屋敷は城のすぐ近くの高台にある豪邸であった。門番にクリアが身分証を見せるとすぐに屋敷の中に入ることができる。
ソリの窓から外を見ると広い庭があるが雪が一面に敷き詰められているだけで殺風景な景色が広がっている。
屋敷の玄関前にたどり着くとグラッセは再びシエルに手を差し出した。その手を取り、ゆっくりと降りる。ふわりと淡い水色のスカートがコートの下で広がった。
シエルの亡き母親はこの屋敷で愛人として暮らして贅沢三昧をしていたと言われていたが、その娘は質素で清楚な雰囲気を持つ少女であった。屋敷の中も寂しいもので調度品も最低限のものしか置かれていない。
国王と王妃はシエルと一緒の城で暮らしたくはないが、目の届く範囲で生活してほしかったらしい。そのせいで彼女はずっとこの屋敷に軟禁状態となっていた。
グラッセはその説明を受けながら屋敷の中をクリアに案内をされながら歩く。
精霊の加護持ちだから大切にされているのかと思ったが、実際は愛人の子供なので冷遇されていたようだ。愛人の子供で精霊の加護を受け継いで、母親を亡くしてしまったのはシエルにとって不運だっただろう。
更に言えば冷酷で女嫌いの氷の魔法使いで有名なグラッセと結婚させれば嫌がらせにもなると考えたのだ。
この結婚は精霊の加護を次世代に引き継ぐためのもの。子供を産んでしまえばシエルはお払い箱で、その後はどこに行くのかはわからないが、この屋敷から追い出されることになるのかもしれない。
(そうなればやはり俺が引き取るのか?)
冗談じゃない。このまま無事に子供を作ってしまえば念願の生涯独身どころかシエルを引き取って面倒を見ることになるかもしれないのだ。やはり二年間子供を作らずに離縁をするのが最善の方法である。
「こちらがグラッセ様とシエル様の寝室になります」
クリアが一つの部屋の前で止まると扉を開ける。中に入ると大きな天蓋付きのベッドが目に入った。そして今は誰もいない。
「俺の部屋は?」
「ここです」
グラッセの質問にクリアは即答をする。それを聞いたグラッセは顔を青ざめさせた。どうやら自分は強制的にシエルと同じベッドで一緒に眠ることになるようである。夫婦が同じ部屋で過ごすのは当たり前のこと。
だから嫌なのだ。結婚をするのは。自分だけの時間を、自由を奪われ、おまけに見た目が最高に良いだけの大して愛情もない6つも年下の女と子作りまでしなければならない。
しかし、それを断れないのが貴族というものだ。もし断ったとしたならば自分だけではなくラッセル家に迷惑を掛けることになってしまう。
「では、ごゆっくりお休みくださいませ」
クリアは頭を下げると部屋の外へ出ていった。グラッセは大きな溜息をつくと着替を始める。今から寝るには時間が早いが今日は色々ありすぎて疲れたのだ。
今頃シエルは風呂に入っているはずだ。彼女が出てくるまでに着替えて眠ってしまおうと着ていた礼服を脱ぎ、用意されていた黒い夜着に袖を通す。そしてさっさと横になろうとベッドシーツに触れた瞬間だった。
(質が悪い……!)
外見だけは高級感漂うベッドだがシーツの材質は快適とは言えない代物である。これは明日にでも買い替える必要があるだろう。
*
その頃シエルは侍女に手伝ってもらいながら湯浴みを終え、体を拭いていたところである。鏡台の前に座り髪を丁寧に櫛でとかしてもらいながら今夜のことを考えていた。
結婚式で一度、体を重ねたが、今夜も同じように抱かれるのかと思うと少し憂鬱になる。また、あの時みたいに痛みに耐えなければならない。
だが自分がグラッセとの子を産むことで国のためになると思えば我慢できる気がしてきた。今まで、ただ生きているだけで何かを求められたりすることはなかった。
それが突然必要とされ、しかもそれは国の未来のためにできることだと思うと嬉しい気持ちもある。そう思うと耐えられるような気がした。
シエルは準備を終えるとグラッセが待つ自室へと向かったのであった。白の夜着に身を包んだシエルが部屋の前に立つと執事のクリアがノックをし、グラッセからの入室の許可を得ると扉を開いた。
「入りますね」
シエルの声を聞いてベッドに腰掛けていたグラッセは視線を上げるが、なんだか不機嫌そうに見える。何か気に触ることがあったのだろうかと不安になった。
「旦那様、どうかなさいました?どこか具合の悪いところがありますでしょうか……?」
「いや、大丈夫。それより寝よう。疲れただろう」
「え……」
グラッセは首を横に振るとそのまま何もせずにベッドで眠り始めたではないか。てっきりこのままキスなり、なんなりされると思っていたので拍子抜けしてしまう。
「……手袋は外さないのか?」
ベッドに入ると不意に声をかけられた。シエルが湯浴みをする時以外はいつもシルクの手袋をしたままで過ごしているのに気になっていたのだ。
「私の手、結構冷たいんです。精霊の加護のせいだと聞いていますが本当に冷たいだけで」
シエルが片方の手袋を外すと綺麗な白い手が露わになり、グラッセはそれを確認するために体を起すとその手を取った。確かにひんやりとしている。でも、それだけだ。
「確かに……」
「みんな、私が触ると凍傷を起こすかもって心配をして怖がってしまうので手袋をしているのです」
シエルの頬が染まる。今まで自分の手をこんなふうに優しく触れてくれる人はいなかった。グラッセの手が自分の手に重ねられ、彼の温もりを感じるとドキドキする。
それからベッドで眠っているもののお互い背中合わせで離れている状態だ。
正直、儀式ですでに抱かれており、受け入れた時の痛みや疲れが残っているのでこれ以上の行為は遠慮したいと思っているからシエルとしては幸いだった。
グラッセが気遣ってくれたのか、それとも女として魅力がなく、気に入られなかったのか……後者ならなんとかして自分から動かなければならない。
そんなことを思いながらシエルはいつの間にか深い夢の世界へと誘われていったのだった。
*
翌朝、シエルは目覚めると自分が何かに抱きついていることに驚いた。
温かくてたくましい胴体は男性のものに違いない。恐ろしくなって顔を上げればそこにいたのは自分の夫になった人。
「おはよう、シエル」
「……お、はよございます」
グラッセは眉間にシワを寄せていたがシエルが起きたことに気がつくと微笑む。それに彼女は驚きながらも挨拶を返す。まさかこんな朝を迎えるとは思ってもいなかったので戸惑ってしまう。
今まで、誰かと一緒に眠るなんて経験をしたことがなかったのだ。慌てて彼から離れてベッドの上に座り込むとシエルは顔を赤くしながら俯く。
「昨日はよく眠れたか」
「はい……おかげさまで、よく休めました」
シエルは疲れて眠ってしまったが、反対にグラッセはあまり眠れていないのか目の下にクマができていた。それでも優しくシエルに笑いかける。
「そうだ。寝具を新調したいんだが、シエルはいいか?」
「あ、だから旦那様は寝不足気味なんですね……なるほど」
「……ああ」
「私はいいのですが、そういったことは私じゃわからないのでクリアに聞いてみてください」
シエルが苦笑するとグラッセはベッドから出て着替え始める。その様子を見て自分も起きなければと思い、彼女もベッドから出て、侍女を呼ぶためのベルを押したのであった。
グラッセが眠れなかったのは別にベッドが悪いわけでは無い、好みはあるが寝ようと思えば床でも寝ることはできる。
原因は寝ている時にシエルが寝返りをうったせいである。急に抱きついて胸を押し当ててきたりしたものだから目が冴えて寝れなかったのだ。
思えば引き剥がして寝ればよかったと侍女に着替えを手伝ってもらっているシエルを眺めながら今更後悔をした。
何を話せばいいのか、お互いにわからなかったのだ。しかし、いつまでも黙っているわけにもいかない。シエルは勇気を出して口を開いた。
「あの、旦那様ってお呼びすればよろしいでしょうか?」
「……え、あぁ……はい、それで構いませんよ」
隣で黙って座っているグラッセは戸惑いながらも返事をするとシエルはパッと笑顔を見せた。まるで花のような可憐さがある。この国では花はあまり見かけないが。
「ありがとうございます。私のことはシエルとお呼びください。敬語もいりません」
「わかりまし……わかったよ。シエル」
グラッセはそう言うと外の景色を見てため息をつく。そんな彼の仕草にシエルは不思議そうに見つめているといつの間にかソリは屋敷へと到着した。
屋敷は城のすぐ近くの高台にある豪邸であった。門番にクリアが身分証を見せるとすぐに屋敷の中に入ることができる。
ソリの窓から外を見ると広い庭があるが雪が一面に敷き詰められているだけで殺風景な景色が広がっている。
屋敷の玄関前にたどり着くとグラッセは再びシエルに手を差し出した。その手を取り、ゆっくりと降りる。ふわりと淡い水色のスカートがコートの下で広がった。
シエルの亡き母親はこの屋敷で愛人として暮らして贅沢三昧をしていたと言われていたが、その娘は質素で清楚な雰囲気を持つ少女であった。屋敷の中も寂しいもので調度品も最低限のものしか置かれていない。
国王と王妃はシエルと一緒の城で暮らしたくはないが、目の届く範囲で生活してほしかったらしい。そのせいで彼女はずっとこの屋敷に軟禁状態となっていた。
グラッセはその説明を受けながら屋敷の中をクリアに案内をされながら歩く。
精霊の加護持ちだから大切にされているのかと思ったが、実際は愛人の子供なので冷遇されていたようだ。愛人の子供で精霊の加護を受け継いで、母親を亡くしてしまったのはシエルにとって不運だっただろう。
更に言えば冷酷で女嫌いの氷の魔法使いで有名なグラッセと結婚させれば嫌がらせにもなると考えたのだ。
この結婚は精霊の加護を次世代に引き継ぐためのもの。子供を産んでしまえばシエルはお払い箱で、その後はどこに行くのかはわからないが、この屋敷から追い出されることになるのかもしれない。
(そうなればやはり俺が引き取るのか?)
冗談じゃない。このまま無事に子供を作ってしまえば念願の生涯独身どころかシエルを引き取って面倒を見ることになるかもしれないのだ。やはり二年間子供を作らずに離縁をするのが最善の方法である。
「こちらがグラッセ様とシエル様の寝室になります」
クリアが一つの部屋の前で止まると扉を開ける。中に入ると大きな天蓋付きのベッドが目に入った。そして今は誰もいない。
「俺の部屋は?」
「ここです」
グラッセの質問にクリアは即答をする。それを聞いたグラッセは顔を青ざめさせた。どうやら自分は強制的にシエルと同じベッドで一緒に眠ることになるようである。夫婦が同じ部屋で過ごすのは当たり前のこと。
だから嫌なのだ。結婚をするのは。自分だけの時間を、自由を奪われ、おまけに見た目が最高に良いだけの大して愛情もない6つも年下の女と子作りまでしなければならない。
しかし、それを断れないのが貴族というものだ。もし断ったとしたならば自分だけではなくラッセル家に迷惑を掛けることになってしまう。
「では、ごゆっくりお休みくださいませ」
クリアは頭を下げると部屋の外へ出ていった。グラッセは大きな溜息をつくと着替を始める。今から寝るには時間が早いが今日は色々ありすぎて疲れたのだ。
今頃シエルは風呂に入っているはずだ。彼女が出てくるまでに着替えて眠ってしまおうと着ていた礼服を脱ぎ、用意されていた黒い夜着に袖を通す。そしてさっさと横になろうとベッドシーツに触れた瞬間だった。
(質が悪い……!)
外見だけは高級感漂うベッドだがシーツの材質は快適とは言えない代物である。これは明日にでも買い替える必要があるだろう。
*
その頃シエルは侍女に手伝ってもらいながら湯浴みを終え、体を拭いていたところである。鏡台の前に座り髪を丁寧に櫛でとかしてもらいながら今夜のことを考えていた。
結婚式で一度、体を重ねたが、今夜も同じように抱かれるのかと思うと少し憂鬱になる。また、あの時みたいに痛みに耐えなければならない。
だが自分がグラッセとの子を産むことで国のためになると思えば我慢できる気がしてきた。今まで、ただ生きているだけで何かを求められたりすることはなかった。
それが突然必要とされ、しかもそれは国の未来のためにできることだと思うと嬉しい気持ちもある。そう思うと耐えられるような気がした。
シエルは準備を終えるとグラッセが待つ自室へと向かったのであった。白の夜着に身を包んだシエルが部屋の前に立つと執事のクリアがノックをし、グラッセからの入室の許可を得ると扉を開いた。
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シエルの声を聞いてベッドに腰掛けていたグラッセは視線を上げるが、なんだか不機嫌そうに見える。何か気に触ることがあったのだろうかと不安になった。
「旦那様、どうかなさいました?どこか具合の悪いところがありますでしょうか……?」
「いや、大丈夫。それより寝よう。疲れただろう」
「え……」
グラッセは首を横に振るとそのまま何もせずにベッドで眠り始めたではないか。てっきりこのままキスなり、なんなりされると思っていたので拍子抜けしてしまう。
「……手袋は外さないのか?」
ベッドに入ると不意に声をかけられた。シエルが湯浴みをする時以外はいつもシルクの手袋をしたままで過ごしているのに気になっていたのだ。
「私の手、結構冷たいんです。精霊の加護のせいだと聞いていますが本当に冷たいだけで」
シエルが片方の手袋を外すと綺麗な白い手が露わになり、グラッセはそれを確認するために体を起すとその手を取った。確かにひんやりとしている。でも、それだけだ。
「確かに……」
「みんな、私が触ると凍傷を起こすかもって心配をして怖がってしまうので手袋をしているのです」
シエルの頬が染まる。今まで自分の手をこんなふうに優しく触れてくれる人はいなかった。グラッセの手が自分の手に重ねられ、彼の温もりを感じるとドキドキする。
それからベッドで眠っているもののお互い背中合わせで離れている状態だ。
正直、儀式ですでに抱かれており、受け入れた時の痛みや疲れが残っているのでこれ以上の行為は遠慮したいと思っているからシエルとしては幸いだった。
グラッセが気遣ってくれたのか、それとも女として魅力がなく、気に入られなかったのか……後者ならなんとかして自分から動かなければならない。
そんなことを思いながらシエルはいつの間にか深い夢の世界へと誘われていったのだった。
*
翌朝、シエルは目覚めると自分が何かに抱きついていることに驚いた。
温かくてたくましい胴体は男性のものに違いない。恐ろしくなって顔を上げればそこにいたのは自分の夫になった人。
「おはよう、シエル」
「……お、はよございます」
グラッセは眉間にシワを寄せていたがシエルが起きたことに気がつくと微笑む。それに彼女は驚きながらも挨拶を返す。まさかこんな朝を迎えるとは思ってもいなかったので戸惑ってしまう。
今まで、誰かと一緒に眠るなんて経験をしたことがなかったのだ。慌てて彼から離れてベッドの上に座り込むとシエルは顔を赤くしながら俯く。
「昨日はよく眠れたか」
「はい……おかげさまで、よく休めました」
シエルは疲れて眠ってしまったが、反対にグラッセはあまり眠れていないのか目の下にクマができていた。それでも優しくシエルに笑いかける。
「そうだ。寝具を新調したいんだが、シエルはいいか?」
「あ、だから旦那様は寝不足気味なんですね……なるほど」
「……ああ」
「私はいいのですが、そういったことは私じゃわからないのでクリアに聞いてみてください」
シエルが苦笑するとグラッセはベッドから出て着替え始める。その様子を見て自分も起きなければと思い、彼女もベッドから出て、侍女を呼ぶためのベルを押したのであった。
グラッセが眠れなかったのは別にベッドが悪いわけでは無い、好みはあるが寝ようと思えば床でも寝ることはできる。
原因は寝ている時にシエルが寝返りをうったせいである。急に抱きついて胸を押し当ててきたりしたものだから目が冴えて寝れなかったのだ。
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